09/05(月) 吉田・灰野・内橋・勝井・ナスノ・坂元・Mike@初台 The

09/05(月) 吉田・灰野・内橋・勝井・ナスノ・坂元・Mike@初台 The Doors に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. 勝井・坂元デュオ (吉田↓4分後、約11分)
02. 吉田・勝井デュオ (灰野↓4分後、勝井↑4分後↓9分後、坂元↓9分後、約15分)

約27分

2nd Set:
03. ナスノ・坂元デュオ (吉田↓3分後、約8分)
04. 吉田・内橋・ナスノトリオ (約6分)
05. 吉田・内橋デュオ (約4分)
06. 吉田・内橋・ナスノ・勝井カルテット (約5分)

約25分

3rd Set:
07. 灰野・内橋デュオ (約4分)
08. 灰野・内橋・勝井トリオ (約5分)
09. 灰野・Mike デュオ (吉田↓3分後、約5分)
10. 吉田・内橋・ナスノ・勝井カルテット ( Mike↓3分後、坂元↓3分後、約5分)

Encore:
11. 吉田・灰野・内橋・勝井・ナスノ・坂元・Mike セプテッツ (約3分)

約25分


メンバー:
吉田達也(dr, vo)
灰野敬二(gt, vo, etc.)
内橋和久(gt)
勝井祐二(e-vn)
ナスノミツル(b)
坂元健吾(b)
Mike Patton(vo)



とんでもないライブが実現しちゃいました。元々は、Pain Killer 来日公演が中止(これも元々、中国公演の為に Bill と John が来ることから、ストップオーバーで一日日本でもやって行って欲しいという吉田さんの好意からの公演で、それが本公演である中国公演中止に伴っての中止)になったことから話しが始まり、吉田さんが八方手を尽くして、その吉田さんの呼びかけに応えた皆さんが集まった形ですが、結果的にもうこのメンツが一堂に会することは有り得ないだろうと言う超豪華なメンバー、それも飛び切り個性的な超一流のミュージシャンばかりと相成りました。吉田さんのオープニングの挨拶に続いてトップは、勝井・坂元デュオ、坂元さんのちょと探りを入れるようなベースフレーズに勝井さんが反応し、更にグルーヴィに展開する坂元さんに対して鋭角的なバイオリンフレーズを当ててくる勝井さん、なかなかお目にかかれない2人のカップリングで行き成り盛り上がったところに、吉田さんがフィルをかまして2人の演奏に割って入る。このトリオも素晴らしい即興演奏を見せ、怒涛の展開を見せるかと思うと吉田さんが空かし、抽象的な展開へ引き込み、最後には大団円の演奏。続いて、坂元さんが外れ、吉田・勝井デュオにて演奏開始、この2人もデュオと言う形ではなかなか見られない組み合わせ、勝井さんがバイオリンを弾きながらリズムで煽り、吉田さんは強弱で見事につけたアクセントでメロディ的に煽り返す、頃合の良いところで灰野さんが登場、始めはステージ後方で2人のやり取りを伺っていたが、タイミングを見つけてステージ前方を横切り、吉田さんを挟んで勝井さんと対角に位置を取り、徐にギターストラップを回しつつ得意な灰野節で切り込んでくる、それを合図とするように勝井さんがスッと舞台奥に下がり、吉田・灰野デュオの形へ、灰野さんのフリーキーなフレージングと吉田さんのブラストを織り交ぜながらのアバンギャルドなドラミングが絶妙にマッチする。程なく、坂元さんと勝井さんが戻って来て、4人での演奏を纏め上げる。行き成り1部から素晴らし過ぎるほどに素晴らしい即興演奏2曲で一旦幕を閉じる。2部は行き成りナスノ・坂元ベースデュオから始まります、これがまたナスノさん、エグ過ぎ、緩やかな展開に持っていこうとする坂元さんに対し、早弾きでこれでもかこれでもかと煽ってきます、坂元さんがそれに応え高速フレーズで合わせようとすると、エフェクトでいなす感じ、丁々発止の2人のやり取りが続き、限界点に近づいたところで、吉田さんが入り込んできます、2重螺旋のようにグルーヴ渦巻く空間を切り裂くようにフィルとブレイクをかまし捲くる吉田さん、3人の鬼による気迫溢れる即興演奏に仕上がっていたように思います。坂元さんが舞台奥に消え、内橋さんが遂に満を持して登場!吉田さん版アルタードステーツと言っても良さそうな吉田・内橋・ナスノトリオ、ここのところの吉田さんと内橋さんの相性の良さは魔崖仏レーベルの禁断の即興モノをお二人のデュオで出してしまった(それも2枚組み!)ことを上げるまでも無く、既に次元の違うところで演奏を奏でている印象で、個人的には5次元即興デュオと心密かに呼んでいるのですが、3次元の住民にはしっかり3次元で聴いても楽しめるように演奏されている印象で、お二人を最も良く知り尽くしているナスノさんが、2人の舞台を完璧なまでにコーディネートしています、至高の即興トリオと言わざるを得ないでしょう、一聴して惚れます、このサウンド!十分に温まったところで、一旦演奏を切り上げ、ナスノさんが舞台奥に下がり、吉田・内橋デュオ!やっぱり5次元空間で演奏してます、この人達、言葉に出来ないセンスで埋め尽くされた即興演奏にただただ脱帽でした。2部最後は吉田さん版アルタードステーツに勝井さんを加えた形、縦横無尽に切り込む勝井さんのバイオリンが、4人の作り出すサウンドをより美しく、深みを持たせていたように感じました。もう2部だけで通常のライブの10回分位濃密な演奏にノックダウンしかけていると、吉田さんから、「3部では M.P. さんがどうしてもやりたいと言うことで参加しますからお楽しみにっ」の声!遂に、いくら話しに聴いても、目の前で見て直接音を聴くまでは信じられない空前絶後のライブが始まります。3部は、灰野・内橋デュオから始まります、3部はここからずっと悶絶状態です。出ました、灰野さんの特殊歌謡、歌ってます、何処から聴こえてくるか、発しているのは人間か、判別に苦しむ音が洩れて来ます。割とアンビエントな展開なのですが、お二人のサウンドの存在感の重さに押し潰されてしまいそうな凄まじき即興演奏、空間や器官を通さず、ダイレクトに心に響く不思議なサウンドは流石としか言えません。続いては、この仙人デュオに勝井さんが加わります、これまた暗黒ドロドロの至極のサウンド、内橋さん版ブラックステージと言ったところでしょうか、凄すぎです。続いて、Mike Patton 登場!ステージ中央に腰を下ろし、マイクを抱え込むように撥音中心でパーカッシヴに灰野さんを煽ります、すかさず立ってマイクスタンドを抱え、握り込み、超音波ヴォイスを炸裂させてきます。これ、むっちゃ破壊的でスピーカーが耐えられるかが心配な二人のやり取り、負けじと Mike も立ち上がり、凄まじい日米○○○○対決!頃合を見て凄まじいフィルをかませて吉田さんが切り込んできて、その後の3人の演奏もまた凄まじかったです。そして、3部最後を飾るのは、吉田・内橋・ナスノ・勝井カルテット、2部の最後と同様、吉田さん版アルタードステーツ with 勝井さんのカルテット、2部の最後とは全く色合いの違う展開に驚いていたところ、Mike と坂元さんが乗り込んできて、最後は大団円のうちに幕を閉じます。アンコール要請の中、アンコールに応え、最後は全員がステージに登場、凄まじいまでの即興演奏ですが、ここでも灰野さんと Mike の対決は人間を超えた別世界での戦いを見ているかのようで、まるで恐竜同士が雌雄を決するかのような迫力ある演奏、一生忘れられないような大感動のうちに幕を閉じます。ただただ素晴らしかった気がします、人間に戻り、社会復帰するまでには、しばらく掛かりそうです。本日のライブに尽力下さった吉田さん、参加して下さった超一流ミュージシャン、関係者の皆様に深く感謝を捧げます、ありがとうございました。


n.p. Fantomas「Suspended Animation」