08/04(水) 黒田・喜多デュオ@大泉学園 in F

08/04(水) 黒田・喜多デュオ@大泉学園 in F に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
1. Everybody loves everybody (作曲者忘れたそうです、約12分)
2. 即興1(テーマ:喜多直毅、約11分)
3. クレンジングクリーム(中島みゆき作曲、約8分)
4. 即興2(さわやかな、約11分)

約52分

2nd Set:
5. タイトル無し(喜多作曲、新曲、約5分)
6. 即興3(テーマ:山寺、約18分)
7. 兄と妹(喜多作曲、約8分)
8. In a centimental mood(By Duke Ellington、約8分)

約46分


今夜は素晴らしい、夢のような美しい音楽に魅了されました。黒田京子(pf)喜多直毅(vln)のデュオによる音は、MUSE さえも嫉妬させるほどに美しく、聴く者を魅了して止みません。また、本日の in F の BGM は、開演前が Joni Mitchell「Hejira」、休憩中&終演後が Charlie Haden/Joe Henderson/Al Foster「The Montreal Tapes」でした。マスターの佐藤さんの選曲はいつもながら素晴らしく的確です。1曲目は「Everybody loves everybody」という曲だそうですが、喜多さんがどなたの曲か忘れてしまったようで、作曲者はどなたか仰っていませんでしたが、黒田さんのイントロのピアノで、個人的にはいきなりノックアウトされました。黒田さんの奏でる一音一音が美しく、キラキラと光を放ちながら、零れるように降り注いでくるのです!もう、聴いてるうちに自然に涙が溢れてきてしまいました。そこに、追い討ちをかけるように喜多さんが繊細でこれまた美しいバイオリンの音色を絡めてきます。シンプルなテーマながら、本当にお二人の演奏で、煌びやかに光を放っているかのようで、素晴らしい演奏となりました。続く即興曲は、当初、喜多さんのテーマ案(種馬、モーツァルト等)が没となり、黒田さんの提案で「喜多直毅」となりました。行き成り、エキセントリックなバイオリンのフレーズで曲に導入しますが、1曲目での素晴らしきテンションを維持しながら、音が織成されていき、これまた素晴らしい即興演奏に仕上がっていました。続く3曲目では、意外な選曲が喜多さんから発表されます、中島みゆきの「中島みゆき」に収録されている「クレンジングクリーム」です。中島みゆきさんの書かれるコード進行がお好きとのことで持ってこられたようで、そんな気持ちを乗せたテーマ演奏が素晴らしかったです。間奏部の即興パートは、スタイルが確立して揺るがない”中島みゆき”色が邪魔したためか、思うように喜多さんが即興展開できないように見受けられました。しかし、冒頭と最後のテーマ演奏は素晴らしい色合いを見せていたように思います。1部最後は”さわやかな”(By 喜多さん)即興で演奏を閉めます。続いて2部にては、喜多さんが新曲を持ってきて下さいました。まだ、タイトル無しのこの新曲は、まだ、素描というかデッサンだけが終わった感がありましたが、美しいテーマと曲想を持っていたように感じます。黒田さんとのデュオによるこの演奏を試金石として、また素晴らしい楽曲に仕上げて下さることでしょう。2部2曲目は3度目の即興、テーマで喜多さんが頭を悩ましているところに、黒田さんから提案が、「喜多君、小さい頃の思い出の曲とかある?」に「山寺のおしょさんが...ミミレレミ♪」とバイオリンを弾き答えます。黒田さんが「他にも浮かんだメロディとか有ったら弾いてみて」と言うことで思い出の曲を絡めた即興演奏に。ちなみに絡められたメロディは、「十五夜お月さん」「この道」「マーラーの4番」「あんたがったどこさ」「山寺の和尚」と言ったところでした。続く曲は喜多さんの曲「兄と妹」、これまた美しいテーマを持った曲で、お二人のリリカルな演奏が素晴らしく映えてました。最後は、喜多さんの予定では即興と言うことでしたが、黒田さんの「最後はバラードで閉めた方が良さそう」との素晴らしい提案により Duke Ellington の「In a centimental mood」で美しくリリカルに閉めます。このお二人のライヴは、美しい音楽を愛する方なら間違い無く魅了されるであろう素晴らしいサウンドに溢れていますので、少しでも興味を惹かれた方は、是非ともお二人のオフィシャルサイトでスケジュールをチェックし、機会を見て足を運んで下さいませ。


n.p. Glenn GouldJohann Sebastian Bach: Partita No.5 in G Major」