05/15(土)GHOST / 羅針盤@吉祥寺 Star Pine’s Cafe

05/15(土)GHOST / 羅針盤@吉祥寺 Star Pine's Cafe に行って来ました。

GHOST:
メンバーは、馬頭將噐(Vo,Gt), 瀧澤大志(Flute,Sax,Thermin,etc), 荻野和夫(Piano,Keyboards,Recorder,etc), 栗原道夫(Guiter), 立岩潤三(Drums,etc), 守屋拓之(Electric Bass) の6人、'80年代の中頃に結成され、日本のインディシーンの黎明期を支えた伝説のアシッド・フォークバンド、GHOST、昨年の11月に9年ぶり!の国内ライブを敢行し、今年の1月に5年ぶりのニューアルバム、7th「Hypnotic underworld」を米シカゴ、DragCity Records よりリリースし、国内でよりもむしろ海外で高く評価され、それもあって日本国内でのライブがなかなか行なわれないという、まさに伝説のバンド。今回は、羅針盤を迎えてのアシッド・フォークイベントといった趣きをみせながら、先発は GHOST。開演時間キッカリに客電が落ち、メンバーが入場。1曲目は前回の Live GHOST に続き「Hypnotic Underworld」、しかし、そこで奏でられるべき音に拘る GHOST のこと、同じ曲でありながら、その曲の展開、音使いが全く違っているようで、OHP を巧みに使った照明効果も加えて音響/音像的幻視の世界へ見事に引き込む。GHOST にかかると、5拍子や13拍子が極自然な形で、プリミティヴなグルーヴを加えて巨大な音のうねりとなって襲ってくる。まさに、サイケ、ヘヴィロック、フォーク、民族音楽的反復、現代音楽が一体となったようでいて、そのどれとも色合いを異にする、そこにだけ存在する GHOST の音楽そのものが現出してくる。Live Ghost を体験して強く感じるのは、全盛期の Led Zeppelin であり、幻の Kingston Wall と共通するもので、アシッド・フォークという枠には勿論留まっていない。何曲か挟んで、徐に荻野さんがアルトリコーダーを取り出し、瀧澤さんが Tin Whistle を構える、「PIPER」だ!最高傑作である 7th の中でも特に単独の曲としての完成度を感じる個人的に最も好きな曲、この曲を演奏してくれるとは、この上も無い喜びだ。途中のトーンをさっと落として、フォーキーな僚感を作り、馬頭さんのギターとヴォーカルが切々と歌い上げるところでは、知らず知らずのうちに涙が頬を伝わってしまう、美しくもカッコ良過ぎる素晴らしい曲と演奏。結局、途中に MC を挟まず、曲間も楽器の持ち替え等、最小限だけ取る形で1時間キッチリ演奏しましたが、やはり、もう少し長く GHOST の音楽に触れていたいという気持ちが強かったですね。次回は 8/5 に新宿 LOFT であるようです。興味と機会のある方は、是非とも足を運んでみて下さい。素晴らしき Live GHOST 体験を得ることができる事でしょう!!


羅針盤:
本日の羅針盤、メンバーは、山本精一(Vo,Gt), 吉田正幸(Key), チャイナこと西浦真奈(Dr) のベースレストリオ編成、山本さんの朴訥かつフォーキーな歌と即興演奏を絡めてのアシッド・フォークを演奏していますが、最近はベースレスで、中抜けしたような音像を作り、空間的ギターの場所を広くしたような方向性でライブを行なっているようで、本編約65分はずっと演奏を続けるような形で演奏してました。大きく分けると5パートが含まれていたように思います。いつも通り素晴らしい演奏をされていたのですが、如何せん相手が悪かったですね、羅針盤の良さが引立たない環境でトリを任され、十分に思うような”空気”を構築できなかったと恐らく感じた山本さんが、アンコールに応えてステージに戻ってきた際「こんな素晴らしいイベントに呼ばれて光栄です。GHOST カッコ良かったですね、ちくしょー!!」と仰ってました。このあとに省略された言葉は「この次は ROVO で対バンだー!勝負だー!」だったのでは、と個人的には感じました。しかし、アンコールの約10分の曲を含み、約75分の演奏は、また新たな羅針盤の方向性が垣間見えたように感じました。次は、是非とも ROVO で、GHOST との対バンを実現して欲しいところです。


n.p. GHOST「Hypnotic Underworld