03/28(水) 川嶋・ジャンニ・吉見セッション@大泉学園 in F

03/28(水) 川嶋・ジャンニ・吉見セッション@大泉学園 in F に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. Mercy, Mercy, Mercy! ( By Josef Erich Zawinul、川嶋 ts->bcl->ts->bcl->ts->bcl->ts、約12分)
02. All The Things You Are ( By Jerome Kern、川嶋 ts->bcl->ss、約12分)
03. Stella By Starlight ( By Victor Young、川嶋 ts->bcl->ts、約12分)
04. Mr. P.C. ( By John Coltrane、w/t 松本 tb、川嶋 ts->bcl->ts、約12分)

約54分

2nd Set:
05. 即興 ( Gianni gt solo、約6分)
06. Someday My Prince Will Come ( By Frank Churchill、w/t 松本 tb、川嶋 ts->bcl->ts->bcl、約11分)
07. ???? (川嶋 ts->bcl->ts、約12分)
08. ???? (川嶋 ts->bcl->ts、約8分)
09. ???? (川嶋 fl->bcl->ss->bcl->ss、約17分)

Encore:
10. There Will Never Be Another You ( By Chet Baker、w/t 松本 tb、川嶋 ts->bcl、約12分)

約70分

Member:
川嶋哲郎(ss,ts,bcl,fl)
Gianni Guido(gt)
吉見征樹(tabla)

Special Guest:
松本治(tb)


川嶋哲郎さん、Gianni Guido、吉見征樹さん、この御三方のセッションが実現するとは、夢のようだと思いつつ足を運ばせていただきましたところ、何と、松本治さんがいらっしゃって、4人によるセッションまでもが実現してしまいました。

第二部冒頭の Gianni のソロを除いてスタンダード曲が演奏されましたが、どれも斬新、新鮮なアプローチ尽くし、高速テンポの流れの中で目まぐるしく転調を繰り返していくかと思えば、ミディアムテンポでしっとりとブルースノートで泣かせるといった感じで、どのような状況でも丁々発止が見られ、3者3様の、4者4様のアプローチでソロにバッキングサポートにと立ち位置を激しく入替えながらも、全く持ってそれぞれが個性的、一片たりとも揺るぎの無い自己の表現による全体サウンドの構築、シーンの転換をとても初顔合わせと思えない阿吽の呼吸の中で紡いでいきます。この凄まじいまでの熱さと、全てを凍りつかせる絶対零度的クールさを同時に有しつつ、瞬間の中でもリアルタイムに進化発展を遂げてゆくこの音楽がジャズなのだとしたら、ジャズはまだまだ熱く、無限の可能性が存在することを感じさせて下さいます。

またまた、その奥の深さを感じさせてくれた Gianni Guido の表現は、とにかく素晴らしい!何より紡がれてゆくパッセージの色合いの多彩さには驚きを隠せません。恐ろしいまでの長さのレガートパッセージが澱みなく滑らかに奏でられる様には至上の美しさを感じさせ、超高速4ビートのルート頭から構成音をプリングオフで絶妙に遅らせる音取りには感嘆を覚え、エレクトリック音(ピエゾ経由)とアコースティック音(マイク経由)を同時に発して立体感のあるサウンドでたおやかな安らぎを与え、更に絶妙なタッピングハーモニクスで聴く者を異次元に呼び込みます。見た目派手に見えるのですが、弾き易いパッセージを単に早く弾くような本末転倒な音は一切なく、そのクレバーな音取りと一音一音考え尽くされた上で奏でられるサウンドの味わい深さには深く感動を覚えます。

この世界最先端を実感させる音楽が身近に楽しめること、これが何より素晴らしい限り。また機会を見つけて足を運びたいと思います。



n.p. Gianni Guido「7 Maggio」