04/14(木) 高円寺百景@初台The Doors

04/14(木) 高円寺百景初台The Doorsに行って来ました。セットは以下、

高円寺百景
吉田達也: dr, vo
坂元健吾: b, vo
山本響子: vo
金沢美也子: Key, vo
小森慶子: ss, cl, vo

01. 00 (吉田達也作曲、小森 ss、約6分)
02. 百美 (金沢美也子作曲、小森 ss、約4分)
03. 04 (吉田達也作曲、小森 ss、約4分)
04. 01 (吉田達也作曲、小森 ss、約8分)
05. ラテスムフリーズ (坂元健吾作曲、小森 ss、約7分)
06. 03 (吉田達也作曲、小森 ss->cl->ss、約8分)
07. 05 (吉田達也作曲、小森 ss、約9分)

Encore:
08. 11拍子のフレーズ変奏 (坂元健吾作曲、百景メンバー+本日対バンのメンバー+観客、約6分)

約60分


変拍子で踊ろう!vol.10 のトリで現れた高円寺百景、本日より新たに加入した小森さんを迎えての初のライブ、4人編成にて、個人的には2度ほど聴いた新曲が、小森さんの加入でどのように変化するか、かなり楽しみに足を運びましたが、凄い事になってました。新メンバーに小森さんを選んだ吉田さんの勝利と言ったところでしょうか、「皆さん、こんばんは、高円寺百景です」の吉田さんの挨拶を契機として、行き成り怒涛の展開、其々のパートが縦横無尽にフリーキーに走り回り、山本さんの美しいヴォイスに導かれて、コールアンドレスポンスするように、裏でリズムを取り合い目まぐるしく交錯し、万華鏡のように形と色を様々に変えつつ展開していく、再び全員の演奏が一体化して奔流を作り、怒涛の中で余韻を残しつつさっと演奏を切り上げる。2曲目は金沢さんの曲、2回ほど入り方を間違える吉田さん「ごめん、足元見てた」「逆光が目に入ったからさ」、会場からは笑いが起こる、3度目の正直で、見事な導入、吉田さんのドラムにポリリズミックに絡む小森さんのメロディアスなフレーズ、ドラムの展開を契機に山本さんのヴォイスに呼応するかのようにフリーキーなフレーズに展開して、更にアラビア旋律フレーズを持ってくる凄まじき展開、そして又もや余韻を残しつつさっと演奏を切り上げる。3曲目は山本さんの神々しいまでの美しさに満ちたヴォイスにより幕を開け、そのフレーズを輪唱のように皆が其々のパートで追っていくように展開を始める。小森さんの僚間を生み出すかのような分散フレージングが見事なまでのバンドサウンドによる音像を打ち立てるのに貢献する。濃密かつ緻密なアンサンブルを保ちつつエンディングへ、やはりこれまた。外連味なく演奏を切り上げる。4曲目は、これまた素晴らしい曲だったのですが、細部覚えてなく、メモもし忘れてしまいました。5曲目は、金沢さんのエレピによるクロマティックフレーズから導入、見事なまでに小森さんのソプラノが同系の音を分散させて音像に膨らみを持たせ立体的に、坂元さんはエグイ短めのグリスを巧みに効かせてグイグイとグルーヴを持ち上げる、吉田さんは縦横無尽に切れ味鋭いリズムを展開させ、そこに眩いベールを被せるように山本さんのヴォイスが被る、絶妙のバランスの中に構築される美しさに満ちた狂気の音楽世界、突然ベースが走り出し、マグマ風からアレア風に場面展開するかのように音像がガラっと変わる。山本さんの歓喜のヴォイスが冴え渡り、素晴らしく映えて狂気と歓喜の錯綜する見事な演奏に昇華された印象ですね。この曲は坂元さんの作曲だと後から伺って、すっかり吉田さんの作曲だと思い込んでいましたものでかなりの驚きでした。6曲目、7曲目は、個人的にはこの日のハイライト、トンでもない曲と演奏に仕上がっていたように思います。まず、6曲目、冒頭から現代楽的なリズムとフレージングに圧倒され、そのサタニックな雰囲気も吉田さんのバスとシンバル、小森さんのエフェクトを効かせたソプラノとのユニゾンフレーズにより更に盛り上がり、いよいよサタンの登場かとも思える素晴らしき演出、場面展開を挟んだ間奏では、小森さんがクラリネットに持ち替えた絶品の木管フレーズにより、まさにサタンの登場を思わせる吉田さんのヴォイスを呼び込む、この間奏パートでの吉田さんの山本さんのヴォイスの掛け合いも堪りませんでしたね。そして、冒頭のテーマにまた場面は切替わり、小森さんがソプラノ持ち戻り、狂気を孕んだフリーキーかつ美しいフレーズでバンドサウンドをまとめ上げる。素晴らしいチェンバー的な構築美と激しい場面展開、ゲーテの「ファウスト」やミルトンの「失楽園」を想起させるようなヨーロッパ文化に暗く静かに横たわる深部を音楽の中で提示させてみせた印象ですね。7曲目も、現代楽曲的な展開で、本日の総括的にまとめ上げられていた印象で、それでいながらも明るい雰囲気も同時に存在する形、まるで歓喜と狂気が音楽の中で同居する素晴らしき楽曲、演奏だったように思います。ここで、本編を閉じますが、こんなにも素晴らしいライブを受けて、そのまま帰ることなどできよう筈も無く、当然のアンコールの要請となりました。アンコールでは、「ワールドミュージックみたいなもので、他のバンドの皆さんも、お客さんも参加して下さい、11拍子ですので注意しましょう」との吉田さんの言葉により、会場全体で11拍子の変奏曲を演奏することに。金沢さんのエレピと山本さんのヴォイスでテーマを提示し、それを受けて観客もコーラスの練習をするように2人に付いて行く、そのまま楽器がどんどん被さって来て演奏へ、バンドの面々も他のバンドの形も観客も一体となり祝祭的に11拍子のフレーズを変奏し、自然なグルーヴに身体を任せるように会場全体が踊り出す、途中で終わるような展開となるも、「まとまりが悪いね」と更に演奏を続け、最後には大団円的に演奏をしめる。素晴らし過ぎるほどに素晴らしい楽曲、演奏でした。益々、この夏発売予定の高円寺百景の 4th が楽しみになったと共に、この素晴らしい瞬間、音楽にまた近い内に会う事が出来る喜びに満たされました。


Machine and the Synergetic Nuts、サイトウエレトリコ・グッドサウンドConti 分についても、また時間見つけて更新します。


n.p. 高円寺百景「NIVRAYM」