03/15(火) Play Post Tango And More@江古田 Buddy

03/15(火) Play Post Tango And More@江古田 Buddy に行ってきました、セットは以下です。

1st Set:
01. アローイ(鬼怒作曲、鬼怒 ag、約5分)
02. ミニマル・タンゴ(鬼怒作曲、仮タイトル、鬼怒 Les paul、約9分)
03. 板橋区(喜多作曲、鬼怒 ag、約11分)
04. アール・デコ(鬼怒作曲、鬼怒 ag、約5分)
05. 1/29 Tango(鬼怒作曲、仮タイトル、鬼怒 Les Paul、約9分)

約52分

2nd Set:
06. 7 Step to Post Tango (佐藤作曲、鬼怒 Les paul、約8分)
07. パレード(鬼怒作曲、鬼怒 Les Paul、約4分)
08. タンゴ・ロック(鬼怒作曲、仮タイトル、鬼怒 Les paul、約5分)
09. ワルツ(鬼怒作曲、新曲:仮タイトル、鬼怒 ag、約7分)
10. クレーター(鬼怒作曲、鬼怒 Les Paul、約9分)

Encore:
11. La Danza De La Pasion 〜情熱の踊り〜(鳥越作曲、鬼怒 ag、約13分)

約63分


ちょっと間があいてしまいまして、個人的には久々の Play Post Tango And More のライブです。メンバーは、喜多直毅(vn), 佐藤芳明(acc), 鳥越啓介(b), 鬼怒無月(g) の4人です。鬼怒さんはいつものガットギター(ラミレス)に加えて、Buccus のレスポールモデルを持ってきていらっしゃいました。まず、1曲目は「アローイ」、冒頭のテーマ合わせから、鬼怒さんと喜多さんの絡みを残る御二人がパーカッシヴにサポートし、4つの個性が溶け合って1つのバンドサウンドを生み出す様子が分かり易く提示されており、ライブの導入曲に相応しい良曲で、勿論今日も冒頭に持ってきます。続いて、ミニマル系タンゴと言う異色のオリジナル曲、その名も「ミニマル・タンゴ」(仮タイトル)、ミニマル的な鬼怒さんのギターフレーズを主体としながら、他のメンバーがときに寄り添うようにユニゾンをきめたり、対位しながら幾何的なバリエーションを織成します。そして3曲目には前曲の途中で、鬼怒さんが「同系の曲が続くな」と感じて予定を変更し、「板橋区」、鬼怒さんがガットギターに持ち替え、繊細で抽象的なアルペジオによるフレーズを鏤めるようにテーマを奏で、佐藤さんがその美しさを引立たせるような物悲しいフレーズを絡めてきて、装飾音を絡めながら曲相を整えていた喜多さんが、郷愁を誘うようにたっぷり引っ張ったメインメロを静かに、柔らかく、時に狂おしくビブラートをかけながら乗せてきます。もう、この美しさは、例えようも無い程ロマンチシズム溢れる素晴らしい演奏で、「赤」の激しく燃えるような情熱を冷めた冷静な「青」で覆い尽くすような対比が本日も見て取れましたが、4人の呼吸が合ってきたためか、更に表現の深みを増したように感じました。海外帰りで更に表現に深みと狂気をすら感じさせるキレを随所に魅せた喜多さんには、正に脱帽の想いです。出来るだけ早いうちに、この研ぎ澄まされた表現で、黒田さんとのデュオを聴きたいところです。本当に何処まで行ってしまうか分からない喜多さんのバイオリン表現の素晴らしさ、我々は貴公子が若き皇帝への歩みを踏み出した正にその期間に喜多さんの表現に触れる幸運を得ているのかも知れません。


また、時間見つけて更新します。


n.p. Kita Naoki「Hypertango II」