07/03(月) 渋さチビズ@入谷なってるハウス

07/03(月) 渋さチビズ@入谷なってるハウス に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. 行方知れズ (不破大輔作曲、不破 cb、小森 as+cal、北 tp->p-tp、約57分)

約59分

2nd Set:
02. 股旅 (不破大輔作曲、不破 eb、小森 ss、北 p-tp->tp->p-tp、約27分)
03. ライオン (不破大輔作曲、不破 eb、小森 as+cal、北 tp、約28分)
04. 大沼ブルース (不破大輔作曲、不破 eb、小森 as、北 tp、約10分)
05. 仙頭 (不破大輔作曲、不破 eb、小森 as、北 p-tp、約1分)

約68分

渋さチビズ Member:
不破大輔(cb,eb)
小森慶子(as,ss,cal)
立花秀樹(as)
北陽一郎(tp,p-tp)
岡村太(dr)
倉持"クララ"整(dr)
佐藤帆(ts)

岡村----不破
----------------倉持
立--北--佐--小
花------藤--森
---------------------
----------客席-------


ちょっと間が開きましたが、小編成渋さ(とは言っても本日は7人編成)を聴きになってるハウスへ。いきなり気になるバカでかいドラムセット、バスドラはおろか、スネア、タム、フロアタム、シンバル、全てサイズが2割り増し以上、どうやら岡村さんが持ち込んだようで、いつも小さなセットの倉持さんのセットがより一層小さく見える程の異様な大きさ。どうやら不破さんもこのドラムに触発されたようで、冒頭の挨拶にて「いや、今日はコントラバス弾くつもりは無かったんだけど、これ見たら、つい弾きたくなって」とのことでコントラバス。そして 1st Set の1曲目は「行方知れズ」、先ずは不破さんの柔らかなベースで演奏開始、北さんもミュート使用による tp でアンビエント感を添え、他の3管もそれぞれに抽象的な音を奏で緩やかに進行、その後、不破さんのベースでの切り込みを契機に展開が変わり、いきなり実感する岡村さんのドラムの爆音ぶり、負けじと小さなドラムセットでこれまた爆音(うるさ型男気ドラマー倉持さんの場合いつもですが)で返す、2人の間で更に嬉しそうに煽りまくる不破さん、立花さんも、北さんも、更には佐藤さんまで、この状況に触発されてか、爆音モードで強烈なブロウをかます、また、北さんは巧みに Piccolo tp と通常の tp を使い分けつつ、強烈に吹きまくる。そんな状況を物ともせず、カリンバアンビエントに対抗する(!)小森さん、かと思えば、アルトでやはり小森さんも強烈な一撃をかます。様々に展開して、代わる代わるソロを取り合うが、小森さんの演奏が特に目や耳を惹きます、ソロになれば大胆なアドリブでサウンド全体を引っ張り、他の人のソロの際には、音響空間を整えるようにカウンターを当てたり、抽象音を静かに絡めて行く、爆音のリズム隊の中でも、真摯に只管音を紡いでゆく。小森さんの素晴らしいコントリビューションもあって、爆音の中にもサウンドはとてもカラフルに描かれてゆく、自由過ぎるほどに自由な爆音音響空間、ふと気がつくと早くも1時間、まずは 1st Set を閉めます。

続いて 2nd Set、休憩時間中にかかっていた Weather Report のベストに「おぉ、バートランドなんて30年ぶりぐらいに聴いたよ」と仰ってらした不破さん、ジャコを意識してか、2nd Set ではエレべでいきます!サウンドチェックにては「ちょっとうるさいかな?苦情が来るかもしれないから、鍵閉めておいた方がいいかも?」いや、ホント冗談になってない音量です。先ずは「股旅」により 2nd Set の幕が開く、不破さんのエレベも含めた更なる爆音によるテーマを一頻り奏で、ソロ繋ぎは小森さんの ss による尖ったリズムアプローチのソロから始まる、引継いだ立花さんは力の限りブロウしまくり、酸欠で入り口近くに倒れ込むように北さんに繋ぐ、北さんは相変わらず神々しいまでの”北”サウンドを響き渡らし、これまた佐藤さんも ts を振回しつつ気合入りまくりのソロ、その後、不破さんが岡村さんと倉持さんをけしかける様に舞台を作り、2人のドラムの掛け合いへ、岡村さんが爆音フレーズで怒涛のドラミングをみせると、倉持さんが、フェイクを絡めつつ、フィルイン、フィルアウトを繰り返す、かと思うと、こんな小さなセットで出しているとは思えない爆音フレーズでお互いにぶつかり合う。これまたあっという間の30分弱にて纏め上げる。続くは「ライオン」いきなり佐藤さんが飛び出し、ソロ繋ぎの先頭バッターを買って出る。続いて北さんが続き、小森さん、立花さんと繋ぎ、最後を締めるように不破さんがエレベソロを取る、明らかにジャコを意識していると思われるグリースとチョーキングを織り交ぜて混沌の歪みまくったベースソロで圧倒させつつ曲を閉じる。ここまででほぼ60分も、続けて「大沼ブルース」へ、ここで入って来たのは小さな子供も含む家族連れ、小森さんがそれを察してか、情感たっぷりのフレージングで泣きの音空間を整えたかと思うと、周りに展開チェンジを知らせるようにくるりと回りつつリズムを変えてリードし、更に変化を煽るように踊りながらの吹きまくりを魅せ、またまた怒涛の展開へ、佐藤さんがソロを引継ぎ、続いて北さんへ、最後は立花さんが締める。そして不破さんによるメンバー紹介を挟み、最後は爆音「仙頭」でライヴ全体を締め括る。

余りの爆音に、耳が悲鳴を上げましたが、やはりこの自由な音空間は渋さならでは、本日は音量的にはオーケストラに匹敵するのではと思える充実のライヴでした。また、機会を見つけて足を運びたいと思います。


n.p. 渋さ知らズ「渋全」