06/08(木) 鬼怒・芳垣デュオ@新宿 Pit Inn

06/08(木) 鬼怒・芳垣デュオ@新宿 Pit Inn に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. My Back Page ( By Bob Dyran、鬼怒 ag-s solo、約5分)
02. 即興1 〜 (鬼怒 ag-g、芳垣 dr、約14分)
03. 〜 即興2 (鬼怒 reso、芳垣 dr->dr&td->dr、約12分)
04. 即興3 (鬼怒 ag-g、芳垣 dr、約9分)
05. Conference of the Birds - 鳩首協議 - ( By Dave Holland、鬼怒 ag-s、芳垣 dr、約12分)

約60分

2nd Set:
06. 即興4 〜 (鬼怒 ag-s、芳垣 karimba、約7分)
07. 〜 即興5 (鬼怒 ag-s、芳垣 dr、約11分)
08. 即興6 (鬼怒 ag-g、芳垣 gongs&bow->dr、約7分)
09. 即興7 (鬼怒 reso、芳垣 dr、約12分)
10. 即興8 (鬼怒 ag-g、芳垣 spoons、約7分)
11. La Pasionaria ( By Charlie Haden、鬼怒 ag-g、芳垣 dr&td、約15分)

Encore:
12. 即興9 (鬼怒 ag-s、芳垣 td、約5分)

約75分


鬼怒・芳垣デュオ:
鬼怒無月(gt)
芳垣安洋(dr)


前回、残念ながらこの史上初の組み合わせ、鬼怒・芳垣デュオ@大泉学園 in F に足を運べなかったので、今回のそれ程時間をおかずに実現した第二回目は、是が非でもその場に居合わせたいと思い、足を運びました。そんな思い入れもあって、開演前から御二人のセッティングが気になりまして、チェックしてみたところ、鬼怒さんは3本のギターを持ち込んでます(後の MC にて、実は4本目となる12弦ギターも持って来ていたが使わなかったとのこと)恐らくラミレスと思われるガットギター( Set にて ag-g と表記)、スティール弦を張ってあるアコギ(所謂フォークギター: Set にて ag-s と表記)、そしてリゾネーター・ギター(ドブロ社製: Set にて reso と表記)!一方芳垣さんは、また随分変わったセットで、玩具並みに小口径のブルーのバスとタム、右手側にライドシンバルとクラッシュシンバル、更に右手奥にマイクスタンド2本に分けてツリー状に鳴物系が吊ってある、スネアは底が浅くカイシャ風、左手前にはパンデイロとタンブリンが一つずつ三脚で設置されその更に右側にクラッシュシンバルが2枚、ハイハットを挟んでスプラッシュ1枚、左手奥にジェンベが設置され、セット後方に木製のテーブルを設置して、その上に各種シェーカー、ブラシ類を載せている、ゴング類、トーキング・ドラムは床置きと言う、一体ナニモノ状態のセット。

ライブの幕開けは鬼怒さんが一人フォークギターを持って登場、これはと思ったところ、予想通り「My Back Page」をソロで演奏、行き成り冒頭からしっとりとした雰囲気を作り上げ、ここで芳垣さんを招き入れる。自らをおじいさん(物覚えが悪くなった)と称し、芳垣大おじいさんとのおじいさんデュオですとコールしての2曲目は、鬼怒さんがガットギターに持ち替え抽象的に爪弾く、芳垣さんはブラシとシェーカーを合わせながら、鬼怒さんのフレージングに合わせるでもなく別の音響空間を構築する、行き成りお互いにそっぽを向くかのような即興演奏、かと思うとテンポ自体はしっかり寄り添いながら協調するように上がって行く、そのテンポを受けての間奏部では相互に独自でありながら、それぞれの音像間でコール&レスポンスを行う、お互いが歩み寄る事無く独自で進行しているように見せかけてその実見事なまでに連携して音像を織り成していく。演奏が終了するも、芳垣さんはメドレーのブリッジを意識するように音を繋ぎ続け、鬼怒さんはギターをリゾネーター・ギターに持ち替える、即興のメドレー演奏?鬼怒さんが、リゾネーターでブルージーなフレーズを奏で始めると、それに敢えて対抗するかのように芳垣さんはトーキング・ドラムを抱え、アフロテーストたっぷりにリズムを織り成す、何なんでしょう、この人達は!不思議なサウンド、ハーモニーを伴なって、ポリリズミックに展開、そしてふっと夢が覚めるかのように演奏を閉じる。

そして、二人の掛け合い漫才、鬼怒さんの話はケルトからブルースへ進行し、芳垣さんはアフリカから北朝鮮へ、鬼怒さんは「演奏中にピックを落とすのは船や飛行機の戻りでチケットを落とすのに似て、その後何処にも行けなくなって拉致される」と無理やり北朝鮮に繋げて、話を終わらせ次曲の演奏へ、ガットギターにて怪しい雰囲気のチェンバー系フレーズで進行、芳垣さんもアンビエントかつ抽象的なリズムで合わせる、ここで漸く歩み寄るかと思わせつつ、直ぐにまたそっぽを向き出す展開、しかしお互いのベースがベースだけにしっかりと不思議感覚溢れるチェンバー風即興に仕上がってました。例えて言うなら、鬼怒・芳垣デュオによる Warehouse 的即興演奏と言った感じでしょうか。第一部最後には曲を演奏しますとのことで、Dave Holland の「Conference of the Birds」、この演奏に入るまでも御二人の掛け合い漫才、ネタはこの曲の邦題「鳩首協議」、しょーも無かったですが、演奏は楽想を見事に描き出す素晴らしく息の合った演奏で第一部を纏め上げる。


また、時間見つけて更新します。


n.p. 鬼怒無月鬼怒無月ギターソロ」