09/01(水) SALLE GAVEAU@江古田 Buddy

09/01(水) SALLE GAVEAU@江古田 Buddy に行ってきました、セットは以下です。

1st Set:
01. アローイ (鬼怒無月作曲、鬼怒 ag、約8分)
02. パレード (鬼怒無月作曲、鬼怒 eg、約9分)
03. 板橋区 (喜多直毅作曲、鬼怒 ag、約14分)
04. カルカッタ (林正樹作曲、鬼怒 ag、約7分)
05. タンゴ・ロック (鬼怒無月作曲、仮タイトル、鬼怒 eg、約8分)

約52分

2nd Set:
06. 即興 (鬼怒 Solo : ag、約9分)
07. 1/29 Tango (鬼怒無月作曲、仮タイトル、鬼怒 eg、約13分)
08. ワルツ (鬼怒無月作曲、新曲:仮タイトル、鬼怒 eg、約9分)
09. 7 Steps to Post Tango (佐藤芳明作曲、鬼怒 eg、約9分)

Encore:
10. 可愛い曲 (鬼怒無月作曲、仮タイトル、鬼怒 eg、約7分)

約60分


SALLE GAVEAU Member:
鬼怒無月(ag,eg) (ag はガットギター:ラミレス、eg は Les Paul:Buccus)
喜多直毅(vn)
佐藤芳明(acc)
林正樹(pf)
鳥越啓介(b) (欠席)


林正樹さん正式加入後初の SALLE GAVEAU ライブ!残念ながら鳥越さんが他の仕事で欠席の為、フルクインテットでは無いですが、こんな夢のようなメンバーによるユニットの初めの一歩、外せる筈がありません!後々まで語り部となりつつ、「あれが全ての始まりだった」と子々孫々に伝えて行きたいところです。このユニットには、既に喜多さんと言う音楽表現の超人がいらっしゃいますので、現亜超人である新世代超人派の林さんの加入によるこの御二方の絡み、これは素晴らしいもの以外には成りようが無いという確認を持ってこのライブに臨みましたところ、やはり間違ってはいませんでした。それにしても本日の喜多さんの気合の入り方はいつもにも増して尋常ではなかった気がします。このユニットを大切にしているからこそ、林さんを認めているからこその喜多さんの厳しい姿勢が見て取れたように感じました。林さんも後の MC にて「このユニットは本当に入りたかったのです、喜多さんのファンですから」と仰ってまして、非常に良い音楽的関係は、既に林さん加入前から築かれていたようですね。1曲目は「アローイ」、やはり冒頭のテーマ合わせから、鬼怒さんと喜多さんが絶妙に絡み、佐藤さんと林さんはこれまた絶妙にサポートに回るのですが、もう4人の織り成すサウンドの一体感は素晴らしく、4つの個性が溶け合って1つのサウンドを生み出しているかのよう、初めの一歩の冒頭からこれですから、後は推してしかるべしの結果とも言えるでしょう、この時、既に歴史の生き証人になる私の覚悟は固まりました。続いては「パレード」、この曲、個人的に非常に気に入ってまして、いつもの鳥越さんのランニングベースパートは林さんの力強いタッチのフレーズが見事なまでに補完し、佐藤さんの分散フレージング伴奏、喜多さんの微分音パッセージがエキセントリックに時空の歪みをも音楽的に表現し、そんな鮮やかに彩られた音によるストリートを、鬼怒さんがレスポールを用いてのメインメロで行進をするように進んで行く、そんな曲相が堪らないですね。特に本日は、間奏部の喜多さんのソロが、狂おしいばかりに素晴らしい切れ味で、聴いていて、このままだと精神を破壊されてしまうと感じる程の狂気が内包されていたように感じました、本当にあと1分長く演奏されていたら廃人になっていたのではと考えて、今でもそれを思うと身震いします。改めてこの曲を聴くとふと思うのですが、Prince のその名も「Parade」の冒頭を飾る「Christopher Tracy's Parade」のイメージと大きく重なるのです、Prince のそれが、Funk Music の新たな境地を切り開いたように、SALLE GAVEAU の「パレード」は、Tango の新たな境地を切り開いているように強く感じられます。そして3曲目には、もう名曲中の名曲「板橋区」、鬼怒さんがガットギターに持ち替え、繊細で抽象的なアルペジオによるフレーズで演奏を開始し、鏤めるようにテーマを奏でる、佐藤さんがその美しさを引立たせるような物悲しいフレーズを絡めてきて、装飾音を絡めながら曲相を整えていた喜多さんが、郷愁を誘うようにたっぷり引っ張ったメインメロを静かに、柔らかく、時に狂おしくビブラートをかけながら乗せてきます。そして、リリシズム溢れる繊細なタッチによるパッセージをものの見事に絡めつつサポートに回る林さん!この美しさは、例えようも無い程ロマンチシズム溢れる素晴らしい演奏です、いつも演奏に触れる度、余りの音像の美しさに、自らの在り様というか存在が希薄になり、何時の、何処の時代に何者としてこの美しさと対峙しているかが全く分からない状態になるのですが、本日の演奏は特にその存在の希薄な感覚に拍車がかかり、自分が透明な存在で、その空間には純粋なる美しさだけが存在し、それを捉える存在は全く無くなっている様にさえ感じてしまいました。そして続いては林さんの曲「カルカッタ」、クワトロシエントス「4月のうた」に収録されてますので、ファンの方にはお馴染みの曲でしょう。鬼怒さん曰く「曲を持って加入してくれるとは、名古屋の嫁入りの持参金のようで嬉しいですね」、軽快に奏でられる林さん流の新しい Tango の姿、林さんの軽快なタッチで軽やかに曲に導入し、鬼怒さんの抽象的なアルペジオに伴われメインメロへ、佐藤さんの見事なサポートを受けつつ、間奏部での喜多さんのソロ、これが入ると人形師が作品に魂を吹き込むかのようで、演奏全体が生き生きとして軽妙洒脱な傑作演奏に仕上がる、喜多さんのソロを受けての林さんのソロが飛び切り美しく映え、更に負けじと鬼怒さんがスタッカートの効いたフレージングからスイープをかませるソロでまとめ、見事な演奏に仕上げる。演奏後に鬼怒さんが一言「良い曲ですねぇ」、1部最後は「タンゴ・ロック」、鬼怒さんのディストーションをかけたフレーズから激しく曲に導入、


と、書いてると止まらなくなるので、ここまででアップし、また時間を見つけて更新します。


tokunagaさんが現代パフォーミングアーツ入門にて本ライブを取り上げていらっしゃいます。

n.p. Kita Naoki「Hypertango II」