09/11(土) 大沼・林デュオ@ゴールデン街ナマステ

09/11(土) 大沼・林デュオ@ゴールデン街ナマステ に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
1. 即興1 (約10分)
2. 即興2 (約12分)
3. 即興3 (約10分)

約32分

2nd Set:
4. 即興4 (約10分)
5. 即興5 (約10分)
6. 即興6 (約12分)
7. 即興7 (約10分)

約42分


大沼志朗(dr)、林栄一(as)のデュオが、ナマステ・ライヴとしてあると言うことで、足を運んでみました。林さんのオフィシャルページにもアップされていない、なにやら秘密の香り漂う真夜中の熱い一時、堪能してきました。客席(と言ってもカウンター内で立ち見でしたが)には、この日、渋さ知らズ・オーケストラ@豊橋「炎の祭典」で演奏を終えていらっしゃった小森慶子さんの姿もありました。当然、演奏帰りのため、Alto Sax をお持ちだったもので、客席からは飛び入りの期待が集まっていましたが、この日はお疲れでお酒がかなり入ってらしたようで、夢の大沼・林・小森セッションはお預けの形となりましたが、また、是非とも実現していただきたい夢の組み合わせですね。この日は、特にテーマや決め無しの即興演奏でしたが、林さんは、常に基本となるテーマをその場で考え出して、大沼さんの演奏を引き込みつつ、アドリヴとして進行させるような形を取っていらっしゃったように感じました。とにかく、林さんの”巧さ”が目立ったライヴでした。常に、観客や共演者を自分の土俵に引き込み、最小限度の”音”で、最大限の”効果”を引き出す。音として表現できない”気持ち”や”想い”をタンギングを多用した吃音的連続音を巧みに絡ませながら、その一音一音には”林”印がついてでもいるかのような”林サウンド”が確立していて、全く揺るぐことが有りません。半ば”頑なさ”と見えるほどに、固執していらっしゃるようにも見て取れました。と言って、相手の音を聴いていないと言う訳ではなく、相手が出す音の一歩先を制して、自分の世界に引き込む感じですね。まさに名人芸の域と言えるでしょう、一方、相手の大沼さんは、林さんの引き込みを受けつつ、それを受け流すようにしながら、逆にしなやかに相手の懐に自分から飛び込む形で、1曲目から濃密な2人のインテンポ、インサウンドな音像を構築されていたように感じました。完全即興的なアプローチながら、結果的なサウンドはまるでスタンダードが演奏されたかのような親近感を感じるサウンドで、やはりこのお二人ならではの即興演奏と言ったところでしょうか。相反するような感情を一音一音に込めつつ、凝縮された濃密な即興演奏が続きますが、不思議と結果的には同じ流れ、形式を取っているようにも感じられ、終わってみると見事なまでに10分程度に全ての即興演奏が、感情表現を圧縮されたようにまとめられていました。聴いていて、余りにも見事過ぎて、逆に憎々しいぐらいの”巧さ”を見せつけられた感があり、改めてこの御二人の音楽表現の底の深さを思い知らされましたね。お見逸れ致しました。


n.p. 坂田明 mii「赤とんぼ」