02/24(土) Salle Gaveau@渋谷公園通りクラシックス

02/24(土) Salle Gaveau@渋谷公園通りクラシックス に行ってきました、セットは以下、

1st Set:
01. タイトル未定 (鬼怒無月作曲、新曲、鬼怒 strat、約12分)
02. Tempered Elan (鬼怒無月作曲、鬼怒 strat、約10分)
03. Take Me to Your Leader (鬼怒無月作曲、鬼怒 strat、約11分)
04. Pointed Red (鬼怒無月作曲、鬼怒 strat、約10分)

約46分

2nd Set:
05. Tingo (佐藤芳明作曲、新曲、鬼怒 strat、約14分)
06. Alloy鬼怒無月作曲、鬼怒 ag、約10分)
07. Arcos (鬼怒無月作曲、鬼怒 ag、約11分)
08. Nullset (鬼怒無月作曲、鬼怒 strat、約8分)
09. Seven Steps to "Post Tango" (佐藤芳明作曲、鬼怒 strat、約13分)

Encore:
10. Parade (鬼怒無月作曲、鬼怒 strat、約7分)

約73分

Salle Gaveau Member:
鬼怒無月(gt)
( strat:Vanzandt Stratcaster Clear Blue、ag:ガットギター:新調)
喜多直毅(vn)
佐藤芳明(acc)
鳥越啓介(cb)
林正樹(pf)


益々トンでもないことになって来ている Salle Gaveau、50年後、100年後の音楽好きな人々から伝説のバンドとして語られるであろうこの Salle Gaveau の音楽を、リアルタイムで、その上ライヴ空間で体験できるなどと言う僥倖は、恐らく今世における数少ないチャンス、見逃すことなど出来よう筈もありません、当然足を運んできました。

やってくれます、流石は鬼怒無月さん率いる Salle Gaveau、期待に違わぬどころか、完全に期待を凌駕する音楽を我々に提供して下さいました。個人的には過去に4人編成&バンド名が違っていた時代含め、20回弱ライヴに足を運んでいる中でベストでした。Salle Gaveau 以前には無く、Salle Gaveau 以外では成し得ない究極的アンサンブルの極致、このライヴに触れて初めて、”音楽とは、こんな境地にまで到達することができるのだ”と言うことを心の底より実感できました。

まずは、行き成りタイトル未定の新曲から幕を開く、一曲目からメンバー皆さんのテンション、気合が半端ではなく、喜多さんの弓の毛が、一曲目演奏中とは思えない程バラバラにな状態に。Bondage Fruit の 1st & 2nd プログレ期の曲と思える程のプログレ色の強いこの新曲が、また更なる成長を遂げていると感じさせるこの演奏の充実具合は一体何なのでしょう?素晴らしい限りです。

演奏後、余りの弓の毛のばらけ具合に、喜多さんは楽屋に戻って予備の弓を持って、2曲目に備え準備万端。演奏を抑えて、弓の毛を長持ちさせようなどとは露程も思わぬ気合の充実振り、全ては生み出される演奏結果である音楽に結実しています。

「Tempared Ellan」に続いて、Salle Gaveau で取り上げるのは2度目の鬼怒・壷井デュオ、ERA の曲「Take Me to Your Leader」、Salle Gaveau での演奏も癖になってしまう程に魅力的な演奏。そして第一部最後は「Pointed Red」、4曲のみですが、楽曲個々の濃さ、演奏の充実度が半端ではないですので、短めながら物足りなさは全く感じませんでしたね。

第二部の冒頭は、前回初演であった佐藤さんの新曲、インドとタンゴを融合させた「Tingo」、間奏部に雰囲気を盛上げる為にタンブーラ・マシンを持って来る佐藤さんの気合の入り方も素晴らしく、タンブーラ・マシンの効果は確実に現れていました。

勿論第二部も、未曾有の音楽体験、素晴らしい演奏でした。それらが全て凝縮されたかのようなアンコールの「Parade」、喜多さんは微分音アドリヴに加えて、駒回しベンディングまで持って来る反則気味の超絶インプロヴィゼーション、それを受けての鬼才林さんの喜びの高らかな笑い声が印象的でした。メンバー皆さん、トンでもない高次元で音楽を高め合っているその姿にまた感動を覚えました。

このようなトンでもない音楽レベルに達していながら、まだこの先を期待させて下さる Salle Gaveau、本当に今の時代に、日本に生れ落ちたことに大きな喜びを感じさせて下さいますね。3月は、RIO 2007 の前月であることもあってか、ライヴ2回あります、お見逃し無く!!



n.p. Salle Gaveau「Alloy