08/29(月) 日比谷カタン・る*しろう@新宿 redcloth

08/29(月) 日比谷カタンる*しろう新宿 redcloth に行って来ました。セットは以下、

日比谷カタン
01. 逆さもどき参る 〜 畸型認メ申ス 〜 スキゾフレニイアパルトメント (日比谷カタン作曲、約14分)
MC 中に「薔薇は美しく散る」(作詞:山上路夫、作曲:馬飼野康二、約2分)
02. 愛のギヨテーヌ 恋するイミテシオン (日比谷カタン作曲、約5分)
03. アンコンタシオン(おまじない) 〜 逆さもどき参る (日比谷カタン作曲、約16分)

約43分


Harpy
01. Root (約2分)
02. Johnson (約2分)
03. Bird Brings Broccole (約2分)
04. 2.31 Cafe (約2分)
05. Sunset Police (約2分)
06. Nervous Marchandise (約2分)
07. Without Option (約2分)
08. Galosh (約2分)
09. Trolley Trip (約1分)
10. Nearest (約4分)

約30分


ヨロ昆撫

約37分


る*しろう:
01. くねり腰 (金澤美也子作曲、1st収録、逆回転モノ第2弾、約7分)
02. 犬 (金澤美也子作曲、アルバム未収録、逆回転モノ第3弾、約5分)
03. 魅惑のハワイ旅行(金澤美也子作曲、アルバム未収録、約13分)
04. ヲ−リ−すーる (金澤美也子作曲、1st収録、逆回転モノ第1弾、約9分)
05. 時計 (井筒好治作曲、1st収録、約6分)

約43分



”ゼツヱシヲン東京分離派展9 - 変拍子から始める非日常会話:1 - ”という、悦楽共犯者こと日比谷カタンさん企画の東京にて著しく分離して活動している4バンド(?)が集結するライブイベント、私はカタンさんとる*しろう目当てで足を運びました。何と会場には、ガレージシャンソンショーや SALLE GAVEAU 等にてアコーディオン奏者として活動し、高い評価と四囲の注目を集める佐藤芳明さんがプライベートで見にいらっしゃってたようで、楽しんでいらっしゃったようでした。まずは、行き成りカタンさんから幕を開けます、トランスジェンダー風の格好が以前より柔らかめになった感じですが、ギター演奏の超絶ぶりと、独特の節回しのヴォーカルは全くの健在でした。MC での曲の解説も聞けば聞くほど分からなくなる迷宮ぶりで、こちらも相変わらずでした。どうやら、現在新作に取り組んでいて、逆さもどきと言う主人公が様々に姿形、時、場所を変えて活躍する様をクォータービュー(何故か、タクティクスオウガバトルがどうのと言う話に)で音楽的に捉えた作品となるようで、本日は、その途中までの完成部分を 1st 収録曲を交えながら演奏していらっしゃったようでした。こんなシンプルな話しが、あっちへ飛び、こっちに戻ってくると思ったら、Uターンしてしまうと言った感じで、「愛のギヨテーヌ〜」の件では舞台が五反田だのベルサイユ(イメクラ:思わせぶりな課外活動)だのと言いつつ、ベルサイユということを説明するために「ベルばらのテーマ」を1曲丸まる演奏したり(これがまた良かったりします...)まあカタンさんらしいですね。そんな MC を見てる(聞いてる)とイジメたくなると言うか殴りたくなるようなカタンさんですが、セルマーレプリカを手に奏でられるサウンドは心憎いほどに歌心に溢れ、梅津さんじゃ無いですが、そこにジャンゴ・ラインハルトの生まれ変わりを見てしまう、本当に素晴らしいミュージシャンですね。思い切り堪能させていただきました。最後の「アンコンタシオン 〜 逆さもどき参る」の後半部分での超高速アルペジオをヴォーカルに絡めトーンを落としつつブレイクさせ、再びト−ンを上げるような形での表現によるサウンドセンスには完全に脱帽、サウンドが無茶苦茶カッコ良過ぎです。カタンさんが元バリバリのメタルギタリストだったと言う話しは良く知られていることですが、林正樹さんと良い、この辺りの新世代超人派ミュージシャンは、古いメタルでは無く、完全に ProgMatal を良い形で通ってきて旨く自らの表現活動に活かしている気がします。ますますカタンさんの今後の活動から目が離せなくなりました。


トリで登場は、久々のる*しろうです。見た目は相変わらずアンバランスな3人ですが、一度音を奏でるや、その生み出されるバンドサウンドは不思議なほどの一体感を感じさせてくれます、しかもこのところの金澤さんの暗黒よりが、同じように他の2人にも見られ、待たれる 2nd も何処へ向かうかが気になるところです。冒頭は金澤さんのラフマニノフ風ピアノソロ〜魔崖仏語風ヴォイスでの「くねり腰」歌詞を被せての弾き語り、行き成りの大暗黒世界を演出し、菅沼さんのこれまた暗黒風(吉田さんを意識?)ドラム、そして井筒さんまでもが暗黒ヴォイスを絡めてくる(プログレ嫌いって言ってたやん!)「くねり腰」、ただでさえ狂気性の高い楽曲が、サタニックテーストに彩られ、妖しく、かつ暴風雨のような暴力性を持って人々を薙ぎ倒す。続いては、ワンワンとすっかり犬になった様子で言葉を交わしながら「犬」へ、これまた無茶無茶暗黒性が高まってます、随分と怖い凶暴な犬3匹による演奏に圧倒されてしまいまして、最後の「ワンワーワッワンワン」の吠え方も尋常じゃなかった気がします。で終了後、金澤さんの MC も相変わらず何言ってるか分からないのですが、妙に言いたいことは伝わると言う不思議な MC、これもまたる*しろうらしさの一つなのでしょうね。続いては待ってましたの「魅惑のハワイ旅行」、しかしこの暗黒色の強さは何でしょう、日常の極ありふれた情景が独自の切り口で音楽的に描かれる橋田壽賀子ドラマ的チェンバーナンバーが、その内包してた毒を表層から噴出させたかのように毒々しい暗黒色で彩られています。間奏部のメンバー3人によるアカペラ展開も凄まじく、終盤に据えられた井筒さんのソロも正にガイキチそのもの、素晴らしい!る*しろうならではの展開、オーケストレーションで見事なまでに構築されてました。出来るだけ早期の 2nd レーコーディングと収録が待たれますね。そしてる*しろうのテーマ曲ともいえる「ヲ−リ−すーる」も相変わらずの大迫力な演奏、最後を締めるは井筒さんの「時計」!この曲の音楽的ガイキチっぷりも素晴らしいですね、一時期のホールズワース的な、最近で言うと、ザッパの遺伝子を現在進行形で育てている Mike Keneally の知的な冷めた音楽的狂気性と合い通じるものがあります。そんな素晴らしい曲を、見た目女房子供を泣かせまくりの博打堕落オヤジな井筒さんが書いているという途轍もなくアバンギャルドな事実が、やはりこれまたる*しろうの魅力そのものですね、堪能させていただきました。そんな、更に暗黒性を増したる*しろうと、久々降臨のポチャが2年半ぶりに対バンする 9/24 の「共鳴と誤差 in 血みどろ☆REMIX」@初台DOORS、これは外せないですね。


取り敢えずここでアップして、また、時間見つけて更新します。


n.p. 日比谷カタン「対話の可能性 - Moznosti Dialogu -」