12/5(火) JEFF BECK @ 国際フォーラム

12/5(火)国際フォーラムにて JEFF BECK のライブが行われました。

1. Black Bird 〜 Earthquake
2. Roy's Toy
3. The Pump
4. Brush With The Blues
5. Blast From The East
6. Dirty Mind
7. NADIA
8. Psyco Sam
9. Rice Pudding 〜 Theme From Jack Johnson 〜 Savoy
10. Loose Cannon
11. Star Cycle
12. You Never Know
13. Rollin' and Tumblin'
14. Angel
15. Blue Wind
Encore ---
16. Where Were You
17. A Day In The Life


メンバーは、JEFF BECK(G), JENNIFER BATTEN(G,V), STEVE ALEXANDER(D), RANDY HOPE-TAYLOR(B)の4名、暗転の中、「Black Bird」のSEが流れ、JEFF 以外の3人が配置に着く、その静けさを打ち破るように「Earthquake」が流れ、JEFF ががリフを刻みつつ登場!会場は割れんばかりの歓声に包まれ、会場内の人が一気に立ち上がる。ライブの始まりだ!鋭く、いまだかつて聴いたことが無いリフが刻まれ、予想もつかないリフの展開に身を切り裂かれる。抗う術を失い、JEFF の刻むリフに身を任せようとすると途端に焦らすかのように間をおく、いきなりの一曲目からツボを衝かれまくり、驚いているところに畳み掛けるかのような、エンジン音のSE、「Roy's Toy」だ!ミドルテンポの中、リズムの裏をとり、変幻自在に攻撃をかけてくる JEFF のギター、一瞬たりとも攻撃の手を休めないかと思うと、ミュートで空かしをかけ、その何倍もの衝撃のフレーズを畳み掛ける。凄まじ過ぎる攻撃的なギターフレーズの嵐の中、薄れかける意識の中で「ひょっとして、アルバム一枚丸ごと同じ曲順で演奏するのか?」と思った瞬間、聴き慣れたギターフレーズが、「The Pump」!哀愁のギターフレーズに心を鷲掴みされ、流れ出る涙を止めることができない。ただ立ち尽くし、心を熱く震わす以外に何ができるというのか。この感動の嵐がライブ開始後10分足らずで襲ってくるとは、一体何処までこの体が持つのか、このまま聴き続けて、魂の抜け殻になってしまわないだろうか、不安が頭を過ぎるが、もうどうすることもできない。続いて「Brush With The Blues」ブルースフィーリングの魂のバイブレーションが会場内を満たし、ブルージィなアトモスフィアが辺りに満ちる。静かに青白い炎が燃え上がり切った時、一瞬の静寂が訪れ、JEFF がチューニングを行う、ホッと息を抜いた瞬間、JENNIFER のギターリフが、激しく空間を切り裂く、「Blast From The East」だ!JENNIFER と JEFF のギターが激しく絡み合い、突然弾け合う、爆発と融合を繰り返し、大きなうねりをこのライブ空間にもたらす。続いて、JENNIFER がマイクに向かって歩み寄り、美しく、力強く、そして艶かしいヴォイスが空間を満たす、「Dirty Mind」の始まりだ、俄仕込みのヴォーカルでは無い、JENNIFER の多才さには半ば呆れてしまう、そう、JENNIFER はすべてを持っているのだ。本当に全く気が抜けない、一瞬たりとも隙を作れない、JEFF はあらゆる展開から途轍もなく衝撃的なフレーズを繰り出してくる。かと思うとミュートやトーンダウン・フレーズで聴き手を焦らしまくる。こんな素晴らしい音楽空間に存在することの幸運、何にも代え難い喜び、そして確かに存在する JEFF の音!魂!心!続く曲は JEFF が「アジアの STEVIE WONDER」と称する NITIN の曲「NADIA」美しいメロディ、心を揺さぶる JEFF のヴィブラート、美しき幻想の世界が目の前に展開している。美しい世界の余韻を引きずるようにチューニングの音が静かに響く、続いては「Psyco Sam」、ただでさえ、変幻自在のギターフレーズが飛び交ってる曲が、ライブではアルバムの何倍もの鋭角感、エッジの効いたシャープなフレージングが、予想もしない間を持って体全体に飛び込んでくる、この危険な凶器のようなギターフレージングに身も心も切り裂かれ成す術が無い。ここで信じられないフレーズが飛び出す!この破壊的リフ、地も割れんばかりの強烈なドラム、これはまさに「Rice Pudding」!ここからへヴィ・メタルが始まったと言っても過言ではないこの曲!しかも、全く古臭くない、JEFF のギターは常に曲に新しい息吹をもたらす。しかもメドレーだ!メドレーとして続くこの曲!これは「Theme From Jack Johnson」、噂の Mahavishnu Orchestra の曲は実は、John Mclaughlin 参加時の Miles Divis の曲だった!John Mclaughlin への思い入れたっぷりに情感を込めて弾き倒す。そして「Savoy」へとメドレーが続く、ギタートーンのダイナミズムを効果的に使い、この素晴らしいメドレーを締めくくる。硬質な金属音があたりに響き渡り「Loose Cannon」へ、JEFF のギターはうねりを上げ、咆哮し、そして我々観客に襲い掛かって来る一瞬の気も休まらない、このギター音は巨大な怪獣が咆哮を上げながら連続攻撃を仕掛けてくるかのようにも思える。ちょっとしたチューニングの後、いきなり JEFF のギターが走り出し、感動のフレーズが流れる、「Star Cycle」だ!まさに張り裂けんばかりの心が、鼓動が、JEFF のギターに呼応し、激しく情感を揺さぶる。止め処も無く流れる涙を止めることなどできはしない。もう、ただ全てを JEFF のギターに委ね、我が身を任せる。全く予想ができないフレージングに翻弄されながらも、感動だけは高まり続け、そして心の爆発を繰り返す、素晴らしい!素晴らしすぎる演奏だ!続く曲「You Never Know」も「Star Cycle」と同様、「There And Back」からの曲!畳み掛けるように RANDY のベースが煽り、流麗に JEFF のギターが応える。聴いてるこちらも止まれない、走り続けるだけだ!チューニングの間、ホッと息を抜くと、またしても、JENNIFER がマイクに近づく、「Rollin' and Tumblin'」だ!アルバムの Imorgen Heap に勝るとも劣らない JENNIFER の力強く、ソウルフルなヴォーカルが会場を包み込み、JEFF のギターとコールアンドレスポンスで呼応しながら、どんどん高みに持ち上げていく、この斬新なアレンジ、異常なテンションの高さ、30年以上の時を超えて甦った最高の曲が、クリームの演奏を軽々と超えた最高の演奏で甦ったことを改めてライブで実感するに至った。素晴らしい!の一言!続いてはゆったりとしたリズムの中、ピッキングのニュアンスのつけ方が素晴らしく映える「Angel」、物悲しいながらも、独特の温かみを持つこの曲も、意表をつくフレージングを交えながら、ライブならではの演奏で完全に惹き込まれてしまいました。そして、遂にきた!「Blue Wind」、やはり変幻自在のアドリブフレージングでぐいぐいと聴衆の心を引き上げる。感想において、JEFF はフレーズを途中で止め、続きを観客に促す、観客も会場一体となりハミングでギターフレーズを続ける。そんなやり取りを繰り返し、興奮は最高潮まで高まり、そして爆発した!素晴らしく感動的なライブがいったん幕を閉じる。鳴り止まぬ拍手が、何時しか、アンコールを促す拍手へと変わる。アンコールに応え、まずは、JEFF とJENNIFER がギターを片手に登場!ギターデュオによる「Where Were You」は何処までも美しく、何処までも荘厳で、厳か、心を完全に洗い流され、まっさらの心に更に熱い感情が広がっていく、そして何時しか曲は終焉を迎える。続いてリズム隊が現われ、「A Day In The Life」、JEFF の弾くサビのフレーズでもう完全に心が揺さぶられる。抗う術など有り様も無い。最高の曲を最高の演奏で!鷲掴みにされた心は、身の置き場も無く、JEFF の思うがままに揺さぶられ続けた。そして感動のライブの幕が閉じる。何時までも続く拍手の渦の中で、本当に生きてて良かった!JEFF に逢えて、JEFF の演奏に触れて、このライブ空間を共有できて本当に良かった!

あっという間の1時間30分、短すぎる?そんなことは無い、この凄まじく高いテンションが、更に続けば、冗談じゃなく精神が破壊される。普通の生活には戻れなくなってしまう危険が間違いなく潜んでいるはずだ。現に私は30時間以上過ぎた今も、普通の感覚を失ってしまっている。目は開けているが夢現だ。何とかして社会復帰せねば!