02/11(日) 足立兄弟・神楽・る*しろう・Djamra・日比谷カタン

02/11(日) 足立兄弟&神楽@沼袋 Organ Jazz 倶楽部 に行って来ました。セットは以下、

足立兄弟:
01. Back Track (足立宗亮作曲、約5分)
02. Slow Poison (足立宗亮作曲、約4分)
03. Hard Line (足立宗亮作曲、約6分)
04. New York Mining Disaster 1941 - ニューヨーク炭鉱の悲劇 - ( By The Bee Gees) 〜 Guilt (足立宗亮作曲、約6分)

約23分

足立兄弟 Member:
足立龍介(g)
足立宗亮(g,vo)


神楽:
01. 二つの無邪気の間で (原田節作曲、原田 pf&odm、約7分)
02. House Warming in Alaska (足立宗亮作曲、原田 odm、約11分)

約22分

神楽 Member:
足立宗亮(g,vo)
原田節(odm,pf)
星衛(cv)


神楽立:
01. Tweed (原田節作曲、原田 odm、約4分)
02. Night Dance (足立宗亮作曲、原田 odm、約3分)
03. Spring Silky Shower Landscape ( By AUSIA、原田 pf、約4分)
04. Helper Skater (原田節作曲、新曲:初演、原田 B3、約5分)
05. Fleance ( By Bridges, Sweeney, Minns & Buckmaster、原田 pf、約4分)
06. Indian Rain (足立宗亮作曲、原田 pf&odm、約14分)

Encore:
07. Ambush (足立宗亮作曲、原田 odm、星 篠笛、約10分)

約53分

神楽立 Member:
足立龍介(ag)
足立宗亮(ag,eg,vo)
原田節(odm,pf,org,vo)
星衛(cv)


足立宗亮さん弾きっぱなし(?)とも言える本企画、プログレオールスターのサポートイベントと言う形で実現することになりまして、場所も Sanctuary 近くの沼袋 Organ Jazz 倶楽部にて、ここはプログレッシャーには堪らない Hammond B-3 w/t Leslie Speaker が常設されていると言う素晴らしきハコ、これを逃がしてなるものかとの意気込みで、足を運ばせていただきました。

開演予定時間を3分ほど前にして、既に足立兄弟スタンバイ完了、開演時間を待たずに演奏開始です、それもその筈、後の MC にて「今日は、合同演奏をタップリしたいので、足立兄弟と神楽の演奏はサクサクと切上げます」とのこと、とは言いながら、しっかり重めの曲4曲を選曲、約23分という短さを感じさせない充実の足立兄弟パートでした。今回はプログレオールスターのサポートイベントである為、サポート先へのスムーズな移動を考慮して、しっかりとケツカッチンでしたので、お気持ちは十二分に伝わりました。短めながら、聴いてみて実感するのは、やはり「一音一音の重みが違う」でした。MC にて宗亮さんが盟友、一噌幸弘さんの言葉を引用して仰ってらした「アドリヴは瞬間の作曲で、作曲は長い時間をかけて行うアドリヴ」との言葉、まさに足立兄弟が体現している”音楽”の本質をついている気がします。稀有な才能を有する足立兄弟のお二人によって、長い時間かけて紡いで、磨いてこられた音楽、その瞬間、その時点における結晶、それがライヴ空間に放たれる足立兄弟の至高の音楽というイメージですね。

続いて、ほとんど休憩を取らずに、龍介さんが舞台を下がり、変わるように原田さんと星さんが舞台に上って神楽の演奏となります。宗亮さん、この調子で進めてしまって御体は大丈夫なのかとの心配も当然ながら浮かんで来てしまいます。が、原田さん容赦なくこの日はお店のスピーカーに繋いで、少し硬質な響きを持ったオンドマルトノのイントロを奏で、神楽パートスタート、神楽パートは2曲ですが、これまた重めの選曲、そして間奏にてのアドリヴを多めに入れつつ、約22分の演奏を閉じ、またまた休憩を殆んど取らずに合同演奏パートへ。神楽演奏時の MC にても「龍ちゃん、44.2 だからね、チューニング出来てる?」と合同演奏に直ぐに移ることができるように業務連絡を行う宗亮さん、一番大変な筈の御本人がそれを全く苦にせず、直ぐにでも音を合わせたい様子が見て取れます。

そんな中、遂に合同演奏スタート!アンコールを含め充実の約53分の合同演奏、予想以上に素晴らしかったです。宗亮さんご自身もそれを実感されたようで、「神楽立、なかなか良いね、また大泉学園辺りでもやりたいね」との嬉しい言葉も洩らしていらっしゃいました。原田さんは、Hammond B-3 w/t Leslie Speaker が余ほど楽しみだったようで、これを使う為に新曲を書いていらっしゃいまして、その名も「Helper Skater」(笑)、しっかり宗亮さんから「セットのメモ取ってる人、Helter Skelter じゃなくて、Helper Skater だから注意してね(笑)」、空かさず原田さん応えて「この曲( Imagine のメロを弾きながら)をメジャーで書き直した過去人[Kako-Jin]なんて曲も書いてるんですよ(と過去人を弾き出す)」、B-3 に着いた時にも、Nice のフレーズを行き成り弾き出し、龍介さんが空かさずギターフレーズを被せる、宗亮さんは「この2人にとっては、Emerson, Lake & Powell なんてのは新しいんだからね、Kieth Emerson といえば Nice な人達ですからねぇ(笑)」と苦笑い、皆さん本当に合同演奏を楽しんでいらっしゃいます。龍介さんの研ぎ澄まされたフレーズが音像を切り裂くように入ってくると、皆さん負けじと煽り返そうとして、丁々発止状態へ、龍介さんと星さんの親子ほどの年齢差を感じさせない熱い掛け合いもどこまでも、どこまでも行ってしまいそう...素晴らしい演奏でした。


神楽立、また是非とも実現していただきたいですね、大泉学園辺りで(笑)


素晴らしいイベントでした、演奏者及び関係者の皆様に深く感謝申し上げます。



n.p. 足立兄弟「銜石」


続いて、三軒茶屋に移動、


02/11(日) る*しろう 2nd レコ発@三軒茶屋 Grape Fruit Moon に行ってきました。セットは以下、

る*しろう 1:
01. 裏る*し I (る*しろう作曲、井筒 dr、菅沼 key、金澤 g、約1分)

約2分


Djamra:
01. パイオツパンク (る*しろうとの関係の歌パート含む、約7分)
02. 紙一重 (約7分)
03. 洞 (約8分)
04. ???? (約6分)
05. タイトル未定 (タイトル候補:順番待ち、約7分)
06. あほのこ (約9分)

約50分

Djamra Member:
北村信二(as,vo)
石川晃(g)
福田岳彦(key)
榎本明宏(dr)
中来田正晴(b)


日比谷カタン:
01. Opening:逆さもどき参る 〜 フスロブロスチの切符切り (日比谷カタン作詞・作曲、約16分)
02. ビリジアンゼラーニ - 少女緑化計画 - (日比谷カタン作詞・作曲、約6分)
03. CardBopTextology 対話の可能性 (日比谷カタン作詞・作曲、約7分)

Encore:
04. ???? (日比谷カタン作詞・作曲、約3分)

約40分

日比谷カタン(g,vo)


る*しろう 2:
02. 魅惑のハワイ旅行 (金澤美也子作曲、約5分)
03. 犬 (金澤美也子作詞・作曲、約4分)
04. 日曜の昼間にドアを叩いて起こさないで[略してノック] (井筒好治作曲、約7分)
05. ヌマザパ I & II (菅沼道昭作曲、約4分)
06. る*クスチャー (菅沼道昭作詞&金澤美也子作詞・作曲、約5分)
07. ヘビダンス (井筒好治作曲、w/t Taiqui dr from AIN SOPH、約6分)
08. さびれた街 (井筒好治作曲、約9分)

Encore 1:
09. 94K2 [串かつ] (る*しろう作曲、w/t Djamra 酔っぱらい、約8分)

Encore 2:
10. ヲ−リ−すーる (金澤美也子作詞・作曲、w/t 榎本 dr, 中来田 b & 日比谷 vo、約6分)

約71分

る*しろう Member:
金澤美也子(key,vo)
井筒好治(gt,vo)
菅沼道昭(dr,vo)

Guest:
Taiqui(dr) from
AIN SOPH


遂に来ました!驚天動地、シーンを揺らがす未曾有の大傑作アルバム「3.27830」を disk union 傘下のアルカンジェロからリリースし、それを踏まえての 2nd レコ発ライヴ[関東編]!最近は、る*しろうの濃〜い企画(主催)ライヴは、どうしても関西方面で開かれることが多く、西を向きつつ、羨ましい想いを飛ばしていたのですが、今回は[関東編]ありでした!その上、伝説の 1st レコ発ライヴ開催の地、ここ三軒茶屋 Grape Fruit Moon にて行われるこのライヴ!そして、何と恐ろしいことに、新世代超人派ミュージシャンにして、日本文化の暗部的サブカル漬け劇薬危険な猛毒を持つ超絶ギター弾き語り、日比谷カタンさんがおどろおどろしい悪の華を添えるというトンでもない事になってます。これを逃がしては末代までの恥とばかりに足を運ばせていただきました。

開演予定時間を15分ほど過ぎ、驚きの行き成り真打る*しろうの登場!えっ、と戸惑いを隠せずにうろたえていると、メンバーの皆さん着いてる楽器パートが違ってます、成る程、裏るしですね、井筒さんは Drum Set に、菅沼さんは key に、金澤さんは Guitar を持って「裏るし I」を演奏、そして金澤さんの挨拶「本日は、寒い中こんなに沢山集まっていただき、ホントありがとうございます、disc union のアルカンジェロレーベルから 3.27830 という 2nd Album を発売させていただいて、そのレコ発ということで、凄い方達に来ていただいて演奏してもらいます。先ずは、大阪の、もう、もの凄くカッコいいアバンギャルド・ジャズバンド、ジャンラです!」


ジャンラは、個人的には今回で見させていただくのは、3回目だったかと思います。相変わらず、中来田さんと北村さんは、靴下脱いで裸足での演奏です。冒頭は突然皆さんのアカペラから導入、歌詞がる*しろうとの出会いをそのまま歌ってます、このベタな大阪ノリの始まりから演奏に入って、また最後にアカペラで閉じるのですが、演奏部分は、都 with エレガントパンクの「パイオツパンク」が使われていたような...、凄い遊びっぷりですね。その後の演奏も定番化しつつある「洞」も益々カッコ良くなっていました。る*しろうとのコラボが本当に良い形になって現れてきている気がしますね、それを見事に体現したかのようなタイトル未定の新曲、終演後にお客さんから真っ先に上がったタイトル「順番待ち」を空かさず採用するそのノリが、まさに大阪そのもの。そのお客さんの名前も確認していました、本当にクレジットに載せてしまうのかも含め、早くも次回の 3rd Album が楽しみです。


そして、毎度お馴染み、ジャンゴのレプリカ、マカフェリギター持って静かに登場し、準備万端、まだ SE が鳴り響く中、ギターを爪弾きながらステージを始める日比谷カタンさん登場です!本日はトランスジェンダーよろしく艶やかな青ベースの振袖を着て、俯きがちに超絶フレージングを繰り返す。最近のオープニングとしては御馴染みの「逆さもどき参る」〜「フスロブロスチの切符切り」、共に現在発売間近(?)の 2nd に収録予定の楽曲のメドレーにて冒頭を飾る、毎度2曲のブリッジ部分のアドリヴが楽しみなのですが、本日は「メカゴジラのテーマ」がブリッジでして、このマニアックな展開に会場一部ではこそっと盛り上がる人達もいらっしゃいました。「フスロブロスチの切符切り」間奏の MC にしては、ワイドショーのインタビュー風ヴォイスチェンジャー使用アキバ系SEに扮し、本日のレコ発ライヴの趣旨を説明、最後に合言葉で「3.27830」を埋め込む見事なまとめ方!ただし、リアルに上手いので、途中ブーイングをしたくなる衝動を止めるのが大変でしたね。演奏後の MC にては「メイド服は美也子さんの為にあるようなものなので、着て下さい!井筒さんそこんとこキチンと説得して下さいね」とる*しろうコスプレバンド化の希望を差し込む見事さ、カタンさん、MC のキレ具合も抜群です。

続いては、私は初めて聴かせていただいた「ビリジアンゼラーニ - 少女緑化計画 -」、何と(恐らく)間もなく発売される 2nd にも収録(要するに録音後に書き下ろした新作ですな)されていなくて、3rd に収録される予定とか!美に目覚めた14歳の緑子ちゃんの自殺における葛藤を描いた曲らしいのですが、間奏部分のリフ、メタリカ風です!曲のコンセプトも、展開も、サウンドも何処も彼処も凄まじくブッ飛んでいます!流石世界に誇る日本のシーン、一体この結果は何年後に世界の良識ある音楽ファンに認知されるのでしょうかね、それもまた楽しみではありますね。

そして締めに漸く音源としての既発表曲「CardBopTextology 対話の可能性」を持ってきますが、これまた素晴らしい演奏で、これでカタンさんパート終了が納得出来ない観客のアンコール要請に、異例のゲストパートアンコール!「スガシカオは明日のライヴでやるとして、しみったれた曲やります」と物悲しげなバラードで幕も、ある意味カタンさんらしいとも言えるでしょう、素晴らしかった。


そしていよいよ満を持して本日の主役、る*しろうの登場です!!「Djamraもカタンさんももの凄いカッコいい演奏をしていただいて嬉しいのですが、プレッシャーですね」と冒頭に金澤さんから MC があり、イベント冒頭の「裏るし I」に続いて、る*しろうとしては2曲目「魅惑のハワイ旅行」、下町情緒溢れる日常生活のある風景(福引でハワイ旅行が当たる!)を巧みに音像の中に描き出した橋田壽賀子ドラマ風チェンバー、これをシアトリカルにではなく、音像として描ききる凄まじさ、鬼才金澤美也子さんならではのコンポージング、やはりライヴで映えます。そして、逆回転ナンバー「犬」、濃くて、ブッ飛んで、重いナンバーで畳み掛けてきますね。

続いて出ました「日曜の昼間にドアを叩いて起こさないで[略してノック] 」、金澤さんのナンバーは音像やサウンドアプローチ、コンセプトが斬新で、その中に”狂った”狂気感を感じさせますが、井筒さんのコンポージングは、聴き手の心と心象風景に元々潜む狂気に働きかけ、その狂気感を増幅させる、”狂わせる”コンポージングなのですね、世界広しと言えど、現在これが高いレベルで実践できているのは、USA の Mike Keneally と日本の井筒好治さんのみのように個人的には認識しています。世界に誇る日本の異才、この凄まじさをライヴ空間で体験できることは途轍もなく幸せなことなのですよね。

そして菅沼さんのナンバー「ヌマザパ I & II」、金澤さんの MC によるとヌマザパは現在発表しているのは2までですが、実は7まであって、ライヴで、1〜7まで一挙に40分ぐらいかけて演奏する構想もあるとか、楽しみですね。しかし、現時点の I & II でも12分にブッ飛んでいるので、ある意味恐ろしくもあり...、これ演奏しているる*しろう、ホント演奏レベルも遥か高み、素晴らしい限りです。

問題作「る*クスチャー」、まさにる*しろう流ミクスチャーナンバー、ライヴで演奏し始めた当初は、金澤さんの高円寺百景参加がもたらした、る*しろう流暗黒ナンバーとして捉えていましたが、2nd 収録バージョンを聴いてみて、もっと奥が深い、取り込み先の間口が限りなく広い広義的なる*しろうミクチャーナンバーであることが実感できたこの曲、改めてライヴ空間で体験するとその凄まじさ、カッコ良さにシビレます!!

最後は、世紀の異才、井筒さんの2曲「ヘビダンス」と「さびれた街」で本編を閉じる形、「ヘビダンス」ではゲストの taiqui さん from AINSOPH を加えたツインドラム体制、taiqui さんも MC にて「世界の鬼才、吉田達也以来のる*しろうへのツインドラムとしての参加」と仰ってましたが、その勇気に拍手をお送りします、素晴らしい演奏でした。

勿論、これで満員御礼、大熱狂の観客が納得する筈も無く、金澤さんの「ちょっと予定調和みたいですけど、この曲を演奏しないで終われませんので」で、冒頭に Djamra のメンバーが酔っ払いを演じての大阪コテコテ浪花節チェンバー「94K2 [串かつ] 」を演奏、そして「まだ、時間大丈夫ですか?」とお店に確認した上で、他のメンバーも参加させた形でのダブルアンコール「ヲ−リ−すーる」、凄まじい熱気の中、世界最先端のこの日本のシーンにて、一つのムーブメントをる*しろうが核となり巻き起こしていることを実感させつつ幕。素晴らしいイベントでした。メンバー、関係者、そしてこの場を共有させていただいた観客の皆様に限りない感謝を捧げます、ありがとうございました。



Live Cheers にて、Djamra「紙一重」、日比谷カタン「CardBopTextology 対話の可能性」、る*しろう「魅惑のハワイ旅行」、一曲づつですが動画を見ることが出来ます。Live Cheers にアクセスし、新規登録にて e-mail アドレスを入力し、登録を行い、登録後にログインして、再放送、ライヴハウスごとの三軒茶屋 Grapefruit Moon をクリックし、2/11 のところで見て下さい。



n.p. る*しろう「3.27830」