06/12(土)佐藤・壷井・鳥越@下北沢 Lady Jane

eiji002004-06-13

06/12(土)佐藤・壷井・鳥越@下北沢 Lady Jane に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
1. Left Window(壷井)
2. Antikythera(佐藤)
3. Grana od bora(Bosnia Trad)
4. East(佐藤)
5. Havanera(佐藤)

約55分

2nd Set:
6. Chutte!(佐藤)
7. 006(壷井)
8. Simoon(細野晴臣作曲、1st「Yellow Magic Orchestra」収録)
9. エセ・ケルト(鳥越)
10. La Danza De La Pasion(鳥越)

Encore:
11. 即興:テーマ「梅雨」

約65分

ガレージシャンソンショー、Play Post Tango And More 等で知られる佐藤芳明(acc)をホストとし、KBB、Pochakaite Malko, Era, Ausia 等で大活躍の壷井彰久(vln)、Play Post Tango And More 等で知られ、元phat の鳥越啓介(b) の2人を迎えたセッション、壷井さんと鳥越さんは今回が初顔合わせとなります。今回、期待していたのは壷井さんヴァイオリン版の「La Danza De La Pasion」と佐藤さんの「Antikythera」「East」等のオリジナル曲、そしてやはり、Bosnia Trad の「Grana od bora」でして、それぞれ期待通り素晴らしい演奏をみせてくれました。まず、壷井さんが絡むセッションでは定番の感がある「Left Window」から導入、佐藤さんとの絡みは勿論のこと、鳥越さんと壷井さんの音の相性もなかなか素晴らしい感じ、ユニゾンも、リズムと上ものに別れる時も共に良かった気がします。「Antikythera」前の M.C にて、佐藤さんがこの曲ではベースではなくコントラバスのイメージでボウを使用し、ユニゾンで決めて欲しいとのこと、仰る通り素晴らしい演奏に仕上がっていました。この曲を聴くと、本当に目の前にエーゲ海に浮かぶ、絶景の島、Antikythera が見えてくるかのようです。続くはボスニアの民謡で、Bojan Zulficalpasic が取り上げて世界に紹介した「Grana od bora」、非常に美しい曲で、3人の繊細な音使いが映えてました。曲間を取らず、空かさず佐藤さんがソロを取ってブルガリア民謡の 11/8 拍子を取り入れた「East」へ、3人のユニゾンも気持ち良く決まっていましたし、間奏部の鳥越さんがランニングフレーズでボトムを支え、2人が上で絡む音像も素晴らしかったです。1部最後はカルメンのまさにハバネラを取り入れた「Havanera」、初めて聴きましたが、佐藤さんがこういった曲も書いていることを知り、その音楽的幅の広さに驚きを隠せませんね。2部は、これまた初めて聴きましたが、フランス風小粋なジャズロックナンバー「Chutte!」この演奏後の鳥越さんの”小粋なXXX”フレーズの連発はかなり可笑しかったです。「006」を間に挟んで、YMO の「Simoon」、そこで初めて知ったのですが、この3人とも YMO のファンだったようです。そう言われてみれば、phat の「-色-shiki」でも「体操」が取り上げられていて驚いたことを思い出しました。壷井さんのワウを巧みに使用したシンセボイスの完コピには、佐藤さんと鳥越さんを含めたその場に居合わせた全員が驚きを隠せなかったですね。その拘りとエフェクトに強い壷井さんの原点を垣間見たような気がします。本編ラスト2曲は鳥越さんの曲、共に素晴らしい楽曲、演奏でした。M.C. ではいつも何を言っているのか意味不明な鳥越さんですが、一旦ベースを持たせたり、曲を書かせると、それらが鳥越さんの言葉を超えて、鳥越さんの”想い”を雄弁に語っていると感じました。アンコールでは、3人の即興、テーマは鳥越さんから「梅雨」と出まして、壷井さんが自らのフレーズをその場でサンプリングし、ループさせ、そこにエフェクトと共にソロを被せるという形で上ものをリードし、とても即興とは思えない構築美を醸し出していました。曲を閉める最後での鳥越さんの「ゲロゲロ」には、思いっきりズッコケましたが、演奏そのものは素晴らしかったです。しかし、改めて思いますが、本当に素晴らしい楽曲の、演奏の数々で、魅了されっぱなしの120分でした。何とか定期的にこのメンツでセッションを行なって欲しいところですね。アイディアとしては、壷井・立岩・佐藤・鳥越の4人でバンドを結成するなんてのも面白いのではと感じました。


n.p. phat「-色-shiki」