01/17(水) 黒田・喜多・吉見セッション@大泉学園 in F

01/17(水) 黒田・喜多・吉見セッション@大泉学園 in F に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
01. 即興1 〜 (取決め:黒田・吉見で始め喜多後入り、約18分)
02. 〜 吹雪 (喜多直毅作曲、約8分)
03. Women's Dance ( By Milcho Leviev、約7分)
04. 夢 〜 (喜多直毅作曲、約6分)
05. 〜 絵の中の戦争 (喜多直毅作曲、第2番「燃える村」&第3番「プロパガンダ」、約7分)

約60分

2nd Set:
06. 即興2 (約11分)
07. 泥の河 (喜多直毅作曲、約21分)
08. 板橋区 (喜多直毅作曲、約10分)

約55分

Member:
黒田京子(pf,acc)
喜多直毅(vn)
吉見征樹(tabla,etc.)


至高のテクニックと豊かな音楽性、切り裂くような狂気のアバンギャルド性と郷愁誘う滋味に満ちたトラディショナル表現、それら全ての要素を高次元で多様な音楽要素と共に瞬間の中に即興的に織り込む現代最高のヴァイオリニスト、喜多直毅さん、昨年末には、鬼才の大先輩千野秀一さんを伴なって、歴史的な名演となるであろうラヴェルの「ヴァイオリンソナタ ト長調」を演奏して下さり、もはや同世代以下には共演者として適う者なし的な状況となったのか、トーキョーミュージックシーンが生んだ巨匠の方々との共演が目立つ中、本日の組み合わせは”人類史上初”( By 吉見さん)となる黒田京子さん、吉見征樹さんとのトリオセッション、場を大切に音を紡ぐピアノの巨匠、黒田京子さんと神ザキール・フセインが日本で唯一認めるタブラの巨匠、吉見征樹さん、そして同世代以下に適う者なしの若きヴァイオリンの巨匠、喜多直毅さん、この三人が揃って音を紡ぎ合った結果、ここ大泉学園 in F にて、また新たなシーンが拓けたかのような素晴らしい出会いと表現創出の場となりました。

この日、第二部終了後に当然の如く、アンコール要請の拍手が鳴り止まなかったのですが、その時既に喜多さんの弓の毛が演奏不可能な状態にまで抜け落ちていました。ご本人は「折角アンコールをいただいておきながら誠に申し訳ないのですが、弓がこのような状態になってしまい、予備の弓を準備していなかったのでまた次の機会に本日のアンコールの分も演奏させて下さい」と仰ってましたが、個人的には、恐らく演奏開始前は予備の弓が必要ではない状態だったのだとみております。この日の未曾有のヴァイオリン表現にて、信じられない程に弓の毛が抜けてしまったのではないでしょうか、そう感じさせる表現に至っていた気がします。噂の新曲「泥の河」も初めて聴かせていただきましたが、弦楽色が強い荘重な曲で、このトリオによる演奏も有ってか、未だ嘗て無くこれからこの新世紀にあるべき音楽の姿が現れていたように実感しました。しかし、その姿は余りに巨大で、現段階ではその概観すらも私には捉えることが出来ませんでした。


このトリオ編成の”次回”が、5月にここ大泉学園 in F にてと言うことで早速決まったようです。歴史は、確実に動き出しました。この恐るべきトリオの”次回”を乞うご期待、お見逃し無く!!



n.p. 喜多直毅「VIOHAZARD」