07/04(火) Pot Heads レコ発ライヴ@南青山 MANDALA

07/04(火) Pot Heads レコ発ライヴ@南青山 MANDALA に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. Ca Y Est 〜 (佐藤芳明作曲、佐藤 acc solo )
02. 〜 Ndegeomar (佐藤芳明作曲、約12分)
03. エセ・ケルト (鳥越啓介作曲、アルバム未収録、約7分)
04. Sirius-B (佐藤芳明作曲、約7分)
05. Thermal Soaring (佐藤芳明作曲、約7分)
06. Reed Leads Reeds (佐藤芳明作曲、川嶋さんへの提供曲、約10分)
手拍子練習 (前説・インストラクター:佐藤、約7分)

約61分

2nd Set:
07. Running Potman (鬼怒無月作曲、w/t 鬼怒 紫strat、約9分)
08. La Danza De La Pasio'n (鳥越啓介作曲、w/t 鬼怒 紫strat 約10分)
09. Bandiagara (佐藤芳明作曲、w/t 天野 赤strat、約9分)
10. Cinq Funk (佐藤芳明作曲、w/t 天野 赤strat、約6分)
11. East (佐藤芳明作曲、w/t 鬼怒&天野、約7分)

Encore 1:
12. chute! (佐藤芳明作曲、w/t 鬼怒&天野、約11分)

Encore 2:
13. 短い短い映画 (佐藤芳明作曲、佐藤 acc solo、約2分)

約82分

Pot Heads Member:
佐藤芳明(acc)
鳥越啓介(b)
田中栄二(dr)

Special Guest:
鬼怒無月(gt)
天野清継(gt)


遂にやって来た Pot Heads 1st Album「ゆげ」のレコ発ライヴ、更に参加する豪華ゲスト(鬼怒無月さん&天野清継さん)に心惹かれ、初の Pot Heads ライヴに足を運びました。会場内には噂通りの赤一色的客層(天野さんがステージに立ち「凄い、お客さん皆女性ばかりで、緊張してしまうわ」とのこと)、その上会場は南青山 MANDALA、随分と場違い感に苛まれながら開演を待っていると、佐藤さん一人がステージに登場!徐にアルバム1曲目収録の「Ca Y Est」をアコーディオンソロにて演奏、頃合を見て田中さん&鳥越さんがステージに現れ、そのままトリオ演奏にて「Ndegeomar」へ、卒無くまとめつつ演奏を閉じる。この流れは佐藤さんのソロ@大泉学園 in F で体験済み。MC は実質リーダーの佐藤さんではなく田中さんが担当、久々の田中節に、相変わらずだなの感あり、だらだらしつつも嫌味が無いさらっとした独特の言い回しで緩やかに進行させる。続くは、残念ながらアルバムには未収録となった鳥越さんの「エセ・ケルト」、Pot Heads 以外でのドラムレス編成で馴染んでいることもあり、新鮮な響き。続くは、アルバムには収録も、久々に聴く佐藤さんの曲「Serius-B」、この曲にドラムが入るのはこれまた新鮮。そして前半残り2曲を宣言し、前回のソロ@大泉学園 in F でも聴いた2曲「Thermal Soaring」「Reed Leads Reeds」(佐藤さんの川嶋さんへの提供曲:川嶋さんとのデュオアルバムに収録)いい曲が続くのですが、ちょっとアッサリまとめ過ぎの印象も受けます。空くまでも後半勝負の体力温存でしょうか?もっと Pot Heads のみの演奏でもがんがん行って欲しかった気がします。で、前半終わりかと思えば、何と後半アンコール曲の手拍子に関する前説と練習とのことで、ここ3回のライヴでやっているようです。う〜ん、ちょっと微妙かも知れません。

いよいよ待ちに待った後半戦!早速いきなり長めの田中さん MC、やっと鬼怒さんを呼び込んでくれたと思ったら、何といきなりコイル解散に関わる恨み節(前日に解散を知らされたと)をゲストの鬼怒さんに投げかけます(おいおい)、鬼怒さんも「King Crimson の解散をメロディーメイカー紙上で知った Adrian Belew に比べれば、かなり幸せな方、解散とはそういうものです」と訳の分からない鬼怒節で対抗します。出たー!久々のかみ合わない掛け合い、内容的には何だかなぁなのですが、この後に続くであろうぶち切れた演奏を予感させ嬉しさがこみ上げてきます。この Pot Heads というバンド名の由来等が名づけ親である鬼怒さんも含め一頻り語られ、鬼怒さんが Pot Heads の為に書き下ろした曲「Running Potman」(田中さんはここでも「鬼怒さんがついでに書いた曲」とケンカを売るような紹介、しかし嫌味感は一切無し、田中節恐るべし)そして始まる超絶的で刺激的な演奏、勿論曲の良さもあるのでしょうが、鬼怒さんが入ると 前半の Pot Heads は別バンドだったのではないかと錯覚するほどに、メリハリとサウンドパワー、グルーヴが活き活きと動き、弾けるように鮮烈な光を放ち出します。凄過ぎですが、これを期待していたのです!何か感動が身体を突き抜け、自然に涙が流れ出してしまいました。続くは、引続き鬼怒さんを加えつつ、鳥越さんの名曲「La Danza De La Pasio'n」( - 情熱の踊り - の副題は無し?原題は「チョウスケオリジナル No.3」)、Play Post Tango & More と名乗っていた現 Salle Gaveau の伝説的な演奏の数々が思い起こされますが、鬼怒さんを加えた Pot Heads の演奏は、当然ながらそれらとは全く違っていつつ、楽曲の良さを独特の切り口で活かす素晴らしい演奏、これまた圧巻でした。

鬼怒さんが舞台袖に下がり(その後、客席にいらっしゃってました)、天野さんが呼び込まれ、毎度お馴染み 1963年モデルのフィエスタレッドのストラトを持ち込みます。天野さんを加えて演奏される曲は「Bandiagara」「Cinq Funk」の2曲、「Cinq Funk」の紹介では、5拍子のファンクナンバーだからフランス語の5(Cinq)を用いたという佐藤さんの毎度のベタなネーミングに、客席の鬼怒さんが大笑いで応えます。始まる演奏、やはり天野さん、単なるゲストのさらっとしたコントリビューションで留まる筈も無く、ファニーで刺激的なフレーズの数々で、フロントマンとしての佐藤さんを刺激しまくり、佐藤さんはこれらを受けて珍しく感情を顕わにしつつ有りとあらゆるアコーディオン奏法を駆使して、天野さんの挑発に応えます。いや、やはり天野さん、流石の懐の深さと秘めたる超絶的演奏ぶり、これまた天野さんを加えた Pot Heads がまた更に別バンド化してしまう凄まじさでした。本編最後に、鬼怒さんを呼び込み、佐藤さんが両翼に鬼怒さん、天野さんを抱える形で、3トップ体制による「East」、この佐藤さんの筆による超絶的バルカン・ミュージックの凄まじいテーマ演奏が3人のユニゾンで疾走する時、余りの凄まじさに時間の流れが緩やかになる感覚を覚え、究極的な刺激の強さに聴きながら気が遠くなる感覚に捉われます。これ程贅沢な、2度と無いであろう奇跡の音楽に触れることが出来た幸運に心より感謝を捧げます。この「East」で本編を閉じ、前半に前説・練習した通り、アンコールでは「chute!」を Pot Heads + 鬼怒&天野の編成で演奏、これまた凄まじい限り。最後の最後にダブルアンコールに応え、佐藤さんが「この曲で、アルバムからの全ての曲を演奏することになります、短い曲、短い短い映画、です」と最後もアコーディンソロで静かにライヴの幕を閉じます。


この素晴らしいライヴに携わった全ての関係者に限りない感謝を捧げます、ありがとうございました。


n.p. Pot Heads「ゆげ」