04/14(水)黒田・小森デュオ@代々木ナル

eiji002004-04-15

04/14(水) 黒田京子(p), 小森慶子(ss, cl, b-cl) Duo @ 代々木ナルに行ってきました。まずはセットから、

  • 1st Set:

1. Arcadia(小森作曲:ss )
2. Chicken ( ss )
3. 臥遊(小森作曲: cl )
4. Far East (スズキイチロー作曲: b-cl )

約60分

  • 2nd Set:

5. Piano Solo(途中から b-cl にて参加)
6. Pastral(小森作曲: cl )
7. おきな草 ( ss )
8. フーバリット( b-cl )

  • Encore:

9. Silence (Charlie Haden: cl )

約65分


待ちに待った黒田・小森デュオ、行って来ました!3ヶ月に一度、四季の季節毎のペースで行っているこの素晴らしいデュオ演奏、前回は US に居たので残念ながら見逃してしまいましたので、感慨も一入です。雨模様なので(by 黒田さん)「Arcadia」からスタート、冒頭の小森さんのテーマ演奏から、もう涙目状態、S-Sax が爽やかに伸びやかに吹き抜かれ、黒田さんの意図通り、このナルの演奏空間だけはすっかり晴れ渡った感じで、続く間奏部の黒田さんのソロがまた美し過ぎです!でも、ホント、小森さん良い曲書きますね。続いては「Chicken」、黒田さんのテーマをファンキーに煽る小森さんの S-Sax が堪りません。このお二人の音の相性は、本当に素晴らしい限り。「臥遊」にては、小森さんは Clarinet を用い、お2人が描く音像が素朴で力強く、水墨画を思わせる形で描ききります。演奏後の MC にて、黒田さんも弾きながら先日京都で見た水墨画を連想したそうです、また「臥遊」とは、絵の中に入って絵の世界を楽しむという絵の鑑賞の方法らしく、小森さんは今日は2人のデュオで絵を描こうとされてたようです。そして1部最後は「Far East」、オリエンタルなテーマを小森さんの B-Clarinet で奏で、黒田さんのリリカルなピアノが美しく曲相を彩ります。間奏部の黒田さんの凛とした力強いソロ、それを受けての続く小森さんの潔いソロがまた素晴らしく、深みがある演奏にまとめ上げられてました。2部は、先日京都で黒田さんが弾かれた105年前に製造されたスタンウェイにまつわるお話から始まり、黒田さんのピアノソロにて曲が始まる。途中で、Thelonious Monk のメドレーにすると展開を説明されながらの演奏、ふとほろ酔いの雰囲気の演奏に変わり「Straight No Chaser」へ、黒田さんのモンクナンバーはやはり絶品!ブルースフィーリングに溢れ、モンク独特のリズム感を黒田さんスタイルに仕上げた素晴らしい演奏、頃合を見て小森さんが B-Clarinet で入ってきて演奏をまとめ上げる。続いて小森さんの曲「Pastral」、ここでの小森さんの Clarinet は、Mel Collins を彷彿とさせる演奏で、枯れている様でいて優しく、冷めているようで温かみのある、心に深く刻み込まれるような音色、フレージングで演奏されていて、リリカルな黒田さんの伴奏も絶妙で、もう完全に涙目モード爆発してしまいました。「おきな草」「フーバリット」と続けて本編終了。遅れて入って来たお客さんのため&今の世の中に対してと言うことで「Silence」をアンコールで演奏されてました。もう、感動の2時間をすごさせていただきました。次回は、恐らく夏真っ盛りの7月にあるかと思います。Jazz, Fusion, Classic, Pops, Rock...etc, そんなジャンルの壁で括ることが愚かに思える、まさにこのお二人のアプローチによって生み出される素晴らしき音楽そのものを、より多くの人に体感していただきたいと切に願います。ご興味の向きは、是非ともこのお二人のデュオに接してみて下さいませ。


n.p. T Lavitz「Mood Swing」