09/06(火) Fantomas@渋谷CLUB QUATTRO

09/06(火) Fantomas@渋谷CLUB QUATTRO に行って来ました。セットは以下、

ZU :
6曲

約40分

ZU Member :
Massimo Pupillo (b)
Jacopo Battaglia (dr)
Luca Mai (b-sax)


Fantomas :
2nd の曲中心ながら、1st からも数曲演奏、アンコールは2曲(内1曲にて with アガタ(g, Melt Banana) )

約60分

Fantomas Member :
Mike Patton (vo, etc.)
Buzz Osborne (g)
Trevor Dunn (b)
Dave Lombardo (dr, perc)



開演予定時間の 19:00 キッカリに先ずはオープニングで ZU が登場、バリトンサックス、ドラムとベースのトリオ、イタリアのバンドらしいですが、私は今回初見でした。激しくブレイクを繰り返しつつ疾走するテクニカル・ジャズロック・トリオと言った感じで、初めこそインパクトはあるのですが、どうやら、バリトン奏者が曲を書いている風で、ドラムとベースの構成や展開に面白みが無い為、10分位で展開に飽きがきて、長く聴いたりするには、もう少し工夫が必要ではないかと感じました。とは言え、3人ともなかなかのテクニシャンですし、一番最後、6曲目は構成、展開面での捻りもありましたし、6曲目にこのトリオの将来性を強く感じました。この方向性でどんどん頑張っていただきたいところです。


続いて、本日のメイン、Fantomas です。この頃になると、会場内もしっかり観客で埋まってきて、準備万端といった体勢、8時を5分ほど回って、メンバーの登場、流石にこのメンツだと、ステージに立つだけで観客の盛り上がり方も半端ではなく、演奏前からかなりのヒートアップ。行き成り、ファニーなサンプリング音を使って曲に導入し、Mike の合図で Dave, Buzz, Trevor も切り込んできます。すかさず Mike がフリーキーなヴォイスで音像を調整し、さっと引き潮のように演奏をフェイドアウトさせる。完全な Mike の統率の元奏でられていく様は、Extreme Metalic Chamber とでも言えそうなオーケストレーションの巧みさで、メタリックな音色を特徴とはしながらも、それと対比させるかのような弱音の中での様々なニュアンスの含み方、表現手法は鬼才 Mike Patton ならでは、この辺りは、NIN の Trent Reznor にも通じる部分を感じました。他の3人も Mike の指揮の下、素晴らしい集中力で完成された演奏を見せてくれ、完璧に Mike の期待に応えていた印象ですね。また、中盤に演奏されたブルージィな音像の中、言葉とも成らない言葉を、まるでワウでもかけたかの様に低く不気味に囁く Mike からは、昨日のセッションにおける灰野さんの影響が早くも現れた感が伺えましたし、その後の「タタタッタァ!」の叫びも灰野さんの超音波絶叫を狙ったかのような感じでした。私個人の勝手な解釈ですが、”マエストロ”灰野のイニシエーションはしっかり Mike Patton に根付いた様ですね、流石は灰野さんと言ったところでしょうか。その後も素晴らしい音楽表現が続き、55分の演奏全体がまるまる1曲となっているように強く感じました。アンコールでは、Melt Banana のアガタさんがゲストでフリーキーなギターを中心とした1曲に参加し、その後ステージ奥に下がり、メロウなもう1曲でアンコールを締めくくります。Mike は「次は大阪で会おう!」と言ってましたが、しっかり大阪もまた曲順や構成を変えて来るのでしょうね。大阪近辺の Fantomas / Mike Patton ファンはお見逃し無くといったところです。



n.p. Fantomas「Suspended Animation」