09/04(土) UA@日比谷野外音楽堂

09/04(土) UA日比谷野外音楽堂に行ってきました。セットは以下、

01. そんな空には踊る馬 (6th)
02. バラ色(1st)
03. ロマンス(3rd)
04. ドア (4th)
05. 波動(AJICO「深緑」収録)
06. ファティマとセミラ (6th)
07. スカートの砂 (3rd)
08. 情熱 (1st)
09. 閃光 (4th)
10. TORO (2nd)
11. 踊る鳥と金の雨 (6th)
12, Lightning (6th)
13. 水色 (1st)
14. 太陽ぬ落てぃまぐれ節 (島唄BRUTUS 2003年7月15日号付録CD収録)
15. 雲がちぎれる時 (1st)

約100分

Member:
UA: Vocal, Voice
内橋和久: Electric Guitar, Acoustic Guitar, Daxophone, Effects
鈴木正人: Upright Bass
外山明: Drums, Balafon, Percussion
菊池成孔: Alto Sax, Tenor Sax
清水一登: Keyboad, Clarinet, Bass Clarinet
佐々木史朗: Trumpet, Flugelhorn


本日は、土砂降りの中の野外ライヴ、”水の女UA のライヴなので、仕方ないと思って会場に向かいましたが、実際にライヴに行ってみると、これも有りなのかなと思える充実したライヴでした。ステージ向かって右手手前の内橋さん、左手手前の外山さん、とその後ろの鈴木さんの上に簡易なビニールシートで雨よけを作ってのステージ、後方の3人、菊池さん、佐々木さん、清水さんはステージ上の庇の関係で直接雨を受けることは無いですが、前方の UA は常に雨の中で歌い続ける形となりました。黒の衣装に白のショーツを羽織った UA、ライヴの冒頭で真っ先に客席に投げかけた言葉は「ごめんなぁ」でした。雨女の自覚(よく MC で語ってます)からの言葉でしょうが、演奏自体も勿論充実していましたし、セットも本日の雨模様を受けたかのような形、実際、雨に打たれて聴いていて、本当に野外であることを身をもって実感できましたし、UA のシャーマン的側面が逆に強調されたようなところもあり、ある意味、非常に印象深いライヴとなりました。勿論、本日のバンドサウンドもいつものように”極上”でした。外山さんの叩き出すリズム世界は、常にポリリズミックな展開を見せ、ジャジーなランニングからアヴァンギャルドまで絶妙のバランス感覚で指弾き、ボウイングを駆使してアプローチする鈴木さんと良い形で補完関係を持ちつつ、最強のリズム隊としてガッチリした強固でかつ色彩豊かなリズム空間を構築し、菊池さんの艶めかしい色気タップリのサウンドと内橋さんの空間を活かした最早名人芸とも言える立体的な音響アプローチを受けて、美しい絢爛豪華なバンドサウンドを織成しています。勿論、佐々木さんも清水さんも良い仕事をしてくれて、バンドサウンドに大きなコントリビューションをもたらしてくれています。そこに載って来る UA のヴォイスとヴォーカルも、近年益々表現力を高め、こんな贅沢なサウンドを手軽に楽しんでしまって本当に良いのかと少々罪の意識を感じるほどに素晴らしく充実しています。そんな中で、これまた見事なアレンジを施された珠玉の曲が次々と演奏されて行きます。UA はどうやら、観客が雨にぬれ続けていることが大きな気がかりらしく、MC のそこ彼処に「大丈夫?無理しないでね」と語りかけてきます。そんな UA は、実質本編最後を飾る形となった「Lightning」の後にも楽屋に一度戻ることを拒むような形で、そのまま残り、「水色」をアカペラで演奏してくれました。恐らく、雨の中待つ観客を残してたとえ一旦とはいえ、楽屋で雨を回避することが出来なかったのでしょう。雨模様の中、このアカペラによる「水色」がシャーマニックに歌われ、ちょっと雨も止みかけとなっていた為、近くの林から虫の声が囁くように響き、遠くでは、サイレンのような街の喧騒が響いています。これらが、また UA のヴォーカルを引立たせたように感じました。そして、最後の「雲がちぎれる時」も菊池さんの指揮による3管(菊池:ts、佐々木:tp、清水:b-cl)アレンジも素晴らしく夜の闇に映えてました。最後に舞台から下がる UA から「気をつけて帰ってなぁ、風邪引かんように。皆さん、愛してます」とのメッセージが送られ、UA は深々と頭を客席に向かって下げて楽屋に消えて行きます。と言った訳で、終わってみれば、結果的には素晴らしい野外ライヴとなりました。また、是非とも機会を見つけて足を運びたいと思います。


n.p. UA「SUN」