04/24(土) 菊地成孔 ダブ・クインテット@新宿 Pit Inn

04/24(土) 菊地成孔 ダブ・クインテット@新宿 Pit Inn に行って来ました。

この日は急な用事が入ってしまい、無謀な、途中からの入場となり、着いた時には一部も後半、当然店内は立錐の余地も無いほどの満員御礼、結果、入り口近くのステージが見えないスペースで、ずっと立ち見という形となりました。一部の冒頭は「Over The Rainbow」のテーマを引用したなどの話もあり、かなり残念ながら、一応、音は聴けましたので、良しとしましょう。メンバーは、菊地成孔(as,ts,vo), 坪口昌恭(p), 菊地雅晃(b), 藤井信雄(dr), ZAK(live dub mix) という5人、4/7 に発売され、好評(オリコン・インディーズチャート初登場5位、微妙)を博している「Degustation A Jazz」が下地となったライブで、Degustation は”試食”を表しており、菊地さんによると『「デギュスタシオン・ア・ジャズ」は、スペイン人天才シェフ、フェラン・アドリアが発明した革命的なフランス料理のスタイル、<デギュスタシオン>の方法に則り、ほんの少しずつ、テイスト・オブ・ジャズを堪能するアルバム』とのこと、インチキ臭いことこの上もありません。と言うことで、この日はステージ上の4人(ZAK は後方の卓スペース)が、タキシードを纏い、個々の料理としての楽曲にヴォリュームを与え、フルコースとしてのテイスト・オブ・ジャズを観客に振舞う形となるわけですが、21世紀にあるポスト・モダニズムを標榜している訳で、イディオムの多くはジャズからですが、当然のことながら、アヴァンギャルドな手法やアプローチを大胆に、半ばジャズそのものを愚弄するかのような形で盛り込んできます、聴き手としては、ちょっとやり過ぎだろうと思えるほど。ただ、メンバー全てが、卓抜したテクニックと異様なセンスを持っているため、表面上は、磨かれ洗練された”音楽”の体を成しています。坪口さんの美しいながら、時折エスプリを効かせたようなピアノソロ、ベースの菊地雅晃さんのウッドベースとエフェクト音を対比させたアンビエントなソロ、ZAK のエフェクトが掛かろうが掛かるまいが物ともしない強靭な藤井さんのドラムソロ、そして 新しいアルトにて艶やかなヴォイスを響かせてくれる菊地成孔さんの官能的なまでの Sax、そして4人が生み出すサウンドをその場でカットアップ/コラージュする ZAK。この日も全体的には素晴らしい音楽空間を構築していたようで、”本編”そのものは非常に堪能しました。しかし、アンコールにては、4/21 に発売されたもう一つの「Degustation A Jazz」である「Chansons Extrautes(de Derustation a jazz)」として3曲ほど演奏していましたが、やはりこちらは、UAKahimi Karie がいてこその感が強く、失礼ながら菊地さんのヴォーカルのみでは、かなり不満の残る内容でしたね。ただ、今後のツアーの中では、UA がゲストで出てくるステージが有るとのこと、要チェックです!また、この夏の UA のツアーでの菊地さんも要チェック!恐らく、外山明さん、勝井祐二さん、坂本弘道さん辺りとの絡みが堪能できるはずです。一応、私は関東圏の4公演は全部押さえています、今から楽しみです!


n.p. Naruyoshi Kikuchi「Degustation A Jazz」