05/07(金) trine project / GYRO / 石間秀機 @三軒茶屋グレープフ

eiji002004-05-08

05/07(金) trine project / GYRO / 石間秀機三軒茶屋グレープフルーツムーンに行って来ました。

trine project:
1. clair de lune - 月の光 - (Claude Debussy)
2. ave maria - アヴェ・マリア - (Giulio Caccini)
3. misty (Erroll Garner)
4. my foolish heart (Victor Young)
5. ju te veux - 君が欲しい - (Erik Satie)
6. vocalise - ヴォカリーズ - (Sergei Rachmaninov)
7. le cyqne - 白鳥 - (Camille Saint-Saens)

約30分

トリ音 (theremin), タキザワ 鴻 (pf), ぴろまる (perc) の3人によるトリオ、trine project の演奏には初めて触れましたが、トリ音さんのテルミンは、テルミンでここまでと思えるほど、しっかり音程とピッチがコントロールされた、それでいながら柔らかい音を出していらっしゃいました。選曲もテルミンをメインで用いていることが信じられない曲ばかり、美しく、物悲しく、これらの名曲を奏でていらっしゃいました。聴いてみると正に王道と思える方向性なのですが、テルミンを用いる他の多くバンドが奇を衒う形や妖しげな雰囲気演出のための装飾音に終始しているため、逆に新鮮に思えました。タキザワさんの身体の大きさと対照的な柔らかく繊細なタッチのピアノと、ぴろまるさんの殆んどオモチャ状態(シャボン玉も飛ばしていらっしゃいました(^^); )のパーカッションも不思議と全体の演奏にマッチしていて非常に楽しめました。この trine project も、今回はこのトリオでしたが、色々な編成、構成で活動されているようですので、要チェックかも知れません。ちなみに会場でゲットさせていただいた CD-R「secret garden of little birds」も1,000円でかなりお得な内容になってます。ご興味の向きは是非ともチェックしてみて下さい。
http://pigeonmilk.frenchkiss.jp/


GYRO:
即興

約45分

高岡大祐(tuba), スズキイチロウ(g), 沼直也(dr) による即興演奏トリオ、GYRO、初めて聞いて来ました。渋さ知らズで、低音部をしっかり支えつつ、tuba という楽器の表現可能性を常に押し広げているシーン最高の tuba 奏者、高岡さんをリーダーとしつつ、サウスポーの Pat Metheny とも言えそうな、深い理論に裏付けられた先鋭的かつトラディショナルなパッセージを生み出し続け、同時にコンポーザーとしても非常に素晴らしい才能を有した稀有なギタリスト、スズキさん、そして、phat 解散が非常に残念ながら、phat 時代から愛用している小口径のバスとシンプルなセットで、無限のファンキーワールドを叩き渡る、”黒い”ドラマー、沼さんの3人による音の探求の旅、GYRO の演奏はやはり素晴らしかったです。しかも、今回は後半から、スズキさんが自らのペンによる「Far East」のテーマを用いて下さいました。オリエンタルなムード漂うこのテーマが三人の素晴らしい音の会話の中で、見事に昇華され、美しい構築美を有した即興演奏にまとめ上げられてましたね。現在のシーンの中で、どのバンドとも違っていながら、彼らが捉えている”音楽”の楽しさ、激しさ、美しさを見事なまでに瞬間の中で生み出してくれています。今後も機会を見つけて見に行こうと思います。


石間秀機:
01. 内なる喧騒 - Inner Jangle -
02. Still More
03. In Accent
04. Unfair
05. お遍路さん - Pilgrim -
06. Flit
07. ビハード
08. Reason
09. テカ
10. Wonder
Encore
11. ???

約75分

個人的には、久々(約一年ぶり)の石間秀機さんのライブです。相変らず独特の”ワールド”を語りと演奏と共に展開してくれています。石間さんは、ご存知のように、フラワー・トラヴェリン・バンドに在籍していたことでも知られ、未だに第一線で音楽を探求し続ける元気なお方で、3年前程からは、ギターをシタール風に改造した SITARLA を用い、まだまだ飽くなき音の探求を続けていらっしゃいます。演奏される曲は、インドあり、ジャズあり、ロックあり、何れにせよ聴衆をユニークな石間ワールドに引き込んでくれます、御年60歳、還暦です、そんな御年が全く信じられないバイタリティとユーモア、素晴らしい限りです。いつも石間さんが仰っている”音を聴いて、皆さんの心に皆さんそれぞれの絵を描いて下さい”という言葉に石間さんの音楽に対する姿勢が現われているようですね。本日も10+α曲のバックトラックを準備し、それに合わせて SITARLA によるギターともシタールとも違う音を奏でていらっしゃいました。「テカ」では、Zakir Hussain 言うところのリズムのメロディに当るタブラ奏者の口三味線を歌っていらっしゃいました。思わず一緒に口ずさんでしまいました(^^); 素晴らしき石間ワールド、堪能してきました!興味と機会のある方は、是非、ライブ会場に足を運んで下さいませ。


n.p. phat「-色-[siki]」