06/18(金) 喜多・翠川・吉見@大泉学園 in-F

06/18(金) 喜多・翠川・吉見@大泉学園 in-F に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
1. 即興1(約15分)
2. アグリからの風(翠川)
3. 瑪瑙(翠川)

約50分

2nd Set:
4. 即興2(約15分)
5. Thousand Eyes(翠川)
6. Nana's Dream(豊住芳三郎
7. ちいさい秋見つけた(中田喜直

約50分


喜多直毅(violin)をホストとし、翠川敬基(cello), 吉見征樹(tabla)を招いたセッション、ちょっと意外な気もしますが、喜多さんと翠川さんは本日が初顔合わせ。お二人の音の相性は素晴らしい筈と思ってましたが、やはり間違っていませんでした。冒頭の挨拶にて、喜多さんも今回の翠川さんとの初顔合わせをとても楽しみにしていたようです。先ずは、音合わせも兼ねての即興、喜多さんの繰り出すフレーズに翠川さんが合わせるのですが、行き成りの素晴らしい音の溶け合い方!吉見さんのタブラも加わって、非常に美しいアンサンブルとなっており、即興、それも初顔合わせの1曲目であることが信じられない演奏となっていまして、15分があっと言う間に過ぎてしまいます。どうやら、本日は喜多さんが事前に翠川さんに楽譜を渡していなかったようで、流石に喜多さんの曲を初見で弾くのは酷とのことで翠川さんの曲が中心になったようです。2曲目は喜多さんからの明るい曲をとの要請を受けて、翠川さんの曲「アグリからの風」、翠川さん曰く「農協の歌」とのこと。印象的な喜多さんのテーマ演奏を囃すような翠川さんのランニングにより、喜多さん、吉見さんもポリリズミックに導かれ、間奏部の祭囃子フレーズにおける3人のアンサンブルが見事!郷愁を誘い、余韻を残しつつテーマ変奏に戻り演奏を閉じる。喜多さん曰く「チェロとバイオリンは音の相性が良く、お父さんとお母さんと言った音色の溶け合い方ですね」、「じゃあ、私は?」との吉見さんの問いかけに、「近所のおじさん」と返す喜多さんです。続いては、”ゆっくりの曲で”「瑪瑙」、本当に空間に溶け入るように染み渡っていくバイオリンとチェロの調べが堪りません。この物悲しい空間に曲想は崩さずに、音を出すオモチャ等を使用してエキセントリックな音を挟み込んでくる”近所のおじさん”吉見さんのアプローチも冴え渡り、今、ここにしかない3人による”音”が織成されていきます。2部も、まずは即興から、冒頭は喜多さんの優美なる調べで幕を開け、翠川さんと吉見さんがほぼ同時にエキセントリックなリズムアプローチで喜多さんを煽り、3人の音の奇妙な絡み合いがそこ彼処で現れ出します。後半には何故か「蛍」のテーマが奏でられ、静かにフェードアウトさせ演奏を閉じます。ここで、お酒好きな3人の「酒」M.C. が爆発、吉見さんの「ドイツで酒で記憶を無くした」エピソードに演奏者も観客も大爆笑となりました。続く曲は「Thousand Eyes」、アラビア音階を使用した妖しげな喜多さんのテーマ演奏を中心として、そこに様々に残るお二人がアプローチをかける展開に。最後まで、妖しげな雰囲気を醸し出しつつ演奏をフェイドアウトします。続く曲は、即興系のシーンではサブさんとして、広く世界的に名を馳せているパーカッショニスト豊住芳三郎さんの曲「Nana's Dream」、アラブ旋律を使用しながらもアップテンポで激しい曲、こういった曲はお得意な喜多さんの演奏が冴え渡ります。間奏部にタブラソロを配しますが、吉見さんの切れの良さも絶品でした。演奏後には喜多さんも「カッコ良い曲ですね!」と仰ってました。最後は、喜多さんが、店内でかかっていた続木 力 & 谷川賢作「Palhaco」に郷愁を誘われたとのことで、「ちいさい秋見つけた」で郷愁をたっぷり誘いつつライブを閉じます。やはり予想通りこの3人の演奏は素晴らしかったです!また、是非ともこの3人でのセッションを続けて欲しいところです。次回は、早めに翠川さんに楽譜を渡して、喜多さんのオリジナルも絡めて欲しいですね。


n.p. Warehouse「Patrol girl」