06/11(金) 梅津和時 KIKI Band @江古田 Buddy

06/11(金) 梅津和時 KIKI Band江古田 Buddy に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
1. 11人の刑吏(梅津)
2. ダウザー(早川)
3. Crawler(鬼怒)
4. 空飛ぶ首 Flying Head(早川)

約50分

2nd Set:
5. 発端は破綻(梅津)
6. ビバ、中央線ジャズ(鬼怒)
7. 新曲 No.2(早川)
8. Thihai Songs(新井田)

Encore:
9. IZUMOYA(梅津)

約65分


メンバーは、梅津和時(as), 鬼怒無月(g), 早川岳春(b), 新井田耕造(dr) の4人、個人的には久しぶりの KIKI Band でしたが、まあ、相変わらずと言えば相変わらずのレベルの高さをキープしているようですね。日本ジャズロック界でも最高峰のライブパフォーマンスが堪能できました。特に本日は、4th「live at Moers Festival」の時、現地で Live Recording Engineer として担当されてた田中さんが実際に PA を担当されてました。メリハリのついたダイナミクス、個々の音はキッチリ分離されながら、ユニゾンなどで合わせた時のソリッド感の創出も素晴らしかった気がします。ただ、ちょっとヴォリューム上げ過ぎて、1台のピーカーが死にかかっていた気がします、通奏低音で田中さんに訴え掛けていた様で、この後巧みに調整されたのには驚きましたね。やはりライブの時、持つべきものは良いエンジニア。鬼怒さんは今日は1曲目の「11人の刑吏」と「IZUMOYA」で、Buccus のレスポール・モデル、その他の曲で Vanzandtストラトキャスター・モデルを使用されてました。私の印象だと、Sign 'O' the Times 期の Prince と Electromagnets 期の Eric Johnson がこの水色の Vanzandtストラトキャスター・モデルを弾いていた気がします。鬼怒さんを加えて、個人的には世界の Vanzandt 3大ギタリストってイメージです。ちょっとフラッシーで線が細く、微妙にフランジがナチュラルで掛かっている感じの音というのが個人的なイメージです。恐らく様々な音色を得るという意味では扱い難いギターだとは思いますが、ファンキーでファニーなロック独特のニュアンスを表現するには、”これしかない”ギターなのでしょうね。鬼怒さんは、今日も「空飛ぶ首」で2本、「ビバ、中央線ジャズ」で1本弦を切っていらっしゃいました。切った後に、残りの弦も全部切ってしまうかのような鬼のチョーキングで、切れた弦の音を補っているのが、流石というか、切り慣れているというか(^^); いつも通り”抑える”という言葉は鬼怒さんの辞書には無いらしく、弾き倒していらっしゃいました。勿論、弾き倒すという意味では、早川さんも負けていません、自分の曲でのソロは勿論のこと、終始、弾き倒すといった表現に相応しい、豪快な”力”で捻じ伏せるかのようなフレージングで、圧倒的な早川ワールドを構築していらっしゃいました。そして、御大、梅津さんは、坂田明さん同様、この小さい身体のどこからと想いを巡らしてしまうファンキーな迫力あるサウンドを吹き捲っていらっしゃいました。こんな3人が出張っている中、終始、アロハ姿ににこやかな笑顔でリズムステージを構築されていた新井田さん、顔は笑顔なのですが、各人のソロの時のエグイ煽りをカマシまくっているそのギャップが素敵過ぎです。オーソドックスなドラムセットながら、オープン気味に切れが良く自由自在に展開され、かつ出音が強烈なうるさ型のこのドラミング、KIKI Band に欠かすことは出来ませんね。勿論、最小編成による日本最強のジャズロックバンド、KIKI Band に欠かすことが可能な要素など存在しないのですけどね。個々の演奏で嬉しかったのは、1部最後の「空飛ぶ首 Flying Head」、久々の演奏だと思いますが、相変わらず妖しさ爆発の良い楽曲、良い演奏です。あと2部最後の「Thihai Songs」、そのタイトル通り、インド音楽にインスパイアされたと思われる新井田さんの傑作、途中のノンスティックでタブラを模したように素手で叩かれるところや、マレットを駆使しての展開に終始魅了されっぱなしでした。ご興味の向きは、是非ともライブ会場に足を運んで下さいませ!


n.p. 是巨人Arabesque