08/09(火) 千野秀一 Solo @大泉学園 inF

08/09(火) 千野秀一 Solo @大泉学園 inF に行ってきました。

何と、122分一本勝負の凄まじくも感動的な即興演奏でした。流れは下記のような感じ、


20:08 〜 :「では、始めます」というシンプルな挨拶と共に演奏開始

凄まじいパッセージの連続で、知的な論理空間を構築するかのような即興演奏

20:15 〜 :上着を脱ぎ、更に気迫を込めての即興演奏

20:38 〜 :一度演奏を切り上げ、次はどのアプローチで行こうかと思案し、違った切り口で演奏再開

20:45 〜 :演奏切り上げて立ち上がり、またもや違った切り口で演奏再開

20:58 〜 :譜面台に上げてあった譜面を見て楽曲のテーマを用いての即興演奏

21:14 〜 :徐に譜面台を外し、譜面をバラけさせながらの即興演奏

21:18 〜 :フレーム内で弦を直接爪弾いたり、ハープのように掻き鳴らしたりとアヴァンギャルドなアプローチ

21:35 〜 :「帰ります?」と観客に問いかけ、この後の予定が無い様子を確認し、ピアノの前に就き再び演奏再開

21:49 〜 :新しい譜面を袋から取り出し、楽曲のテーマを用いての即興演奏

21:55 〜 :また、別の譜面を袋から取り出し、楽曲のテーマを用いての即興演奏

22:02 〜 :「やれるときにやっておかないと」とまた別の譜面を袋から取り出して、テーマを用いて即興演奏

〜 22:10 :演奏終了


この素晴らしい即興演奏に触れ、やはり CD なりの音源フォームでは決して触れることの出来ない神秘の音楽世界が東京ミュージックシーンには存在するのだと心の底より実感しました。未だかつて無く、これからもあり得ない、その瞬間に、そこにだけある音楽、60年の時と空間を駆け、1945年8月9日に長崎で亡くなった数多くの無念の魂を鎮めるかのような鎮魂の音、沈思のメロディ、無常の響き。ただ、ただ感動させていただきました。元より、足を運ぼうと思っていましたが、最後の後押しでお誘い下さった inF マスター、そして何より素晴らしい音楽を奏でて下さった千野秀一さんに感謝を捧げます、ありがとうございました。


また、この日のライブ前後に BGM でかかっていた CD もかなり良かったです、inF マスターにはいつもながら敬服するばかり、

Quadromania
Andres Segovia
Recuerdros De La ALHAMBRA
(1893 - 1987)


n.p. Justin King「Le Bleu」