03/30(火) 鬼怒・日比谷・大坪@大泉学園 inF

03/30(火)鬼怒・日比谷・大坪@大泉学園 inF のレポです。まずは、セットリストから、

  • 1st Set:

1. インプロ(鬼怒ソロ:約8分)
2. インプロ(日比谷・大坪デュオ:約5分)
3. インプロ(鬼怒・日比谷・大坪トリオ:約9分)
4. インプロ(鬼怒・日比谷・大坪トリオ:約10分)
5. インプロ(鬼怒・日比谷・大坪トリオ:約7分)

約45分

  • 2nd Set:

6. インプロ(大坪ソロ:約6分)
7. インプロ(鬼怒・日比谷デュオ:約7分)
8. インプロ(鬼怒・日比谷・大坪トリオ:約13分)
9. インプロ(鬼怒・日比谷・大坪トリオ:約14分)

  • Encore:

10. インプロ(「Hey Jude」、鬼怒・日比谷・大坪トリオ:約6分)

約60分

1曲目は、鬼怒さんの「せっかく3人いるんで色んな組み合わせで」の言葉に続き、アコギを持っての鬼怒さんのソロ、カッティングループを様々なニュアンスを加えて変奏曲風にまとめつつも、随所で荒々しく、激しいノイズ混じりのピッキングでアクセントを加え、全体の曲想としてはアバンギャルドな色合いを主体としてまとめる。2曲目は、大坪さんと日比谷さんのデュオですが、しっかり鬼怒さんのソロを受けたような形で、大坪さんはエレキ・アップライト、日比谷さんは、Selmer Macaferri のレプリカを使用して、アバンギャルドにまとめました。3曲目で、トリオによるインプロですが、日比谷さんの導入部に対して、鬼怒さんは Buccus のレスポールモデルを使用し、軽めのワウとエコーを巧みにかけつつアンビエントなフレーズで応酬する。途中、思いっきり絞り込んだワウにスイッチして Warehouse でよく用いるフレージングでソロを取る。空かさず大坪さんが4ビートランニングで全体を支えつつ煽り、そこに日比谷さんが、ベースのルート音を意識し深めに当てたアップピッキングで煽り返す。トリオの1曲目にして、3人の相性は予想通り素晴らしい限り!4曲目は、大坪さんが印象的な7拍子ベースフレーズで導入し、鬼怒さんはアコギで大坪さんのテーマに絡む中近東フレーズをぶつけてくる。空かさず日比谷さんが鬼怒さんのサポートに回り、鬼怒さんのフレーズに対してカッティングでアクセントを加える。大坪さんが全体のグルーブを支配しつつ、鬼怒さんと日比谷さんのフレーズが交錯して構築される音像は、正に極上なチェンバーそのもの。5曲目は、鬼怒さんがレスポールに持ち替え、繊細かつファニーなパッセージで導入する。それに応えるように日比谷さんが対位的なパッセージを絡ませつつ、2匹のネズミが抜きつ抜かれつ交錯するように、コールアンドレスポンスとも取れそうな応酬を繰り返す。それをまとめるように大坪さんが8ビートランニングで支え、繊細な中に大きなダイナミクスを内包させたような素晴らしい曲に仕上げてました。2部の始めは大坪さんのソロから。荒々しく弦をはじき、一瞬遅れて弦の振動を煽るような細かなグリスを加えて独特な響きを生み出し、ラウンド形式で非常に美しく曲全体をまとめていました。正にセンスの塊のような美しいソロで、鬼怒さんが思わず「素晴らしい...」と声を洩らしていらっしゃいました。続いて、鬼怒・日比谷デュオ、鬼怒さんはアコギ使用、お互いに探り合うような抽象的なフレーズを交し合いスタート。鬼怒さんが、突然走るように高速パッセージを弾き、日比谷さんを煽り、日比谷さんがそれに応えて裏を強調したようなアップテンポのカッティングで、更に鬼怒さんを煽る。今にも音がこぼれ出しそうなミュートフレーズをお互いに出し合って、木洩れ日を想起させる印象的な音像を構築する。続いて再びトリオ演奏、鬼怒さんはレスポール、ワウをかけつつ絞りきり、神経質で狂気を孕んだようなギター音にてソロを取る。日比谷さんは鬼怒さんのフレーズに沿ったカッティングでサポートし、大坪さんは鬼怒さんとは対照的な柔らかいフレーズで2人の演奏を包み込むように全体をまとめ上げる。続いてのトリオ演奏では、アコギに持ち替えた鬼怒さんが、例えようも無く美しいフレーズで曲想を収支リードし、大坪さんと日比谷さんはサポートに徹する形、インプロで有りながら、ドビュッシーが書きそうな印象的な美しいフレーズで構築された素晴らしい演奏で本編終了。アンコールでは、鬼怒さんが客席後方に「何か希望ないですか?ビートルズでも何でもやりますよ」とリクエストを聞き、大坪さんの「出来るんですか?」を受けて、「じゃあ、Hey Jude ですね」と鬼怒さん、レスポールを使用して、しっかり「Hey Jude」のメインテーマを鬼怒風(Warehouse風?)にアレンジしながら取り上げてました。かなりアバンギャルドな「Hey Jude」で、鬼怒さんの掛け声で最後締めてましたね。次回は、是非とも高良さんを加えた編成で、Warehouse with 日比谷カタンでセッションを行っていただきたいところです。恐らく、絶妙にマッチする筈です。最後の2曲は、遅れてその前に入ってきた凡そ inF に似つかわしくない小綺麗な女性の2人連れ(恐らく Tokyo Walker 見て来た客)を鬼怒さんがかなり意識されてたようで、ひょっとしたら、鬼怒さんの好みだったのかも知れません。MC は相変らずで、「ガメラバラモン」「8,000円女の子付き」「地球大戦争」「渚にて」「メロン」等々、演奏とは全くかけ離れた話題に終始してました。ご趣味の向きは、純湖さんの CAT BOX へ。あと、この日は、inF の 演奏前、休憩中、演奏後の BGM がまた良かったです。Joni Mitchell や植村さんのソロ等がかかってましたね。


n.p. Bojan Zulfikarpasic「Bojan Z Quartet」