Eric Johnson@Ventura Theatre, Ventura, CA

EJ の Acoustic Gig に行って来ました!先ずはセットリストから、

Saturday Jan 17, 2004
Eric Johnson@Ventura Theatre, Ventura, CA

    • > with Martin Guitar

1) Song for Life
2) Dusty
3) Gift of Love
4) Fatherly Downs
5) Tribute to Jerry Reed
6) Kathy's Song
7) Song for George

    • > with Piano

8) Water Under the Bridge
9) Song for Lynette
10) Wind Cries Mary (Jimi Hendrix)

    • > with Martin Guitar

11) Desert Song
12) All the Things You Are
13) Devanae
14) My Finest Champion
15) Wonder
16) Once Upon a Time in Texas

    • Encore 1 with Martin Guitar -

17) I Need You (Beatles)

    • Encore 2 with Piano -

18) Scarborough Faire (Simon & Garfuncle)

21:35 - 22:45 (70 min)

会場は、Ventura Theatre、1928年築らしく、ちょっと古臭い感じのオペラハウス的な作りです。収容は席数で300人ぐらい、最前列がディナー席になっていて、50人ぐらいのゆったりしたスペース、その後ろに柵があり、50cm位の段差を上がって VIP席、一般席、2階席と続く感じです。ステージはかなり広めで、中央正面がギターを弾く時の席、向かって右側にグランドピアノを客席に開いた形で配し、左側に、Martin を3つ並べ、その後方に青いグラスキャンドルを20本ほど並べたテーブルが有りました。また、客席と返しのスピーカーの間に4本、ピアノの上に1本やはり青いグラスキャンドルがあり、青いスポットと共にステージを深く、柔らかく、静かに彩っていました。21:35 を少し回った頃、徐に音楽が止まり、向かって右側のステージ袖から EJ が登場します。髪は長めで黒のメッシュを入れた感じ、黒のストライプパンツに黒のジャケットを羽織っているようで、薄暗い中、青のキャンドルライトとスポットで浮かび上がるその姿は、愁いを帯びているようでいて、凛とした佇まいも感じさせ、観客の期待感を嫌が上にも煽るかのようでした。Martin は、3台とも下方のプラグの差込口の他にサイドにも PU Config らしきものが付いていました。どうやら EJ 版 Martin にも取り付けが完了したらしく、基本的には向かって一番奥に据えられていた EJ 版 Martin で通していたようでした。1曲目は「Song For Life」、まだ温まっていないためか、少々、ピッキングやフィンガリング、タッピングに硬さは感じますが、信じられないほどに研ぎ澄まされたかのような、それでいてどこまでも繊細な EJ の演奏による Martin の響きは、どこまでも心を捉え、2度と放すことは無いかと思えるほど、しっかりと食い込んでくるかのようで、一瞬とも悠久とも思えるような時の過ぎるのをただひたすら感じ続けていたような気がします。突然、乾いた響きを絡めながら空かさず「Dusty」に入ります。「Souvenir」に収録されているヴァージョンよりも、より愁いを佇んでいるように感じます、EJ 版 Martin による効果かも知れません。ここで行き成り温まりましたとも宣言するかのような高速フレーズが一瞬入り、はっとした所で、乾きつつも優しいフレーズでフォローする。まだ、2曲目だというのに、もうすっかり、EJ の心憎いばかりの演奏に魅了されまくりの自分にふと気付かされたところで演奏が終わり、どっと沸き起こる拍手で現実に引き戻されるかのようでした。3曲目は「Gift of Love」、遂にヴォーカル曲が来ました!やはり、禁煙にしている効果は大きいようで、ヴォーカル1曲目から、なかなかの調子です。勿論、まだ、本調子とは言えないながらも既にヴォーカルの張りがしっかりしてますし、幾分高音部の不安定さは隠せないながら、そのギタートーンを思わせるような繊細で、美しいハイトーンの片鱗は伺わせます。そして、間奏のギターフレーズがいつもながら、ため息が出るくらい美しいフレージングでアコースティックであることも合間って、美しさの深度が更に増し、押弦のノイズも心地好く響きます。


結局、前座であった Tony Furtado、出てくるなり、自らオープニングであることを告げ、続いて尊敬する EJ のオープニングを務めることの光栄を語っていました。スキンヘッドで見た目怖そうですが、その実、かなり良い人でしたし、MC も時折冗談を飛ばしつつなかなか面白かったです。しかし、何と言っても驚いたのは、その演奏です。1曲目のアコースティックギターによる弾き語りから、その深みのあるヴォーカル、バンジョーロールの変形のような高速アルペジオ、でも、テーマに戻ると確かにブルーグラス、やはりプログレッシヴ・ブルーグラスと言う話はウソではありませんでした。2曲目には、同じアコースティックでも、ガットギター風のアコースティックを使用し、ブルース色を加えたような楽曲で、やはり、そのヴォーカルの素晴らしさが、ブルージィな曲調に冴えまくっていましたね。続いて3曲目には、バンジョーを取り出し、演奏を始めるんですが、余りも早いバンジョーロールのため、当初はバンジョーロールで弾いているのではなく、カッティングかと疑うようなロールでした。結局、インストだった訳ですが、初めから終わりまで一瞬足りともルーズになることなく、すっかり惹きつけられたまま曲が終わってしまい、すっかり口あんぐり状態でした。ギター、ケーブル等を変えながら、9曲、約50分間の演奏で、内インスト3曲、歌入り6曲、そのどれもが新鮮で、深みがあり、途中、本人が MC で語っていた John Mclaughlin の影響を色濃く感じました。そして、ゲイリーバートンが一時期目指していた Folk Jazz Rock の踏襲と現代的展開を志向しているのが伺えましたね。そこで、頭に浮かんだのが、大殿であり、鬼怒無月さんでした。やはり、温故知新を実践しつつ、素晴らしき音楽を演奏、生み出すアーティストは場所の如何を問わず存在し、単に新しい音、斬新なアプローチが無いといって嘆くのは、狭い自分の領域だけで柵を作って過ごしているに過ぎないのだなと痛感してしまいました。勿論、会場内で Tony が手売りしている CD を購入させていただき、ご本人とちょっとお話させていただきました。やはり、素晴らしきアーティストは、性格も善いと実感する柔らかな物腰で、見た目と違ってましたね(笑)あと、今回のツアーグッツも充実していたようで、アコギグ用の T-Shirts が、絵入り(オフィシャルページのあの絵です)、文字のみ、それぞれ、白、黒が存在していたようでした。アコギグ用のポスターも出てました。その他は、お馴染みのグッツでしたね。私は、絵入りの白と黒の T-Shirts を購入してきましたが、また、ツアー終了後暫らくしたら、オフィシャルで販売されると思いますのでお楽しみと言った感じです。