04/20(木) 是巨人@高円寺 Show Boat

04/20(木) 是巨人高円寺 Show Boat に行ってきました。セットは以下、

1st Set:
01. Levanon (吉田達也作曲、約7分)
02. 新曲N (吉田達也作曲、初演、約7分)
03. 新曲O (吉田達也作曲、約5分)
04. 新曲P (吉田達也作曲、初演、約8分)
05. メドレー - Hash & Gibraltar - (吉田達也作曲、約12分)
06. 新曲R (吉田達也作曲、初演、約6分)
07. イエス・メドレー (吉田達也編曲、約5分)

約57分

2nd Set:
08. Freestone (吉田達也作曲、約5分)
09. Careless Heart (吉田達也作曲、約6分)
10. Arabesque吉田達也作曲、約6分)
11. Betwixt (吉田達也作曲、約6分)
12. Doldrums吉田達也作曲、約7分)
13. Out Of Head (吉田達也作曲、鬼怒 vo & New-Strat、約4分)
14. Jakson (吉田達也作曲、約7分)
15. Isotope (吉田達也作曲、約8分)

Encore:
16. Poet And Peasant (吉田達也作曲、約8分)

約71分

是巨人 Member:
吉田達也(dr)
鬼怒無月(g,vo)
ナスノミツル(b)



是巨人の凄さ、素晴らしさは、その最新のライヴを体験したものだけが知り得る、体験し得る機会を得ることが出来ます。この、一瞬たりとも進化の歩み、いや 100mダッシュを止めない、ロック・インストゥルメンタル超絶変拍子トリオは、ライヴを重ねる度に、曲を演奏する度に刻々とその音楽性をより新しい形に変容させ続けているのです。それは、演奏している御三方が最も良く分かっていらっしゃる話で、最近の鬼怒さんの MC にて語られる「間違い探しをしないで下さい、そして、間違ってたとか 2ch とかで書かないで下さい」の裏側には、素人目(耳)には「前回聴いた時と感じが違う、間違ったに違いない」と勘違いしてしまう程頻繁にアレンジ、アンサンブルを変えてライヴを行い続けていることが作用しているに違いないと勝手に思ってます。

「吉田さん、このアレンジ、絶対客に間違ってるって言われるよ!」(鬼怒さん)
「そうだね、前回からかなり変えてるから、お客さん違和感持つかもね」(ナスノさん)
「いいじゃん、それくらいの方が楽しいよ」(吉田さん)

みたいなリハでの会話を思わず想像してしまいます。

と言う訳で、本日の1曲目は「Levanon」、Led Zepelin 風アラビック変拍子の究極的最進化形とも言えるこの曲で幕を開けるとは驚きです。この時点からただならぬ雰囲気が満ち満ちていました、序盤の構成や繋ぎもかなりアレンジが変わっていて、ノリに置いて行かれることもしばしば、そして感じる鬼怒さんのパッセージの流麗さ、この超絶曲を前にしてすら余裕と遊びを感じさせる貴方は一体ナニモノ状態。やはり、新しい Vanzandt のパープル・ストラトの威力は絶大、かなり鬼怒さんの王様のアイディアを取り入れた形のシグネチャーモデルになっていて、まさに鬼に金棒ならぬ鬼怒にストラト状態ですね!手が付けられません!!

2曲目には新曲「N」が登場します、これは前回の Stormy Monday で初演された新曲「O」と同傾向とも言える、3人のポリリズムの構成が目まぐるしく変わり続けつつ、実は全体で見ると美しい均整感を有する吉田さんの示した最進化変拍子の姿、初演なのに完璧過ぎるほどに完璧なる演奏、御三方のバケモノぶりにはただただ平伏すのみ。

3曲目、2度目のお披露目となる新曲「O」が続きます、「ん、oxygenとかどうかな、カッコいいんじゃない?」(勿論、タイトルとしてどうかと吉田さんに聞いてます)と鬼怒さん、この曲の演奏を前にしてこの余裕が怖すぎ。そして、当たり前のように前回の演奏から大きなアレンジ変更が見られ、すいません、ド素人な私は既にこの辺でノリに着いて行けない展開が山のように出てきてしまいました。でも、聴いてて気持ち良い!!

4曲目、ここに来てまたもや初演となる新曲「P」、どんなトンでもないものがと構えていると、序盤は意外にもポップ!(タイトル:Pを吉田さんが意識しての可能性大)、「Out Of Head」「Jakson」のプログレッシヴ・ブラコン路線と平行してプログレッシヴ・ゴールデンポップスか?と思わせる序盤も、中盤からの展開が鬼!複雑怪奇な変拍子構成に、聴き取り分析不能状態となり聴き手として大きく置いて行かれた感あり、くやしいぃ!この前の MC にて、是巨人の 3rd Album レコーディングが5月に、発売が7月に決定したとのこと、と言うことで、レコーディング前の最終ライヴとなる 5/10 のナスノミツルの弾きっぱなし!@SPCでは、是非とも新曲「P」を再演していただきたいところ、リヴェンジです!(また、アレンジ大胆に変えてくるとは思いますが)

5曲目は、恒例の既存曲メドレー、今回は「Hash」と「Gibraltar」が組み込まれた(ただ、吉田さんは4曲あると仰ってました!)メドレーになってましたが、もうこれでもかって位、解体、再構成されていて、殆んど「曲当てクイズ」状態、にもかかわらず、曲として、演奏として素晴らしいものになっている辺りが、益々悔しさを誘います、次こそは!

6曲目は、本日3曲目の初演、新曲「R」、音楽的進化は一体何処まで進んでいくのかと途方に暮れさせて下さる、また新たな方向性をここで提示して下さいました。この曲も、「P」の間奏部をそのまま抜き出して曲にしたような複雑怪奇な変拍子構成で、聴き取り分析不能状態です、「R」も 5/10 に再演切望!リヴェンジしたいです!!

そして1部最後は、前回の予告通り「イエス・メドレー」、前回で完璧だと思っていたのに今回の完璧ぶりを聴くと成る程と思える程の細かい細部のニュアンス表現の拘り、繋ぎの流麗さ、もう余裕すら感じさせる完璧を超えた完璧な演奏、3人のより少ない編成で、Yes の30年の音楽活動をたった5分間で超えてしまったかのような究極のイエス・ メドレー、堪能させていただきました。


また、時間を見つけて更新します。


n.p. 是巨人「ISOTOPE」