08/02(月) パワートリオ@入谷なってるハウス

eiji002004-08-03

08/02(月) パワートリオ@入谷なってるハウスに行ってきました。セットは以下、

1st Set:
1. 即興1(約15分、松本:ts )
2. 即興2(約24分、松本:ss )

約41分

2nd Set:
3. 即興3(約22分、松本:ts )
4. 即興4(約21分、松本:ss )

約44分


パワートリオとは、シンプルかつ大胆なネーミングですが、メンバーを見ると納得の、松本健一(ts, ss), つの犬(dr), かわいしのぶ(b) の3人。既に、このトリオで2、3度ライヴを行なっているようですが、私は今回が初めてです。この3人の名前が並ぶだけで、ワクワクする期待感を抑えることが出来ませんね。特にかわいさんは、元Super Junky Monkeyとして広く知られていると思いますが、個人的には SJM は勿論、2000年時のヤイコバンドのベーシストとしても非常に好きな女性ベーシストで、音源としても、ヤイコの 3rd Single「I'm here saying nothing」の3曲目に収録されている「my sweet darlin'」で、ぶっといブリブリベースを弾いてくれています。この当時のバンド演奏、ライヴやテレビ番組(ミナミ極楽堂:関西ローカル)公開録画等に足を運んでましたが、とても素晴らしかった記憶があります。また、一緒にやって欲しいところですね。他の2人も含め、個人的な認識としては、3人共に”まとめる”等の守りの姿勢が全く無く、どのバンドでの演奏でも、常に先頭切って突っ走っている(やり過ぎの)印象を持ってまして、本日のこのトリオでの演奏がどういう展開を見せ、どのような形になって行くのか、楽しみは尽きません。まず1曲目は、この3人としては意外なほどのアンビエントで静かな展開、マツケンさんが抽象的なフレーズをアンビエントに静かに吹き、かわいさんがこれまた意外なほど柔らかくランニングベースを奏でます。そして、つの犬さんまで俯きがちに静かに叩き、アンビエントに徹します。響きは素晴らしく良いのですが、この3人が演奏しているとは、目の前ながらとても信じられない展開に終始し、約15分の演奏にまとめ上げます。マツケンさんが ss に持ち替え、再びアンビエントな展開、最近一部で話題の吸奏を行い、不思議な音使いでアプローチしてきます。リードを外して逆側から吸奏したり、つけたままで反対側から吸ったり(勿論、まともな音は出ません)不思議なアプローチを繰り返します、しかし中盤ぐらいから、かわいさんのベースランニングが飛び出し、行き成りハイテンションな展開へ、つの犬さんは、フロアタムを外し、そこに皮モノ(太鼓)を据え、バチで激しく叩き出し、そのまま和太鼓風ソロへ、激しさは止め処も無く増して行き、最後にはバチが折れてしまいます。その後も、これぞまさにパワートリオと言えそうな展開へなだれ込み、約24分の素晴らしい即興演奏を閉じます。2部は、更に激しさやアバンギャルド性を増した感じで、つの犬さんはドラムセットごと抱え込み激しく全体を揺らしたり、スティックの束を放り投げてバラバラとセットに落として不思議な音を叩き出したり、スティックとバチとブラシをまとめて握り込んで叩きまくったりとやりたい放題の暴れッぷりを見せ、かわいさんはかわいさんで、トライアングルを取り出してベースと共にバーで叩いたり、トライアングルのフレームをベースのブリッジ周りにぶつけたり、弦とフレットの間にバーを差し込んで激しく上下にグリースしたり、オモチャの鞴のような楽器を鳴らして蛇腹を壊したり、ホースを回したりとこちらもやりたい放題、そして当然、マツケンさんも吸奏も含めやりたい放題に終始してました。しかし、本当に不思議なのは、3人が3人共にやりたい放題なのに、トータルな音像としては散漫にならず、しっかりとグルーヴを持って奏でられる結果には驚くばかりです。やはり、この辺りは3人の高いセンスが為せる技なのでしょう、すっかりこの3人のやりたい放題のパワフルな演奏に蹂躙されながらも清々しささえ感じられます。また、機会を見つけてこのトリオのライヴに足を運びたいと思います。


n.p. Kopecky「s/t」