07/06(木) Allan Holdsworth Trio@六本木 STB 139

07/06(木) Allan Holdsworth Trio@六本木 STB 139 に行って来ました。セットは以下、

1st Set:
01. Fifth ( By Chad Wackerman、新曲、約8分)
02. Fred ( By Allan Holdsworth、約5分)
03. Water On The Brain ( By Allan Holdsworth、約6分)
04. Madame Vintage 〜 ( By Allan Holdsworth/John Marshall )
05. 〜 Above And Below 〜 ( By Allan Holdsworth
06. 〜 The Things You See - When You Haven't Got Got Your Gun - 〜 ( By Allan Holdsworth
07. 〜 Material Unreal ( By Allan Holdsworth、約20分)

約43分

2nd Set:
08. Texas ( By Allan Holdsworth、約8分)
09. Pud Wud ( By Allan Holdsworth、約6分)
10. 新曲 ( By Allan Holdsworth、約5分)
11. Lanyard Loop ( By Allan Holdsworth、約5分)
12. Letters Of Marque 〜 dr solo 〜 Letters Of Marque ( By Allan Holdsworth、約15分)

Encore:
13. Proto-Cosmos ( By Tony Williams、約3分)

約48分

Allan Holdsworth Trio Member:
Allan Holdsworth(g)
Chad Wackerman(dr)
Jimmy Johnson(b)


個人的には久々の Allan Holdsworth のライヴ、ご本人は結構マメに日本に来て下さっていたのですが、どうもタイミングが悪くて、ここ4年程ご無沙汰でした。そんな状況を変えて下さった今回のトリオ編成、やっぱりドラムは Chad じゃ無いとの感がありますし、2人の行き過ぎを笑顔で柔らかく支える Jimmy Johnson がベースであって欲しいことから、このメンツでの来日公演を見逃すと、このまま一生 Allan のライヴに足を運ばないかも知れないとの危惧を覚えて、先行発売でこの最終日だけを押さえました。で、結果的に Chad のプレーに大満足、「Letters Of Marque」におけるドラムソロだけでも、今回のチケット代でおつりが来る程の素晴らしさ、日本公演でのドラムセッティングがマウント・タム、マウント・シンバルも含めて不十分であったことを考え合わせると、現状で出来る最高の演奏だったのではないかと感じましたね。

ライヴの幕開けは Chad Wackerman の筆による新曲「Fifth」から、初めはなにこの Allan Holdsworth とは思えないしっとりとした曲はと思ったのですが、演奏後に Allan が Chad の曲だと紹介したので、改めて納得すると共に冒頭に Chad の曲を持って来るほどに Allan が全幅の信頼を寄せているのが感じられ、かつ、曲中における Jimmy Johnson の曲調に絶妙に合い、続く Allan の美しく流麗なレガートフレーズを見事に導く素晴らしいフレージングに、改めてこの最強の Allan Holdsworth Trio の演奏に触れることが出来る喜びを噛み締めました。

続く曲は何と、The New Tony Williams Lifetime の「Fred」、冒頭の Chad のフィルから既に鳥肌もの、不世出の天才ドラマーの未だに脳裏に残る絶妙のドラミングを塗り替えるかのように鮮烈なフレージングで、新たな息吹を吹き込む Chad、それに応えるように、やはりこれまた自身のスーパーフレーズを塗り替えるように、鮮烈なフレージングでアプローチを試みる Allan、2人のサウンドを支えつつ見事にサウンド全体を融合させる Jimmy、素晴らしい演奏でした。

セットリストも Soft Works までも含め、Allan の今までの軌跡をこの最強トリオで辿り直すかのように組まれており、本編最後には、たっぷりと Chad Wackerman のドラムソロが組み込まれます。個人的に Chad のドラムに特徴的だと思われるのは、その音色でして、メロディ楽器のようにドラムを叩き、その音色とリズムの組み合わせが信じ難いバリエーションを持ち、繰り返しが全く無いのではと思える目まぐるしい展開をこの超高速トリオミュージックの中で具現化するとき、その描かれるリズムは、私の心を捉えて放してくれません。

そしてアンコールとして、The New Tony Williams Lifetime の「Proto-Cosmos」で締め、未だに醒めぬ夢見心地のように余韻を引き摺っています。

なお、終演後、先行チケット購入の予約特典で、この日の3人の演奏を撮影した生写真にそれぞれのサインを書いた形でいただきました。

是非ともまた、このトリオでの来日公演に期待をかけつつ、今回の素晴らしい演奏に限りない感謝を捧げさせていただきます。


n.p. The New Tony Williams Lifetime「Believe It」