06/26(日) スズキイチロウ・カルテット@入谷なってるハウス

06/26(日) スズキイチロウ・カルテット@入谷なってるハウス に行ってきました。まずはセットから、

1st Set:
01. Hobo Brazil (スズキイチロウ作曲、小森 ss、約18分)
02. Number (スズキイチロウ作曲、小森 b-cl、約10分)
03. サボテンブラザース (スズキイチロウ作曲、小森 ss、約8分)
04. Free Way II (スズキイチロウ作曲、小森 ss、約11分)

約53分

2nd Set:
05. Missing(Child) (スズキイチロウ作曲、スズキ ag & 小森 b-cl Duo、約9分)
06. Naadam (林栄一作曲、スズキ ag & 小森 ss Duo、約11分)
07. Boo-Ko (スズキイチロウ作曲、小森 ss、約17分)
08. Far East (スズキイチロウ作曲、小森 ss、約16分)

約57分


まず、イチロウさんの開始後の MC で行き成りドラムスが斎藤良さんに変更した旨の通知があり驚きました。個人的に大好きなドラマー、金子清貴さんは、ホームページを見てみると、事情は分かりませんがどうやら暫くお休みされるようです、一日も早い活動再開をお祈り申し上げます。で、この斉藤さんですが、どこかで見たこと有るなぁと思ったら、Saigenji さんの新譜「Innocencia」から参加して、ツアーでも叩いた方でした。その特徴のあるアフロビートの叩き出し、独特のスリップアプローチを聴いて思い出しました。「Innocencia」でのプレイは勿論、Saigenji さんのライブでも聴いていて、個人的に気に入ってましたので、この辺りの偶然にも驚きでした。個人的な印象は、Jack DeJohnette の語法を持ち、Manu Kache の粘っこいビート感とスリップ感を有するうるさ型ドラマーって感じでしょうか、終演後、小森さんも「Yan Garbarek を想い起こさせる」と仰ってましたが、正しく Manu Kache でした。そんな訳で、スズキイチロウ・カルテット、メンバーは、バンドマスターであり、元渋さ知らズ、サウスポーから繰り出される独特のリリシズム溢れるフレージングで Electric, Acoustic 共に高いレベルでの演奏と天才的メロディメイカーとしての資質を縦横無尽に発揮し、先頃の小松亮太さんとの共演でも更なる高い評価を得ているスズキイチロウ(eg, ag), 現渋さ知らズ、高い技術と生来のアバンギャルド性、高い審美眼と知的なアプローチによるマルチリード奏者にして、総合芸術家、既存の枠に囚われない幅広い活動で様々な方面から注目を集めつつ、渋さヨーロッパツアーでも大活躍だったと話題を集めている小森慶子(ss, b-cl), その確かで高い技術と共にロマンチシズム溢れるメロディアスなフレージングでバンドサウンドのコアを担い、Sccot LaFaro を彷彿とさせる Uplight Bass で様々な方面から引張りだこの売れっ子ベーシスト磯部ヒデキ(b)、そして、本日より参加された、斉藤良(dr) の4人により構成され、聴く者を心の底から楽しませるメロディ重視でかつ高い音楽性を同時に有し、今、有るべき Jazz の姿を追い求めつつ、常に観客を魅了させる豊穣なる音に溢れるライブ活動を常に続けていらっしゃいます。本日のライブは、斎藤良さんの加入もあって、イチロウQの新たな面を開花させるある意味、新たな地平を目指す出発点とも取れる印象で、特にフリー色の強い曲でその音像の違いに驚かされました。勿論、本日、サウンドプロセッサの電源を忘れて多彩なトーンを使用できなかったため、割とシンプルで繊細なトーンで通し、よりイチロウさんのリリカルなフレージングがクローズアップされる形となったことや、渋さのヨーロッパツアーから帰ってらして、サウンドアプローチに新たな境地を見て取れた小森さんのサウンドといつもながらマイペースに頑固に至上のハーモニーを瞬間の中に生み出し、サウンドのコアを支え続けた磯部さんのベース、やはりこのイチロウQのサウンドは今、この瞬間にこのメンバーにて有るべき音を相互に高め合いながら紡がれる素晴らしきサウンドでした。来月のイチロウQのライブは、7/17(日)@なってるハウスとのこと、8月は小森さんが渋さのヨーロッパツアーに三度向かわれますので残念ながらお休みとのこと、興味と機会のある方は 7/17 をお見逃しなく!


n.p. Saigenji「Innocencia」