08/28(土) 大沼・小森デュオ@新宿ナマステ(ゴールデン街)

08/28(土)大沼・小森デュオ@新宿ナマステ(ゴールデン街)に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
1. 即興1(約7分:小森 ss )
2. 即興2(約33分:小森 ss -> as )

約40分

2nd Set:
3. 即興3(約17分:小森 ss )
4. 即興4(約13分:小森 cl )
5. 即興5(約19分:小森 ss -> as )

約49分


大沼志朗(dr)・小森慶子(ss, as, cl)デュオ、このお二人の組み合わせ、個人的には3回目の参戦です。前回、前々回共に余りにも素晴らしくて、本日は雨などものともせず、新橋から新宿へのハシゴで参戦しました!結果は、勿論大正解!凄まじい火花散るデュオで、聴きながら一瞬「ここは、Knitting Factory ? 」と思ってしまう刺激的かつフリーキーな音の数々、それに加えて本日は、小森さんと大沼さんの歌心タップリな即興演奏まで飛び出して、このデュオの表現世界の奥の深さと、今後の可能性を考えると恐ろしささえ覚えます。事前の不安材料としては、小森さんが最近、精神的にも肉体的にもお疲れのご様子で、その辺りが演奏に影を落とさないかと懸念していたのですが、常にどんな時にも全力を尽くすこの御二人には、全く要らぬ心配だったようです。ただ、小森さんの体力的な疲れは間違い無く存在するようで、前回に比べ、ソプラノ中心での即興演奏であった辺りからもその影響が少なからず伺えます。しかし、そこをポジティヴにクラリネットを用いて、歌心タップリに深い感情表現を載せた即興演奏も見せて下さいましたし、大沼さんもマレットを多用するなど、その辺りの息の合い方も素晴らしかったですね。1部1曲目は、外の雨模様を吹き飛ばすかのような思い切りの良いスッキリした展開で、大沼さんの良く歌うドラミングとその上にパステルカラーを重ねるかのような小森さんの美しい ss の響きが堪りませんでした。展開も引っ張らずに、あっさりと終えた辺りにもその御二人の意図が現われていたように感じました。すっかり、ジメッとした雰囲気を吹き払った後には、凄まじいまでの構築美を持った即興演奏が待っていました!2曲目は、大沼さんのマレットによるアンビエントな雰囲気漂う演奏で幕を開け、小森さんも大沼さんに合わせ、巧みに繊細で奥行きのある音像を指向するかのように美しい音を重ねます。15分過ぎ辺りに、そのアンビエントな世界を突如破壊するかのように大沼さんがスティックに持ち替え、一転激しい展開に移ります。それに呼応するかのように小森さんも ss から as に持ち替え、御二人の演奏はカタルシスに向かうように全速力で突っ走ります!凄まじいまでの狂気を孕んだ演奏が、破壊へと向かい、今まで構築した音像を破壊し尽くすかのようで、この美しいコントラストが、曲全体の構築美を更に際立たせていたように感じます。瞬間の中に全てを凝縮させたかのような素晴らしい即興演奏でした。休憩を挟み、2部1曲目は、大沼さんの美しいブラシによるリズム展開が映える形で進行し、小森さんがまたもや美しくそのリズム世界を色付けるかのようにサウンドを添えます。この御二人のデュオは、このリズムパートとメロディパートを巧みに入れ替えるかのようなアプローチを見せ合う辺りにもその特徴が伺える気がします。続いては、小森さんの絶品のクラリネットと大沼さんのマレットによる美しく深みのある即興演奏、音響的にも素晴らしい色合いを見せて下さいまして、こちらは、ECM から音源を出して欲しい素晴らしい即興演奏に仕上がっておりました。そして、一転最後は目を閉じれば John ZornMick Harris かと思わせるようなアヴァンギャルドな即興演奏。このデュオ、本当に素晴らし過ぎますね。本日も西インド風なサリーに身を包んだミイコさんも満足気なご様子でしたので、このデュオの次回が期待できることでしょう!集客も毎度お馴染みの満員御礼、立ち見も当然なナマステ LIVE(勿論、キャパが少な過ぎるのですが(^^);)、興味と機会のある方は、小森さんのオフィシャルサイトでスケジュールをチェックして、是非とも足を運んで下さいませ。


n.p. Altered States「アルタードステイツのアメリカ大作戦!(アメリカ編) Vol.4」
( Live at Knitting Factory, New York, USA. April 6, 1995 )