10/09(月) GHOST@旧日本郵船倉庫(Bank ART Studio NYK)

10/09(月) GHOST@旧日本郵船倉庫(Bank ART Studio NYK) に行って来ました。セットは以下、

01. 即興1 (約90分)

Encore:
02. 即興2 (約9分)

約103分

GHOST:
馬頭將噐(Vo,Gt,Effects,etc)
瀧澤大志(Flute,S-Sax,Thermin,Chorus,etc)
荻野和夫(Piano,Keyboards,Recorder,etc)
栗原道夫(Guiter)
立岩潤三(Drums,Percussion,etc)
守屋拓之(Contra Bass)

照明:OVERHEADS


前回、2月6日 @BankART1929 Yokohama以来8ヶ月ぶりの Live GHOST、今回もまた OVERHEADS が照明を担当し、会場は旧日本郵船倉庫という、行き成り刺激的な告知を受け、当然ながら足を運ばせていただきました。

そもそも、GHOST がライヴを行って下さることの価値が、この日本にてどれだけ理解されているのか、先ずはこの点に疑問を感じています。現代の先鋭的なミュージシャンを取り上げて世界に発信するメディア、THE WIRE は、世界中の”今”と”これから”の先鋭的な音楽を広く紹介しており、ここ日本からも世界に誇る優れたミュージシャンが過去にも紹介されています。例えば、”世界の”灰野敬二さんは、'96年9月に取り上げられ、その後も度々取り上げられつつ遂には、'02年7月に”表紙”を飾ると言う栄誉を得て、"Maestro Haino" として、世界中から灰野さんのライヴを見るために足を運ぶ音楽ファンが次々とやってくることは、灰野さんのライヴを見に行く人達には最早ごく普通の事実。BjorkRadiohead, Sigur Ros 等と同列で”先鋭的”なミュージシャンと世界的に扱われている、別に殊更声を大きくして言うほどのことでもなく、このこと自体が灰野さんの活動自体をなんら現すものではないが、このような一面もあるという一つの事実なのです。

そんな、THE WIRE が、現在の日本発として世界に向けて発信すべき先鋭的なミュージシャンが、GHOST であると言う事実も '04年3月 に表紙を飾っている事実からもご理解いただける気がします。

そんな GHOST が、その恐ろしいまでに先鋭的な音像を OVERHEADS の異次元的な映像とのコラボによって、渾然一体となった形で、究極的な空間を演出して下さるこの Live GHOST、更に今回は、演奏中会場である倉庫の唯一の出入り口をしっかりと閉じ、完全なる閉鎖空間内に全員を閉じ込め、その閉じ込められた倉庫の中でメンバー6人が支柱とその周りに位置する観客を取り囲む形、その前にはベールを天井から垂らし、直接にはその姿を見えないようにしてメンバー個々の神秘性を高め、OVERHEADS の照明に奥行きを持たせる絶妙の演出、通常、このようなメンバー同士がアイコンタクトも取れないような離れたお互いが見えない位置での演奏となると、どうしてもお互いの呼吸にズレが生じ、音像がルーズになって、結果テンションが落ちてしまうもので、演奏開始前まではこの点が気になっていたのですが、演奏が始まって直ぐに杞憂であることが実感できました。メンバーの皆さん超能力者?を思わせるほどに演奏的呼吸にズレがありません、神業的精神集中でお互いの展開と音像を読み合いながら演奏しているかのよう、本編90分とアンコール9分、計100分の間、一瞬たりともテンションが落ちることが無く、音像が光を放ち、照明がハーモニーを奏でる、静謐かつたおやかな音像と映像空間に身を浸す快感、この世の中に初めて生まれ出でて一瞬の内に消えていくこの空間の儚さ、全てが相まって夢現の様に展開していく時間の見える4次元世界、無限のような一瞬、悠久のような刹那、幽玄の中浮かび上がる宇宙の始まり、そして終焉...、

もう、二度とない素晴らしき Live GHOST 体験をさせていただき、感謝は尽きません。メンバー、関係者、そして、この素晴らしき空間を共有した全ての観客の皆様に感謝申し上げます、また、別の次なる Live GHOST にてお会いできることを夢見つつ。


n.p. GHOST「Hypnotic Underworld