06/13(日) KBB@吉祥寺 Star Pine’s Cafe

06/13(日) KBB@吉祥寺 Star Pine's Cafe に行って来ました。先ずはセットから、

Fantasmagoria:
1. Crusader
2. 業
3. Blue rice
4. Over the line
5. Epic

約25分


KBB:
1. Discontinious Spiral (2nd)
2. 熱砂の記憶 (1st)
3. 40 Degrees (旧タイトル:夜泣きバスターズ 、新曲:Dani)
4. I am not here (2nd)
5. Catastrophe (1st)
6. 白虹 (2nd)
7. Inner Phrase (新曲:壷井)
8. 果てなき衝動 (1st)

Encore 1
9. Backside Edge (2nd)

Encore 2
10. 滅びの川 (2nd)

約125分


オープニングは、Fantasmagoria、女性エレクトリック・バイオリン奏者をメインにギターx2、ベース、キーボード、ドラムの6人によるバンド、メンバー全員がパンスクールオブミュージック卒らしく、ノリは明らかに学生バンド。曲はどれも Dream Theater の影響受けましたと言った感じのフレーズを繋ぎ合わせ、そこに Bond 系の安易な E-Violin が乗って来るような印象を受けました。とは言っても、まだまだ若いこれからの皆さんで結成されたバンドでしょうから、今後どのような方向性に進んで行くかに注目と言ったところだと思います。

KBB は、開演前の Key のセッティングに時間がかかっているようでしたが、どうやら、リハ中に Key の鍵盤が折れたらしく、Fantasmagoria の Key (KORG TRITON pro) を急遽借りてセッティングを行なったためのようでした。メンバーは、今の日本のプログレシーンはこの人を中心に回っているといっても過言ではない壷井彰久(vln)をリーダーとし、Dani (B), 菅野詩郎 (Dr), 高橋利光 (Key) の4人によるバンド、今年3月にメキシコで行なわれたBaja Prog 2004に日本代表として参戦し、Anekdoten, arti & mestieri, Soft Works 等の錚々たるバンドと同じステージに立ち、世界中から集まったプログレッシャーから、他のバンドより高い評価を獲得した日本が世界に誇る素晴らしきプログレバンド、その凱旋公演の意味も含めた本日のライブでしたが、予想以上に素晴らしく仕上がっていました。実は、個人的にはる*しろうのライブとこの KBB のライブのどちらに行こうか迷ってたのですが、最近の壷井さんの活動の充実振りに後押しされて、KBB のライブを選んだのですが、結果は予想を超えて良かったです。壷井さん以外の他のメンバーの皆さんの演奏が前回のライブ(02.13.04 @吉祥寺 Silver Elephant)に比べて素晴らしく充実しており、Baja Prog 2004 で大好評を得たという話も納得の内容で、来て良かったと心底思いましたね。本日の壷井さんは、Guitar も Acoustic Violin も持ってこない前回と同様、メインの完全特注の5弦 E-Violin 1本で通してまして、予備として ZETA JV-205 Maple Vintage Sunburst も持ってこられてましたが、今回はトラブル無く、ZETA の出番はありませんでした。Daniさんもいつもの Warwick の5弦ベースを通して使用、Guitar は無しです。菅野さんは、いつものオーソドックスなセット、大口径1バスと全面の Splash, リング状で回転させて音色を変える事が出来るスネア、Right Side の Crash と Dry Ride に拘りを感じます。今回は PA のマイクがかなり充実しており、ドラムスの各パートから拾った音が分離されていたのは嬉しいところ。高橋さんは、YAMAHA S90 を全面にメインとして配置し、サイドにハモンド、Fantasmagoria から借りた KORG TRITON pro をマウントさせ、その上に Mini-Moog を載せていたようでした。客電が落ち、空かさずステージ現われた4人、大舞台を経験した事からか、余裕の佇まいさえ伺える。ライブのオープニングは行き成り 2nd「Four Couner's Sky」収録の1曲目「Discontinious Spiral」から、4/8 + 5/8 の変則的なリズムにアイリッシュ・フレーズが乗る。高橋さんが途中ソロを取るのですが、借りた KORG なのにそれを使用して凄まじいソロを取り、やり過ぎとも思えるくらいベンドさせていました。それで煽られた壷井さんが強靭なリズムに支えられ嬉しそうにソロを引き継ぎます。壷井さんのアイリッシュソロフレーズに巧みに合いの手とも取れるグリスをかませる Daniさんのベースランニングが、また良い味出してます。菅野さんのドラムも、PA の音の分離が良いことも合間って、かなり切れが良くなっている印象です。もう1曲目からそれと分かるバンドサウンドの充実振りとグルーヴの創出が堪りませんね。続いては、これまた行き成りの「熱砂の記憶」、この辺りは、最近のライブでは、後半の要所に配置されていた印象が強く、一体どのような展開になるのかこの辺りから興味津々でした。冒頭の壷井さんのバイオリンロールと Daniさんのベースランニングとの絡みが印象的な展開で、間奏部の各パートの弾け方も素晴らしかったですし、それをまとめ上げる形の後半の菅野さんのマーチングドラムも映えてました。ここで漸く(ここまでで、既にライブ開始から25分を軽く回ってます)、壷井さんがマイクを取り観客の皆様に御挨拶& Baja Prog 2004 での土産話などを披露。「Baja Prog 2004 で余りにも大ウケだったため、勘違いして、帰国の際、空港で大勢が出迎えているだろうと思ったら、一人も居なかった」、「一番ウケたのはスペイン語での M.C.」、「2番目にウケたのは演奏中にステージ上で切れた弦を直して演奏に戻った時」等々、楽しそうにメンバーのツッコミを受けながら披露していらっしゃいました。そして3曲目は前回のライブ初演で、前の晩に Dani さんが書き上げたため、ライブ当日に憶えることが出来なくて、KBB としては異例の譜面を持込んだ「40 Degrees(夜泣きバスターズ)」、「今回は皆憶えてきましたよ!」と観客にアピールする壷井さん、前回の譜面持込がよほど悔しかったご様子。曲自体は、かなり複雑な要素を多く含みながら、聴いているとしっとりとまとめ上げられている美しい曲で、特に間奏部の Daniさんのベースソロが哀愁を誘い、リリカルに添えられる壷井さんのバイオリンが堪りません、早くも 3rd への収録が待たれる素晴らしい曲です。4曲目は「I'm not here」、この曲はメインテーマが鬼怒さんとのデュオ、Era の 1st に「Seventeen」として収録されていますが、そのメインテーマが出るまでに1曲有りそうなくらい異なったアレンジが施されており、そのメインテーマが内包する狂気性を十分に活かした展開となっています。印象としては、壷井さんが同じくバイオリンで参加している Pochakaite Malko の暗黒性、狂気性( Ausia 色も)を最も KBB で垣間見せている曲といった感じです。個人的に”悪い(そうな?)”壷井さんが好きなもので嬉しい限り。しかも、1st に収録されている同系の曲「Catastrophe」が続く今回のセットには思わず奇声を発して狂喜してしまいました。壷井さんのソロから入っていくアレンジも素晴らしく、途中の展開も鬼気迫る迫力に満ちていました。この後の M.C. にて漸く、一回目のメンバー紹介、「いつもだと2部構成なので途中休めるんですが...」と壷井さんはすっかり疲れたご様子、それもそのはず、ここまでで既に80分を悠に超えています。続いては、最近のライブでは2部本編最後を飾っていた「白虹」がこの位置にきます。ライティングの演出もあって、美しい白虹をバックに凛とした空気を切り裂くように走る眩いばかりのバイオリンの音色が限り無く美しく映えます。そして、ここで壷井さんが書き起こした新曲を持ってくるのですが、”弾き倒したいと思って書いてきた”「Inner Flames」、凄まじいバイオリンが全編に渡って大フィーチャーされていまして、素晴らし過ぎるぐらい素晴らしい楽曲、演奏になっておりました。演奏後の「しまったぁ!墓穴を掘ったぁ...」と仰る疲れきったご様子の壷井さんの姿が印象的でした。かなり失礼ですが、こういう墓穴は聴いている方としてはどんどん掘って頂きたいところです。体力を回復させるため、インフォを長めに取りつつ、メキシコのお土産、Tシャツ(Baja Prog 2004 のレアもの!)をアンケートを書いてくれた人から抽選で3名(黒と赤、と何故か PFM Tシャツ)にプレゼントするなど、素晴らしいプレゼントまで準備して下さいました!そして本編最後を飾るのは「果てなき衝動」、KBB と言えばこの曲とも言えるこの素晴らしい曲にて幕を閉じる。当然、観客の大声援を受け、アンコール曲「Backside Edge」へ、菅野さん作曲の7拍子の曲がアンコールを盛り上げます。この曲は最近のライブでは本編で演奏されていましたが、2nd 発表前のライブでは、アンコール定番曲でした。そして、「殆んど全てやれる曲はやり尽しましたが、もう1曲だけ残ってました」との壷井さんの紹介で2度目のアンコール「滅びの川」、ピアノソロの導入から美しく、そして眩いばかりのバイオリンとベースのユニゾンへ、美し過ぎるほどに美しい大団円にてライブの幕を閉じます。とにかく最高のライブを約125分に渡って堪能させて頂きました!ただただ、バンドメンバーの皆さんと関係者に感謝を捧げたいところです、ありがとうございました。

次回のライブ、素晴らしいことになっています!まだ詳細(ライブ会場等)未定だそうですが、8/21(土)に Pochakaite Malko と KBB が対バンするらしいです!(実は、ERP Vol.21 に既に告知が出てます)しかも、ゲストは鬼怒無月さんを迎えるとのこと!凄まじ過ぎです!思わず心の中で「壷井さん、燃え尽きる気ですかっ!」と思ってしまいました。今、最高にノっているプログレ界の貴公子(By 鬼怒さん)が、自身の記念碑ともなりそうな企画に挑戦するようです!個人的には万難を配して、足を運びたいところ、ご興味の向きは、壷井さんの、KBB の、Pochakaite Malko の、それぞれのオフィシャルでのアップデートにご注目下さい!


n.p. KBB「Four Corner's Sky」


#どうやら次回のライブ、企画はツチノコレーベルさんらしいです、詳細上がってます。

タイトル「江古田プログレ夏祭り」
KBB vs Pochakaite Malko
ゲスト:鬼怒無月(guitar)、金澤美也子(piano)

8月21日(土) 江古田Boddy
東京都練馬区旭丘1-77-8 双葉会館B2F
tel 03-3953-1152

open 18:30 / start 19:30
前売 \3,000 / 当日 \3,300(with 1drink)

チケット取り扱いは近日発表!

とのことです。