08/24(木) 喜多直毅 WORLD MUSIC @六本木 STB139

08/24(木) 喜多直毅 WORLD MUSIC @六本木 STB139 に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
01. 疾走歌 (喜多直毅作曲、石川啄木シリーズ1、喜:林:吉:佐:鬼:CH:海、約6分)
02. 新宿 (喜多直毅作曲、ご当地シリーズ2、喜:林:吉:佐:鬼:伊:CH:海、約6分)
03. Null Set (鬼怒無月作曲、仮タイトル:可愛い曲、喜:佐:鬼、約6分)
04. 2012 (宮野弘紀作曲、喜:林:吉:佐:宮:CH:海、約11分)
05. 千年前の村 (喜多直毅作詞・作曲、喜:林:吉:さ:常:CH:海、約10分)
06. 絵の中の戦争 (喜多直毅作曲、1部:暴動&3部:プロパガンダ、喜:林:吉:佐:鬼:CH:海、約6分)

約63分

2nd Set:
07. 吹雪 (喜多直毅作曲、喜:林:吉:佐:鬼:CH:海、約10分)
08. ナオキチカルシラマ (喜多直毅作曲、喜:吉:佐:常:CH:海、約7分)
09. 影法師 (喜多直毅作詞・作曲、新曲:初演、喜:林:吉:佐:さ:CH:海、約6分)
10. 旅する者が出会うのは (喜多直毅作詞・作曲、林:吉:佐:さ、約6分)
11. 機械のカラダ (喜多直毅作曲、喜:林:吉:佐:鬼:宮:伊:CH:海、約9分)

Encore:
12. 兄と妹 (喜多直毅作曲、喜:林:吉:佐:鬼:CH:海、約6分)

約54分

Member:
喜多直毅(vln):喜
林正樹(pf):林
吉野弘志(cb):吉
佐藤芳明(acc):佐
鬼怒無月(g):鬼
宮野弘紀(g):宮
伊藤芳輝(g):伊
Christopher Hardy(perc):CH
海沼正利(perc):海
常味裕司(oud):常
さがゆき(vo):さ

------------CH--------海--
--林---吉----------常-----
-----宮--鬼-----さ----佐--
--伊--------喜------------

3rd Solo Album「VIOHAZARD」のレコ発ライヴ、喜多直毅 WORLD MUSIC @六本木 STB139、待ちに待っていたライヴが遂に実現しました!明りが落ち、喜多さんが登場、先ずは挨拶を行い同時に本日体調不良のため止むを得ず欠席となった黒田京子さんのことを会場に告げ、自らも大変に残念だと洩らし、そして黒田さんよりのお詫びの言葉を会場に告げる。「黒田さんが出ることが出来ないことは私にとっても大きな痛手である」とのこと、黒田京子さんの体調の回復をお祈り申し上げます。その黒田さんのパートと自分のパート全てを本日受け持つ林正樹さんを”若手 No.1 の実力と才能を兼ね備えたピアニスト”と紹介し、招き入れます、続いて、”スーパーギタリスト”鬼怒無月さん、”ジェントルマンなベテランベーシスト”吉野弘志さん、”私とは古い付き合いで色々な業界でその名を轟かせるアコーディオニスト”佐藤芳明さん、”高いところで見事なパーカッションを叩いて下さる”Christopher Hardy さん、”あらゆる方面で素晴らしいパーカッションを叩いて下さっています”海沼正利さんと順次紹介しながら招き入れます。

いやー、本当に見事です、本日の出演者の皆様。こういう”レコ発”というと、華やかにゲストを多く呼んで”お祭り”としたくなるところなのだと思いますが、本日の出演ミュージシャンで喜多さんの 3rd Solo Album「VIOHAZARD」のレコーディングに参加していないのは、吉野さんのみで、その吉野さんも、喜多さんがレコーディング終了後に「どうして、僕は吉野さんをお招きして録音していただかなかったのか本当に悔やんでいます」と公言して憚らなかった言わば”準レコーディングメンバー”それも主役の喜多さんを含む11人の皆様全員が、”そのお一人が加わっただけで、その生み出される音楽の質が向上する”と言われるプロの中のプロの仕事人的な凄腕ミュージシャン揃い、足りない音は一切なく、余計な音も一切ない、最上のコントリビューションを最高の個性的なサウンドでもたらす真のミュージシャンばかり11人がこの場に揃っているのです。そして、素材は鬼怒無月さん作曲の「Null Set」と宮野弘紀さん作曲の「2012」、そして喜多直毅さん作曲の10曲、それも本日初演の「影法師」を含むその内3曲は未発表、未レコーディングの曲という凄まじさ、最高の素材が最高のミュージシャン達のみを得て生み出される極上のサウンド、いよいよ始まります!

先ずはこの7人編成にて1曲目を演奏するのですが、行き成り1曲目からアルバムに入っていない石川啄木の短歌「何がなしに走り出して見たくなりたり草原などを」にインスパイアされて書かれた曲「疾走歌」を演奏します。暫く「タイトルなし:啄木シリーズ1」として知られた”あの”超絶技巧曲から幕を開けるのです。喜多さんの印象的なリフから曲に導入、これまた印象的な佐藤さんのアコーディオンが併走し、鬼怒さんがガットギターでカッティング、吉野さんが心地良くコントラバスをランニングさせ、出ました林さんのアブストラクトなフレーズの雨!、後方に陣取るパーカッションの御二人は、全く邪魔にならない御二人それぞれの個性的なリズムを見事なまでの調和を持ってさり気なく差し込みます!何なんでしょう、この見事なまでに調整の取れた、それでいながら一瞬たりとも安定しない尖りまくった音像の移り変わりは!一音でも余計な音が入ってきたら、全てが崩壊しそうな繊細さを持って、激烈に疾走していく。まさに、今夜描かれる”喜多直毅ワールド”のオープニングに相応しい楽曲と演奏、そう、もうここは”喜多直毅ワールド”なのです。

続いて喜多さんの「また数日後にはこちらでライヴを行うスパニッシュコネクションのリーダー、伊藤芳輝さん!」のコールを受けて正面から登場すると思いきや、何故か裏を回って鬼怒さんのちょっと離れて右側に着く伊藤さん、「空けて待ってたのに何故後ろを通るのっ!いつ見ても伊藤さんはおしゃれですね、今後とも参考にさせて下さい」と喜多さん。伊藤さんを加えた8人編成による2曲目は、またもやアルバムに入っていない新しい曲、名曲の誉れ高い「板橋区」に続くご当地シリーズ2「新宿」です。今の東京を凝縮したような、様々な嗜好性、思想、文化を持った多種多様な人々が集い、この世を憂い、同時に享楽するエネルギッシュな街、新宿を、喜多さん独自の視点より、見事に音像化(怨憎化?)させた美しくももの悲しい楽想を持つこの曲、行き成り冒頭の喜多さんのバイオリンによるメインメロが一頻り終わった後で、伊藤さんの哀愁のスパニッシュフレーズが炸裂します、この際の鬼怒さんのサポートカッティングがまた見事!負けじと喜多さんが狂おしいフレージングでソロを取り、その後ろでは一部の隙もない鉄壁のツインパーカッションが暴れ回り、佐藤さんと林さんがダブルウィングとなってサウンドに拡がりを持たせ、吉野さんが拡がりつつも発散しないタイトなサウンドに纏め上げる、素晴らし過ぎですね。

3曲目は、喜多さん、鬼怒さん、佐藤さんの小さいトリオ編成として鬼怒さん作曲の「Null Set」、元々 Salle Gaveau の曲として鬼怒さんが書かれた曲であること、この3人と林さんがメンバーであること、仮タイトルは「可愛い曲」であったことなどを喜多さんが一頻り説明し、演奏へ。



また、時間見つけて更新します。



n.p. 喜多直毅「VIOHAZARD」