06/01(木) 小松亮太&オルケスタ・ティピカ@江古田バディ

06/01(木) 小松亮太&オルケスタ・ティピカ@江古田バディに行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. A media luz - 淡き光に - ( By Edgardo Donato、約3分)
02. ボルドネオ・イ・900[ノベシエントス] - 1900年のギターの響き - (オスバルド・ルジェーロ作曲、約3分)
03. ???? (約3分)
04. ネグラーチャ ( By Osvaldo Pugliese、約3分)
05. Los ejes de mi carreta - 牛車にゆられて - 〜 ( By Atahualpa Yupanqui、小松 bn & 田辺 cb duo、約3分)
06. 〜 Milonga Triste - 悲しいミロンガ - ( By Sebastian Piana、田邊 cb、近藤 vn、喜多 vn、御法川 va、松本 cv、約3分)
07. Tanguango ( By Astor Piazzolla、w/t 佐竹 perc、約4分)
08. Mi Fueye Querido - 私の愛しい蛇腹 - ( By Leopoldo Federico、約3分)
09. Taquito Militar - 軍靴の響き - ( By Mariano Mores、約3分)
10. La Cumparsita ( By Gerardo Matos Rodriguez、約7分)

約47分

2nd Set:
11. ブエノスアイレアンド ( By Victor Lavallen、約5分)
12. Meridional - 南の - ( By Victor Lavallen、約4分)
13. Fortin Cero - セロ砦 - ( By Jose Colangelo、約3分)
14. スピカ・エスキス (小松亮太作曲、小松 bn、熊田 pf、田邊 cb、近藤 vn、喜多 vn、御法川 va、松本 cv、約6分)
15. 夢幻鉄道 Loco-Motion-Loco (小松亮太作曲、小松 bn、熊田 pf、田邊 cb、近藤 vn、喜多 vn、御法川 va、松本 cv、w/t 山兄 syn-gt & 佐竹 perc、約5分)
16. セーヌ川 〜 ( By Astor Piazzolla、鈴木編曲、鈴木 bn solo、約1分)
17. 〜 パラル・シルセ 〜 ( By Astor Piazzolla、早川編曲、早川 bn solo、約1分)
18. 〜 プレパレンセ 〜 ( By Astor Piazzolla、北村編曲、北村 bn solo、約2分)
19. 〜 Triunfal - 勝利 - ( By Astor Piazzolla、小松・早川・北村・鈴木 bn、田邊 cb、約2分)
20. La Villerita ( By Mercedes Sosa、約3分)
21. ???? (約4分)

Encore:
22. Meridional - 南の - ( By Victor Lavallen、約5分)

約57分

小松亮太&オルケスタ・ティピカ Member:
小松亮太(Bandoneon)
早川純(Bandoneon)
北村聡(Bandoneon)
鈴木崇朗(Bandoneon)
近藤久美子(Violin)
喜多直毅(Violin)
専光秀紀(Violin)
御法川雄矢(Violla)
松本卓以(Cello)
田邊和弘(Contrabass)
熊田洋(Piano)

Special Guests:
佐竹尚史(perc)
山兄(synth-gt)

-熊田---田邊--近藤--喜多--専光--御法川--
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----鈴木---小松---北村---早川------松本-
-佐竹--------------------------山兄-----
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こちらに情報を寄せて下さったみさおさんのお陰で、急遽予定を変えて( @MANDALA-2 の予定でした)江古田 Buddy に足を運ばせていただきました。私自身、昔からタンゴには疎くて、'90年代の前半には齋藤徹さん絡みで興味を持っていたり、後は鬼怒無月さんの第2次タンゴブームに伴なって、'99年から '00年位に「AquaVerde」「来たるべきもの」「ラビリンス O.S.T.」「ラ・トランペーラ〜うそつき女」等を買って聴いていた程度でした。しかし、鬼怒無月さんの第3次タンゴブームに伴なう Salle Gaveau の活動、その中でも活躍されているジャンルを超越した新世代超人派バイオリニスト、喜多直毅さんの演奏に触れ、ここ 2, 3年で興味を持って、遅れてタンゴブームに乗る形で聴く機会が増えてきているのが現状です。本日も小松亮太さんが曲名紹介して下さったもの以外は分かりませんでした、申し訳ないですが悪しからず。

と言う訳で、今回、喜多直毅さん、小松亮太さん、近藤久美子さんの絡みに大いなる期待を抱きつつ、足を運ばせていただきました。行き成り冒頭で驚いたのは、小松亮太さんが「今日は譜面無し、暗譜で」と宣言したことでして、私的な感覚から言うと、保守的なタンゴリスナーからここでブーイングと言うか文句が出るかと思ったら意外にアッサリ受け入れてライヴが始まったことに更に驚きました。「あぁ、小松亮太さんだけは何でも許されるのね」を改めて実感しましたね。また、相変わらずブラボーおじさん達はしっかり存在してまして、静かにフェイドアウトするような曲以外は全て演奏が終わると同時に「ブラボー」をコールし合う様には、その余りの予定調和振りに少しゲンナリしてしまいましたが、まあ保守的とは言え、日本のタンゴシーンを観客として長く支えて下さっている方達なので仕方ないかと半分無理やり自分を納得させ、タンゴ的キメやタンゴ的フレージングが凝縮された一瞬たりとも気が許せない素晴らしい演奏自体に酔わせていただきました。

これだけの演奏巧手が11人も集まってしまうと、どうしても気が緩みがちですが、そこを締める意味での暗譜強制だったのではと感じるほどに、緊張感が聴いてるこちらにまで伝わり、何より演奏自体に現れていたように思います。個々の楽曲のアレンジは勿論、編成、構成、全てが練りに練られているとも実感しましたし、これがツアー初日と言うのですから、この後のツアーの充実振りは当然推して知るべし内容です。スペシャルゲストの佐竹さん、山兄さんも良い形で十二分なコントリビューションを齎していたように思います。

私的な山場は、1st Set の最後、小松良太さんがメンバー紹介をしながらソロ繋ぎをしていく「La Cumparsita」でして、喜多さんのソロパートの素晴らしさは神憑りとも思えるほど、ここまで全体のサウンドを大切にしつつ、絶妙のフレージングとサウンドである意味「小松亮太&オルケスタ・ティピカ」の真の主役のように支えてきた極上の演奏レベルから、更に突き抜けて高みに至ったような演奏を展開して下さり、その姿とサウンドは眩いばかりに神々しい光を放っていたように思います。その後を受けた近藤久美子さんのソロパートの受けと展開も素晴らしく、このスアレス・パス師事者間のソロ繋ぎによって圧倒的な感動をいただきました。

2nd Set でも、山兄さんのゲスト参加!(千の小鳥好きです!)&佐竹さん再ゲスト参加!( w/t 鈴木崇朗さんのヘルプあり!)による「夢幻鉄道」の演奏、image のあの感動が再び!やバンドネオン・ソロリレーなど、充実の内容、とにかく全編通して素晴らしい演奏でした。タンゴであるとかタンゴじゃ無いとかそんなレベルの話はどうでもよくて、とにかく音楽として素晴らしく充実した最高のライヴ、思いっきり堪能させていただきました。また、時間を見つけて足を運ばせていただこうと思います。


n.p. 小松亮太「Bandneon Diary」