04/12(水) 村冶佳織スペシャルプロジェクト@朝日浜離宮ホール

04/12(水) 村冶佳織スペシャルプロジェクト@朝日浜離宮ホール に行って来ました。セットは以下、

プログラムB:
「異色のアンサンブルと繰り広げる古典から現代の名曲」

第一部
01. ヘンデル フルート・ソナタ イ短調 HWV.362 (村冶 g & 一噌 能管、約11分)
02. スカルラッティ ソナタ ロ短調 K.27/L.499 (曽根 cla solo、約4分)
03. スカルラッティ/アンディア(編曲) ソナタ ニ長調 K.262/L.446 (村冶 g & 曽根 cla、約7分)
04. ロドリーゴ ある貴紳のための幻想曲 (村冶 g & 曽根 cla、約21分)
04-1. 第1楽章 ビリャーノとリチェルカーレ (約5分)
04-2. 第2楽章 エスパニョレータとナポリ騎兵隊のファンファーレ (約5分)
04-3. 第3楽章 たいまつの踊り (約4分)
04-4. 第4楽章 カナリオ (約7分)

約53分

休憩(約15分)

第二部
05. スカルラッティ曽根麻矢子(編曲) ファンダンゴ ニ短調 (村冶 g & 曽根 cla、約5分)
06. ボッケリーニ/ブリーム(編曲) ギターとチェンバロのための序曲とファンダンゴ (村冶 g & 曽根 cla、約6分)
07. ディ・メオラ&デ・ルシア 地中海の舞踏/広い河 (村冶 g & 一噌 田楽笛、約13分)
08. 一噌幸弘 総田楽の舞 (村冶 g, 一噌 田楽笛 & 曽根 cla、約12分)
09. 一噌幸弘 メトリエ (村冶 g, 一噌 つの笛 & 曽根 cla、約14分)

約64分

村冶佳織(g)

Guest:
一噌幸弘(笛)
曽根麻矢子(clavecin)



昨年の11月に企画されながら、村冶さんの右手疾患の為延期されていた本日の公演、取得できた席がなかなか良好だったこと、前回観に行った村冶さんのライヴから、少し間が空いてしまったこと、勿論、村冶さんと一噌さんの初共演であったこと、ギター、チェンバロ、笛というかなり異色の組み合わせを初めて体験できる等もあって楽しみに足を運ばさせていただきました。

会場は音響が素晴らしいことで定評のある朝日浜離宮ホール、しっかり9割9部方席は埋まっていたようでした。1部1曲目は、村冶さんと一噌さんのデュオによるヘンデルの「フルート・ソナタ」、必要な音自体が無く、ピッチも安定しない能管でこの曲を演奏すること自体とても信じられない話ですが、流石は能楽界の異才/鬼才、一噌幸弘さん、事前の予想以上に素晴らしい演奏に仕上げていらっしゃいました、当初より個人的にはこの曲とロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」がメインであった為、行き成りの嬉しいオープニング、フルートとの味わいの違いがまた嬉しいところながら、そう思わない村冶さん、曽根さん目当てのお客さんにこの演奏がどう響くかについて心配を抱えながらも、演奏後の拍手は好意的、いや熱烈な歓迎振りに嬉しくて思わずほろりとしてしまいました。

ここで一噌さんは舞台奥に下がり、曽根さん登場、チェンバロソロ、ギターとのデュオと2曲続けてスカルラッティ、事前の予想以上にアグレッシヴな演奏をされる方で、見た目とのギャップにも驚かされました。村冶さんの奏でるギターの音色は、いつもにも増して、繊細で切なく、ピンと張り詰めた糸が今にも切れてしまうのではと思わせる心に痛く切ないパッセージを奏でてきており、アグレッシヴながら出音は優しい曽根さんのチェンバロの音色と心地良く、美しく解け合っていました。その解け合う感じのまま奏でられたロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」、ロドリーゴが最大の敬意を込めてギターの神様、アンドレス・セゴビアに贈った名曲中の名曲、右手疾患から完全に回復された村冶さんの至高のテクニックが良く映えます。この御二人の演奏による録音で音源出されることを熱望したい素晴らしい演奏でした!欲を言えば、DVD で出して欲しい!


また時間見つけて更新します。


n.p. 村冶佳織「レスプランドール」