03/06(火) る*しろう/SABOT/内核の波/日比谷カタン@Live Freak

03/06(火) る*しろう/SABOT/内核の波/日比谷カタン新宿 Live Freak に行ってきました。セットは以下、

内核の波:
01. 死に至る病に至る病 (約7分)
02. Memory (約6分)
03. すっげー深い穴を見つけたんだ!... (約10分)
04. ???? (約8分)
05. 自分不器用ですから (約6分)

約40分

内核の波 Member:
小林智(b)
鈴木和美(fl)
遠藤徳光(dr)
村岡満男(gt,tp)


日比谷カタン:
01. Opening 〜 ねがい 〜 大江戸捜査網・テーマ (約8分)
02. 逆さもどき参る 〜 ???? (日比谷カタン作詞・作曲、約12分)
03. 愛のギヨテーヌ 恋するイミテシオンさ (日比谷カタン作詞・作曲、約4分)
04. フスロブロスチの切符切り (日比谷カタン作詞・作曲、約8分)

約39分

日比谷カタン(g,vo)


SABOT:
01. ???? (約9分)
02. ???? (約12分)
03. ???? (約7分)
04. ???? (約10分)

約42分

SABOT Member:
Christopher Rankin(b)
Hilary Binder(dr)


る*しろう:
01. る*クスチャー (菅沼道昭作詞&金澤美也子作詞・作曲、約6分)
02. 犬 (金澤美也子作詞・作曲、約3分)
03. 鳥 (金澤美也子作詞・作曲、約8分)
04. 御柱 II (菅沼道昭作曲、約2分)
05. ずんだずんだ (金澤美也子作曲、新曲:昨年末初演、約14分)

約36分

る*しろう Member:
金澤美也子(key,vo)
井筒好治(gt,vo)
菅沼道昭(dr,vo)



まずは、内核の波からスタート、本日は持ち時間が短いので、他のメンバーの準備中に幕から顔を出して告知中心にまとめて MC、風邪ひいたとのことでマスク、コンタクト忘れたとのことでメガネ。Baja Prog 2007 出演は今月にメキシコ、その流れで9月にアメリカとのことで、ProgPower USA かと一瞬思いましたが、今年の ProgPower USA は10月開催なので別のフェスに出場決定のようですね、益々楽しみな状況。幕が開くと、鈴木さんが驚きの振袖姿、他のメンバーはいつもの血染め白衣、40分の持ち時間に思いっきり詰め込んだ5曲で40分キッチリの演奏、相変わらずサウンドがソリッドで素晴らしく、Baja Prog 2007 でも世界中のプログレファンを大いに魅了して下さることでしょう最後に演奏された「自分不器用ですから」は、個人的に聴かせていただくのは2回目でしょうか、祭囃子的リズムを巧みに取り入れ、篠笛を模したかのようなフルートソロとの静と動の見事な対比、和メタルとも言えそうなコンポージングと演奏は素晴らしい限り、これを Baja Prog 2007 で聴く世界のプログレファンの反応、見てみたいところです。


続いて日比谷カタン、幕が下りている中で演奏を開始、その後幕が開く。いつものオープニングと思いきや、行き成り驚きの展開、何故か「江戸を斬る」の主題歌「ねがい」が高らかに歌われ、続いて「大江戸捜査網のテーマ」へ、相変わらずの超絶ギター&7色のヴォーカル、トランスジェンダー風着物姿での演奏でこの展開!この倒錯感、退廃感の創出には感服です。2曲目はメドレーで「逆さもどき参る」から御本人曰くオーガスタ系という 2nd に収録されている曲に繋げます、このオーガスタ系、ライヴで聴かせていただくのは2度目、情感豊かにかつ個性的に奏でられるまさに次世代弾き語りの新たなる形を感じさせてくださる曲で、早く音源で繰り返し聴かせていただきたい気がします。ラストの2曲も共にまだ未発売の 2nd Album に収録されている曲で、本日も”もしかしたら先行発売?”を期待したのですが、まだでした。残念至極。今月中頃(3/18)には、"Bursted Guitars" と題した鬼怒無月さん、Gianni Guido との企画が予定されている日比谷カタンさん、益々目が離せない状況ですね。


そして、チェコのSABOT、彼らの来日公演は今回で3回目なのですが、前2回を見逃してしまった為、個人的には初の SABOT ライヴ体験となります。ドラムとベースのデュオという、RUINS を意識したかのような編成ですが、実際はかなり RUINS とはアプローチが違っています。ベースもアンプ側のコンソールでしかコントロール出来ない足元にエフェクト類なしのシンプルな形、曲も基本となるテーマの変奏形式で全体を膨らませる形、と書くとシンプルでつまらない印象を受けてしまうかも知れませんが、実際はトンでもないバリエーションと強烈な個性を持ってまして、印象としては、ギターの無い PRIMUS!変態的超絶演奏、4曲約40分強ながら十分に堪能させていただきましたし、演奏の素晴らしさにつられて、しっかり Live DVD もゲットさせていただきました。


そして、トリは当然る*しろう!!カタンさんの影響か、時間がもったいないからか、幕が閉じた状態からの演奏開始!行き成りの「る*クスチャー」導入!いやー、冒頭から強烈そのもの、る*しろう的ミクスチャー解釈「る*クスチャー」は、暗黒からヒップホップまでありとあらゆる音楽的要素をる*しろう鍋でじっくりと煮込んだ究極の一品、音源も勿論いいですが、ライヴ会場で味わうとまた格別です。「犬」に続いて「鳥」「御柱 II」という久々のナンバーに感涙も、またサウンドの肌触り、質感が全く別のものに、より高次元の作品に高められた演奏で、このる*しろうの現在のバンドとしての充実度を再認識する形となりました。最後は「ずんだずんだ」、昨年末に初演された金澤さんの曲とのことですが、個人的には初めて聴かせていただきます。第一印象、なんだこりゃ、一体何もの、何が起こっているの?と言った感じでとにかく構成が複雑怪奇、3者3様にポリリズミックにかつマルチレイヤーで曲が進行、全く持って全容を捉えることが出来ないのですが、途轍もなく大きなところで調和が保たれている印象も受ける、サッと空間が開けた間奏部のブルージーな展開がまた格別、この間奏部における井筒さんのソロは、目の前で展開されているのに我が目を疑わんばかりの圧巻のギター、ブルースノートでの超高速フレーズを展開するのですが、余りの速さに、目の前ながら音が遅れてくる印象も受ける。いや、決してディレイではありません、ギターから煙噴出して燃え上がるんじゃないの?というトンでもない早弾きで、イングヴェイやポール・ギルバートなどのメタル系など目じゃ無い、かつ一線を画す魂の早弾き、もっとも近いと感じさせるのは最盛期ジェットフィンガーと呼ばれていた頃の Garry Moore かな?ただ、井筒さんの場合は余りにも左手運指がスムーズなので、音ではなく見た目”スローハンド”エリック・クラプトンも彷彿とさせます。裏の仕事師、井筒好治さんの実力は、現在のところ知る人ぞ知るの状況ですが、早く真っ当な、正当な評価を広く得ていただきたいものです。当然ながら、アンコール要請が起こるも、平日の夜に、これ程濃い音楽を長丁場でとの状況を考慮してか、金澤さんからは「ダメダメ、もう遅いし」とのお応えにて幕。



本当に平日(火曜)の夜なのです、このようなキチガイじみた素晴らしいライヴ企画が日常の中にある喜び、随喜の涙を流しつつ噛み締めたいと思います。



n.p. る*しろう「3.27830」