06/20(火) 喜多・佐藤・吉野@荻窪サンジャック

06/20(火) 喜多・佐藤・吉野@荻窪サンジャック に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
01. タイトル未定 (喜多直毅作曲、石川啄木シリーズ1、約12分)
02. 吹雪 (喜多直毅作曲、約10分)
03. 寝室 (喜多直毅作曲、海老原美代子「カルメン」の為に作曲、約7分)
04. 枕木 (喜多直毅作曲、新曲3、約7分)
05. 新宿 (喜多直毅作曲、ご当地シリーズ2新曲:初演、約6分)

約48分

2nd Set:
06. 空に吸はれし心 (喜多直毅作曲、石川啄木シリーズ2、喜多 vn & 佐藤 acc duo、約6分)
07. タイトル未定 (喜多直毅作曲、新曲2:B minor、約8分)
08. 千年前の村 (喜多直毅作詞・作曲、喜多 vn&vo、約8分)
09. 春 (喜多直毅作曲、約11分)
10. 板橋区 (喜多直毅作曲、ご当地シリーズ1、約9分)

Encore:
11. 新宿 (喜多直毅作曲、ご当地シリーズ2新曲、再演奏、約6分)

約59分

Member:
喜多直毅(vn,vo)
佐藤芳明(acc)
吉野弘志(b)



3rd Solo Album「VIOHAZARD」の発売を間近に控え(予定では5月末〜6月中旬、既に先行発売も行われている模様)相変わらず素晴らしい活動を続ける喜多直毅さんが、「VIOHAZARD」レコーディング主要メンバーである佐藤さんと、レコーディングには参加していないながら終了後から参加率が急上昇の吉野さんとのトリオ編成にて、荻窪のサンジャックでアンプを通さない生音ライヴを行うとのことで、勿論足を運ばせていただきました。前回6/15(木)のこの編成に黒田さんとクリスを加えた最強クインテット@大塚グレコにどうしても足を運べなかったので、今回こそはと狙っていたこのライヴ、前回の@大塚グレコでは「VIOHAZARD」の先行販売を行っていたとのことで期待していたのですが、アルバムの先行販売は残念ながら行っていませんでしたね。

まあ、ダウンロード販売にてアルバム収録全曲をPC上では聴くことが出来るので大きな問題は無いのですが、正式発売自体は6月28日ということでまだ先だというのに、2セット合計の演奏全11曲中、発売前の 3rd Album に収録されている曲は「吹雪」「千年前の村」「板橋区」の3曲しか演奏されませんでして、他の曲は、まだ何の形も現れてきていない 4th Solo Album 迄待たないと、音源としては入手不可能な状況のようです。その意味でも、今回のようなライヴの現場は喜多さんのような先鋭的なミュージシャンの実態(実体?)、またはその一部を知る上でとても大事です。

そんな状況で、アルバム発売前なのに喜多さんのアグレッシヴな前衛性は、既にずっと先へ行ってしまっているようです。聴き手としても少しでも食い下がらなきゃと、今、必死で追っかけてますが、間は開くばかり、時代を遥かに超えた偉大なミュージシャンの若い時期の歩みは、ただ聴くだけでも凡人にはとてもついていけないと言ったイメージですね。

あと、久々に(?)喜多さんのヴォーカル出ました!「折角なのでこの機会に歌いたいと思います」とのことで「千年前の村」にて vn&vo、冒頭の D minor イントロアドリブパートでは、バイオリンのボトムを膝の上に置く形でのチェロ風縦置きバイオリン奏法を魅せてのヴォーカルへの繋ぎ、ヴォーカルにおいては、まだまだ声量も技量も足りないながら、哀愁の素晴らしい表現力、可能性を有するバリトン・ヴォイスを聴かせて下さいました。いや、やはり作詞者が歌うと歌詞の心に入ってくる浸透力が違う気がするのですね、そうなんです「山羊は立ったまま眠る」のです、郷愁漂いつつミステリアスな歌詞の世界が聴き手の心の中で広がっていきます。

アンコールにて、「もう一度演奏させて下さい」と仰って再演奏された「板橋区」から長らく待たされたご当地シリーズ第二弾「新宿」の初演も、まだ荒削りさを感じさせながらも「板橋区」に匹敵、いや凌駕する可能性を感じさせる歌心と超絶技巧が同居した素晴らしい楽曲、演奏でした。


また、時間見つけて更新します。


n.p. 喜多直毅「VIOHAZARD」