04/16(日) 黒田京子トリオ with 平野公嵩@大泉学園 inF

04/16(日) 黒田京子トリオ with 平野公嵩@大泉学園 in F に行って来ました。先ずはセットから、

1st Set:
01. 4人による即興1 (平野 as->ts、約25分)
02. 4人による即興2 (平野 bs、約11分)

約42分

2nd Set:
03. 太田・平野デュオによる即興 (平野 ss、約8分)
04. 黒田・平野デュオによる即興 (平野 ss、約10分)
05. 翠川・平野デュオによる即興 (平野 ts、約11分)
06. 4人による即興3 (平野 ss->bs、約22分)

約59分

参加メンバー:
翠川敬基(vc),
太田惠資(vn),
黒田京子(pf)
平野公嵩(ss,as,ts,bs)


本日は黒田さんプロデュース企画、平野さんを迎えて、黒田京子トリオの面々が即興演奏を主体に行うと言うもの、個人的には平野さんは3、4年程前にクリヤマコトさんと共演されていた時に聴いた印象では、途轍も無く演奏力の高いテクニシャンながら、まだまだその恐ろしいまでの表現可能性を有効に活かし切れていない印象でしたが、この日は、その考えを全く改めさせられました。勿論、現在の即興音楽シーンで最高峰とも言える黒田京子トリオの3人が引き出したとも言えると思いますが、もう人間技では無かったです、サックスもソプラノ、アルト、テナー、バリトンと4種類持ち込み、音像やアプローチに合わせて持ち替えていらっしゃいました。印象的なのは、ts や bs の際、ビブラートを絶妙にコントロールして、木管の響き、音の味わいを金管であるサックスを用いて表現されていた点や、他のパートの音、展開を聴き、持ち替え楽器を瞬時に選んでいた辺りや、1st Set 1曲目の即興演奏での、as から黒田さんのフレーズを聴き、ss を手にかけつつ、その後の翠川さんと太田さんのアプローチを受けて、瞬時に ts に変えて、タンギング主体の装飾音でバンドサウンドに合わせた辺り、黒田さんとのデュオの際、黒田さんが中盤に平野さんを試すかのように急に Charie Haden の「Silence」を差し込んで、美し過ぎ、他の一切の音を必要としない音像を提示した際も少しも慌てず、展開を見事に捉えたフレーズを交え、高らかにソプラノを吹き上げる展開に見事に持ち込んだ辺りと、前回聴いた時には全く見受けられなかったアプローチと音の捉え方と言った印象です。その他にも、有りとあらゆる表現を、通常、演奏上の制約が多いと思われるサックスによって表現している辺り、本当に驚かされました。しかも、単に表現可能性を高め、アプローチをアバンギャルドにすると一音一音の正確さが損なわれ、雑になる傾向が多く見られると言うか、雑になるもので、仕方がないと思い込んでいたものが、平野さんによれば、全く雑にならずに正確に一音一音がコントロールされた形で、一切の不安な要素無く見事に演奏されているのです。正に脱帽の思いで、「お見逸れ致しました」と言ったところですね。


また、時間見つけて更新します。


n.p. 平野公嵩「ミレニアム」