10/30(月) 翠川・千野・喜多トリオ@大泉学園 in F

10/30(月) 翠川・千野・喜多トリオ@大泉学園 in F に行って来ました。先ずはセットから、

1st Set:
01. 即興1 〜 (約21分)
02. 〜 即興2 (約18分)

約41分

2nd Set:
03. ショスタコーヴィチピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 op.67 ( By Dmitrii Dmitrievich Shostakovich、第三楽章&第四楽章、約15分)
04. 即興3 (約11分)

約30分

3rd Set(?):
05. ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ( By Maurice Ravel、千野 pf & 喜多 vn duo、約7分)
06. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 (スプリング・ソナタ) Op.24 ( By Ludwig van Beethoven、千野 pf & 喜多 vn duo、約13分)

約20分

Member:
翠川敬基(vc)
千野秀一(pf,口琴,笛)
喜多直毅(vn)


前回もそうでしたが、この御三方が一緒に演奏している姿を見るにつけ感慨深いものがあります。まず、昨年までであれば、信じられない組み合わせ、日本のフリージャズシーンの並び立たない両巨頭とも言える翠川敬基さんと千野秀一さん、私はてっきり御二人は仲が悪く、一緒のブッキングは業界でタブー視されているものとばかり思っていました。実は相思相愛、お二人とも一度演奏してみたいと、口には出さずとも思っていたようで、それを読み取って見事に結び合わせた in F マスターの手腕とミュージシャンとの厚い信頼関係、洞察力の深さには毎度ながら感服させていただいております。そして、その御二人に割って入るのは、業界に降り立った新世代超人派ミュージシャンの筆頭、喜多直毅さん、その天才・鬼才ぶりで若くしてタンゴ界にてその表現を窮め、全てをやり尽くした感で卒業(?)し、魑魅魍魎跋扈する日本のフリージャズシーンに身を投じたのは僅か3,4年前、その生まれ持ってのエキセントリックな即興センスと超絶技巧で、あれよあれよという間に行き成り超一流となってしまったヴァイオリン界の貴公子、一回り以上歳の離れた両巨頭と組むこのトリオ編成、今最も刺激的な超体験を聴く者にもたらすこの至高のトリオ、やはり外せません。


第一部は即興にて、冒頭から千野さんのアブストラクトなフレーズが飛び出し、喜多さんがそれに呼応して、ピチカートで合わせ、かつ狂おしい狂気のフレージングで音像を切り裂く、翠川さんは半音下でわざと外してベースラインを弾き、お二人のアブストラクトな音像を、地中深く引き摺り込む、それを契機に御三方の刺激的な暗黒展開がスタート、地中深くでのた打ち回る狂気の展開、悪魔の調べ、そうかと思うと一瞬の内に場面を切り替え、郷愁漂う素朴なフレージングを差し込んで豊かな音楽物語を紡いでゆく。とにかく、生み出される音楽ポテンシャルがトンでもなく高い、遥か高みにおける仕掛け、返し、調和、対位、崩し、フォロー、他全てが既知外、過去において何人足りとも無し得なかった、生み出し得なかった表現が、今現実にこの瞬間の中に織りなされ紡がれて行く至高の一時、途中20分強ほどで切上げるも、まだまだ足りないとばかりに、千野さんが演奏を続け、残るお二人が合わせていく、再び織り成された音像は、またまた多彩、余りの刺激的な目まぐるしい展開に、千野さんが「楽し〜いっ♪」と演奏しながら心情を洩らす場面もありました。と言った感じで第一部は幕を閉じます。


第二部は予定されていた通り、ショスタコーヴィチピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 op.67 の第三楽章と第四楽章を演奏します。


また時間見つけて更新します。


n.p. Argerich/Kremer/Maisky「Shostakovich/Tchaikovsky Trios」